建設業許可違反

建設業許可の無許可や営業停止について下請けの場合も解説

建設業許可違反

建設業には、建設業法に基づく許可制度があり、一定規模以上の工事を請け負う場合には建設業許可が必要です。

たとえ許可を受けていたとしても法令違反によって営業停止などの処分を受けることもあります。違反や罰則、元請や下請けの場合について詳しく解説します。

建設業許可の違反とは

無許可営業

建設業法第3条では、「軽微な工事」である税込み請負代金500万円未満の建築一式工事以外の工事、または1,500万円未満の建築一式工事を除いて、建設業を営むには国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要ですが、無許可でこれを超える工事(税込み500万円以上)を請け負った場合、法令違反となります。

名義貸し

許可を持っている建設業者が、無許可業者などにその名義を貸して工事をさせる行為も建設業法によって禁止されています。

虚偽の申請

建設業許可の取得、更新や変更届出において虚偽の内容を申請したり報告した場合も違反となります。

営業停止命令等の無視

営業停止などの行政処分を受けたにもかかわらず営業を継続した場合も、重大な違反行為となります。

違反の罰則

建設業法違反に対しては、以下のような行政処分および刑事罰が科されます。

行政処分

  • 行政処分には次の3種類があります。
    • 指示処分として、是正措置命令
    • 営業停止処分として、一定期間の営業禁止
    • 許可取消処分では建設業許可の取消し

刑事罰

建設業法第50条等に基づいて刑事罰が規定されています。

無許可営業

3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)

名義貸し借り

3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)

虚偽申請

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

違反内容によっては、罰則だけでなく公共工事の入札資格停止もあります。また、罰金刑を受けてしまうと、建設業法上の欠格要件に該当します。今後5年間は許可を取れません

無許可や営業停止業者を下請けにした場合

元請業者が無許可業者や営業停止中の業者を下請けに使った場合も、建設業法違反となる可能性があります。

元請側の責任

建設業法では、元請業者が「不正又は著しく不適当な行為をした下請業者を使用して工事を施工してはならない」と規定されています。これに違反すると、元請業者自身が指示処分や営業停止等の行政処分を受ける可能性があります。7日以上の営業停止処分を受ける可能性があります。

元請業者には下請業者の適格性を確認する義務(下請業者管理責任)があり、無許可業者や営業停止業者であることを知らなかったでは済まされません。

共同違反

元請が無許可業者と共同して違反行為を行った場合、共同違反として重い責任を問われることもあります。

たとえば、元請が実質的に施工管理を任せ、下請業者が無許可で主体的に工事を施工した場合などは、元請の監督義務違反とみなされる可能性があります。

公共工事への影響

無許可業者の使用が発覚した場合、元請業者が公共工事の入札参加資格停止処分を受けることもあります。

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