静岡の行政書士法人アラインパートナーズです。日頃の建設業許可業務のご質問などの経験に基づいて、建設業者様にぜひ知って頂きたい建設業許可の基礎知識を信頼性が高く権威のある静岡県の手引きを基に、アラインパートナーズの日常業務経験のノウハウを加えて解説します。
建設業許可には、「新規」「更新」だけでなく、「許可換え新規」や「般・特新規」「業種追加」など、複数の申請区分があります。これらの違いを正しく理解していないと、誤った申請をしてしまったり、許可取得が遅れたり、最悪の場合は無許可営業と判断されることもあります。建設業許可の各申請区分について、ポイントや注意点などを詳しく、わかりやすく解説します。
新規とは
「新規」とは、これまで一度も建設業許可を受けていない事業者が、初めて許可を取得する場合の申請区分のことです。
個人事業主として初めて建設業許可を取得する場合や法人を設立して、新たに許可を取得する場合が該当します。
どの許可行政庁からも建設業の許可を受けていない者が、新たに許可を受けようとする場合に「新規」の申請を行います。
書類の提出先は、静岡県の場合、静岡県庁建設業課です。全国、都道府県庁が多いです。
また、個人の知事許可業者が「法人成」または、「事業継承」の申請を行う場合も、「新規」の申請区分となります。ただし、静岡県では、法人成は土木事務所に申請を行います。
(静岡県の申請先)
交通基盤部建設経済局建設業課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3058
要件
経営業務の管理責任者(経管)や営業所技術者の要件確認が重要です。財産的基礎(500万円以上)も必須ですし、社会保険加入が実質的に必要になります。
経営業務の管理責任者(経管)とは建設業許可の取得・維持に必須となる、営業所ごとに配置される「経営の責任者」のことです。
営業所技術者とは、建設業許可の要件として、各営業所に常勤(原則)で配置が義務付けられている技術者のことです(旧:専任技術者)。
注意点
新規申請では、過去の実績証明(工事経歴)や経管の証明資料が揃わないケースが多く、事前準備が重要です。これがたいへんな作業であることが多いです。行政書士(アラインパートナーズ)に相談しておいたほうがよいでしょう。

許可換え新規とは
許可を受けた後、営業所の新設、廃止、所在地の変更などによって、許可行政庁を異にすることとなった場合には、新たな許可行政庁から建設業許可を受けることが必要になります。従前に受けている許可の効力は、新たな許可を受けたときに失効します。ただし、新たな許可を受けるまでの間は従前の許可は有効です。
これは、許可行政庁を変更する場合の申請になります。たとえば、知事許可から大臣許可(営業所が複数都道府県にまたがる)に変更する場合とか、他都道府県へ主たる営業所を移転する場合が該当します。
書類の提出先は、静岡県庁建設業課です。予約制です。予約してから訪問してください。
静岡県交通基盤部建設経済局建設業課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3058
建設業法からの引用です。
(許可換えの場合における従前の許可の効力)
第9条 許可に係る建設業者が許可を受けた後次の各号の一に該当して許可を受けた建設業を営もうとする場合において、第3条第1項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けたときは、その者に係る従前の国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けたときは、その者に係る従前の国土交通大臣又は都道府県知事の許可は、その効力を失う。
一 国土交通大臣の許可を受けた者が一の都道府県の区域内にのみ営業所を有することとなったとき。
二 都道府県知事の許可を受けた者が当該都道府県の区域内における営業所を廃止して、他の一の都道府県の区域内に営業所を設置することとなったとき。
三 都道府県知事の許可を受けた者が2以上の都道府県の区域内に営業所を有することとなったとき
ポイント
現在の許可を引き継ぐ形ではなく「新規扱い」になります。ただし、番号は変更されます。
注意点
許可の空白期間が生じないよう、タイミングの管理が重要になります。同時に旧許可の廃業届が必要です。
般・特新規とは
「般・特新規」とは、一般建設業と特定建設業を切り替える、または追加する場合の申請です。現在一般建設業の許可のみを受けている事業者が新たに特定建設業の許可を申請する場合、または現在特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を申請する場合に「般・特新規」の申請を行います。
なお、特定建設業の許可のみを受けている者が、新たに一般建設業の許可を申請する場合で、許可を受けている建設業の一部について、一般建設業の許可を申請しようとするときは、当該特定建設業を廃業し、般・特新規として申請することとなります。
また、特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を申請する場合で、許可を受けている建設業全部について一般建設業の許可を申請しようとする場合には、特定建設業の全部を廃業させた後、新たに一般建設業の許可を申請することなります。(新規許可申請となります。)
提出先は土木事務所です。
静岡県の土木事務所の一覧です。
下田土木事務所〒415-0016 下田市中531-1 電話:0558-24-2104
熱海土木事務所〒413-0016 熱海市水口町13-15 電話:0557-82-9161・9162
沼津土木事務所〒410-0055 沼津市高島本町1-3 電話:055-920-2203
富士土木事務所〒416-0906 富士市本市場441-1 電話:0545-65-2458
静岡土木事務所〒422-8031 静岡市駿河区有明町2-20 電話:054-286-9308・9309
島田土木事務所〒427-0019 島田市道悦5-7-1 電話:0547-37-5245
袋井土木事務所〒437-0042 袋井市山名町2-1 電話:0538-42-3212
浜松土木事務所〒430-0929 浜松市中央区中央1-12-1 電話:053-458-7255・7256
一般と特定の違い
一般建設業は、下請契約の金額制限がありますが、特定建設業では、大規模工事の元請が可能となります。
特定建設業の許可は、元請として受注した1件の建設工事において、下請契約の総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)となる場合に必須となる、大規模工事に対応した建設業許可です。下請保護のため、一般より厳しい財産的基礎や1級技術者の配置が義務付けられます。
一般から特定へ変更する場合、特定から一般へ変更する場合、両方を併せて取得する場合が該当します。
ポイント
特定建設業は要件が厳しくなります。(財産要件:自己資本2,000万円以上など)技術者要件も高くなります。
注意点
安易に特定を目指すと要件不足で不許可になるため、事業規模に応じた選択が重要です。建設業者の多くはほとんど一般です。特定は大手のゼネコンなどが多いです。

業種追加とは
「業種追加」とは、すでに取得している許可に別の業種を追加する申請です。現在一般建設業の許可を受けている者が他の業種の一般建設業の許可を追加して申請する場合、または現在特定建設業の許可を受けている者が他の業種の特定建設業の許可を追加して申請する場合に「業種追加」の申請を行います。
たとえば、業種が建築一式のみのところを、内装仕上工事を追加する場合とか、電気工事業を追加する場合などが該当します。
提出先は土木事務所です。
ポイント
業種ごとに営業所技術者が必要になりますし、実務経験証明または資格が必要になります。
注意点
業種の区分は細かく分かれているため、「実際の工事内容」と「許可業種」が一致しているかの確認が必要です。
更新とは
建設業の許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。建設業の許可の有効期間以後も引き続いて建設業を営もうとする事業者は、管轄の土木事務所に許可の更新に係る申請書を提出して、その更新を受けなければなりません。
なお、静岡県では前回の許可申請書の副本及び当該許可以降に提出した変更届の副本を必ず持参するようにします。
「更新」とは、既に取得している建設業許可を継続するための手続きです。建設業許可の有効期間は5年間なので忘れないようにします。
ポイント
静岡県の場合、有効期限満了の30日前までに申請します。更新を忘れると失効して、新規扱いになってしまいます。
注意点
決算変更届(毎年)が未提出だと更新できません。社会保険未加入も審査に影響します。
許可の有効期間の調整(許可の一本化)
複数の許可を持っている場合、有効期限がバラバラになることがあります。これを揃えるのが「一本化」です。
この一本化の目的は、管理の簡略化と更新手続きの効率化です。
注意点
更新時期を調整して同一日に揃えます。また一部を短縮更新するなどの対応を取る場合もあります。
許可の有効期間の調整(許可の一本化)の例
静岡県の手引きでは、次の2つのケースが掲載してありますので、転載します。同一業者が別個に2つ以上の許可を受けている場合は、最初の許可の更新として申請する際に有効期間の残っている他の工事業の許可についても同時に1件の許可の更新として申請することができます。
また、業種追加や般・特新規の申請に併せて更新することもできます。ただし、この場合、追加する許可の申請についてある程度の審査期間が必要となるため、それと同時に更新を申請することができる従来の建設業の許可の有効期間は、原則として30日以上残っていることを必要とします。
ケース1
たとえば、平成29年5月25日付け許可の建築工事業と、令和2年7月25日付け許可の大工工事業の2つの許可を有する場合に、令和4年5月25日の建築工事業の更新に際して許可の有効期間を調整し、建築工事業及び大工工事業のいずれの有効期間も令和4年5月2日から令和9年5月24日までとするケース
ケース2
令和元年5月25日付け許可の土木工事業の許可を有する場合に、令和4年7月25日の管工事業の業種追加に際して許可の有効期間を調整し、土木工事業及び管工事業のいずれの有効期間も令和4年7月25日から令和9年7月24日までとするケース

まとめと注意点
ひとことでまとめると、初めては「新規」、営業所変更は「許可換え新規」、種類変更は「般・特新規」、工事範囲拡大は「業種追加」、継続では「更新」となります。
業種追加をしていないまま工事を受注すると、無許可営業となる可能性があります。更新期限を1日でも過ぎると許可は失効します。また、法人化や代表者変更では、新規や許可換え新規になる場合があります。
かなり複雑な制度なので判断に迷うケースも多いと思います。事前に静岡の行政書士法人アラインパートナーズへ相談してください。長年、静岡県庁で実務をしてましたので、このあたりの手続きを熟知しております。
Q&A
まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。

