静岡の行政書士法人アラインパートナーズです。日頃の建設業許可業務のご質問などの経験に基づいて、建設業者様にぜひ知って頂きたい建設業許可の基礎知識を信頼性が高く権威のある静岡県の手引きを基に、アラインパートナーズの日常業務経験のノウハウを加えて解説します。
経営業務の管理責任者の確認資料/書類は、常勤性として多いのは、健康保険被保険者証等・住民票等があり、法人役員の場合であれば、経験期間として、商業登記簿謄本等、経験業種としては、建設業許可通知書・請負契約書等などとなります。
経営業務の管理責任者の確認資料/書類は複雑になってますので、詳しく解説します。なお、下記をお読みいただいても、分かりづらいところがあると思いますので、わからないことがあれば、行政書士法人アラインパートナーズに遠慮なくお問い合わせください。それでは、詳しく解説します。
「経営業務の管理責任者」とは
建設業許可における「経営業務の管理責任者」とは、建設業の適正な経営を担うために必要な経営能力を有する者を指しています。
建設業は工事ごとに資金調達、資材手配、技術者配置、下請契約など総合的な経営判断が求められるために、許可取得には一定の経営経験を持つ常勤役員等の配置が必要になっています。
具体的には、建設業で5年以上の経営管理経験を有する者や、これに準ずる立場での実務経験者が対象となります。これは発注者保護と適正な施工体制確保を目的とした重要な許可要件になっています。
経営業務管理責任者の例(実態)
国土交通省によれば、経営業務管理責任者の実態は、現在登録されている経営業務管理責任者については、サンプル調査をした下記20社のうち8割の16社で50歳以上となっており、経営業務管理責任者として現在登録されている人の役職は、法人では代表取締役や取締役、個人事業主では本人がなっていると公表しています。
特に、個人事業主については、70歳を超えている例もあり、高齢化が進んでいるとも発表しています。建設業においては、経営業務管理責任者に限らず、高齢化と人不足が大きな問題となっています。
経営業務管理責任者要件
建設業の経営に関する一定の経験を有する者が、1名以上常勤役員等であることが経営業務の管理責任者の要件と建設業許可に定めてあります。
建設業法からの引用です。
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
建設業の経営に関する一定の経験を有する者
建設業の経営に関する一定の経験を有する者とは具体的に次のとおりとなります。
1.許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験のことです。
2.許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
3.許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者
・経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会、または代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験がある者
取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験のことです。
・6年以上経営業務を補佐した経験
許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般について従事した経験のことです。
1名以上常勤役員等
- 1名以上常勤役員等とは、次のとおりです。
- 業務を執行する社員(持分会社の業務を執行する社員)
- 取締役
- 執行役
- 上記に準ずる者(組合等の理事等)
取締役と執行役員の違いですが、取締役は会社の経営方針や重要事項の決定を行う「経営陣」であり、執行役員はその決定に基づいて実務を遂行する「業務執行の責任者」です。大きな違いは会社法上の役員かどうか、そして決定権の有無にあります。

確認書類
確認書類ですが、なかなか複雑ですが、ざっくり、まとめてしまうと次のとおりとなります。
(1)常勤性
①健康保険被保険者証等
②住民票等
(2)経験(法人役員の場合)
①期間
・商業登記簿謄本等
②業種
・建設業許可通知書
・請負契約書等(許可を有しない期間がある場合)
該当者の地位及び常勤性
5年役員・事業主経験コース、6年補助経験コース(個人)、6年補助経験コース(法人)、5年執行役員経験コースにおいては下記が共通となります。
①「住民票」国内に住民登録があるときは不要です。
②「健康保険被保険者証」(個人事業主の場合は「国民健康保険被保険者証」)の写し
③執行役員等の地位が業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にあることを確認するための書類(組織図その他それに準ずる書類)
④業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業に関する事業部門であることを確認するための書類(事務分掌規定その他これに準ずる書類)
⑤取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受けるものとして選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念するものであることを確認するための書類(定款、執行役員規程、執行役員事務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規程、取締役会の議事録その他これに準ずる書類)
経験期間の地位
⑥「履歴事項全部証明書」・「閉鎖事項全部証明書」
経験期間の常勤性
経験期間の常勤性は以下の書類のいずれかの写し(必要期間分)となります。
ア「健康保険被保険者証」
イ「厚生年金被保険者記録照会回答票」(又は「厚生年金加入期間証明書」)
ウ「法人税確定申告書」の「別表一」、「役員報酬手当及び人件費等の内訳書」
エ「所得証明書」及び「源泉徴収票」
オ「住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)」
請負実績
請負実績は、ア~オの書類のいずれか(必要期間分)となります。
ア「契約書」(写しを提出)
イ「注文書」、「発注書」又は「発注証明書」(写しを提出)
ウ「請求書」及び入金が明確に分かるもの(「通帳」、「預金取引明細票」等第三者機関が発行したもの)(写しを提出)
エ「許可申請書」の以下に掲げる箇所の写し(写しを提出)(許可業者の常勤役員、事業主、または令第3条の使用人としての経験がある場合)
オ「許可通知書」(写しを提出)
5年執行役員経験コース
⑱執行役員等の地位が業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にあることを確認するための書類ア「組織図」イその他これに準ずる書類
⑲業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業に関する事業部門であることを確認するための書類ア「業務分掌規程」イその他これに準ずる書類
⑳取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念するものであることを確認するための書類ア「定款」イ「執行役員規程」ウ「執行役員業務分掌規程」エ「取締役会規則」オ「取締役就業規則」カ「取締役会の議事録」キその他これらに準ずる書類○21執行役員としての経営経験期間を確認するための書類ア「取締役会の議事録」イ「人事発令書」ウその他これらに準ずる書類
6年補助経験コース(個人)
⑧補佐経験を証明しようとする6年分の「所得税確定申告書」の「第一表」、「第二表」及び「決算書」(専従者欄に氏名の記載があること、又は税務申告決算書の「給与賃金の内訳」欄に氏名の記載があり、原則として事業主に次ぐ所得を得ていること。)
事業継承
⑨「戸籍謄本」(本人の抄本、前事業主の「除籍謄本」(死亡の場合))
⑩建設工事にかかる債権債務の継承を確認するための書類・前事業主の最終の貸借対照表、損益計算書・継承時の財務諸表(継承後、決算期が到来している場合には、直前の貸借対照表、損益計算書)
⑪前事業主の税務上の「廃業届」、及び現事業主の税務上の「開業届」
⑫建設業法上の「廃業届」
6年補助経験コース(法人)
⑮被認定者による経験が業務を執行する社員、取締役若しくは執行役又は個人に次ぐ職制上の地位における経験に該当することを確認するための書類ア「組織図」イその他これに準ずる書類
⑯被認定者における経験が補佐経験に該当すること及び補佐経験の期間を確認するための書類a被認定者における経験が補佐経験に該当することを確認するための書類ア「業務分掌規程」イ過去の稟議書ウ「定款」エ「執行役員規程」オ「執行役員業務分掌規程」カ「取締役会規則」キ「取締役就業規則」ク「取締役会の議事録」ケその他これらに準ずる書類b補佐経験の期間を確認するための書類ア「人事発令書」イその他これらに準ずる書類

Q&A
まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。
経営業務の管理責任者の基本
Q. 経営業務の管理責任者とは何ですか?
A. 建設業許可における経営業務の管理責任者(いわゆる経管)とは、建設業の経営を適正に行うために必要な経験・能力を有する常勤役員等をいいます。建設業法第7条に基づく許可要件の一つです。
Q. 経営業務の管理責任者はなぜ必要ですか?
A. 建設業では資金調達、技術者配置、資材調達、下請契約など高度な経営判断が必要です。発注者保護や適正施工体制確保のため、一定の経営経験者の配置が求められています。
Q. 「経管」とは何の略ですか?
A. 「経営業務の管理責任者」の略称です。建設業許可申請の実務では「経管(けいかん)」と呼ばれることが一般的です。
Q. 建設業許可に経営業務の管理責任者は必須ですか?
A. はい。一般建設業許可・特定建設業許可ともに必要な許可要件です。
Q. 個人事業主でも経営業務の管理責任者は必要ですか?
A. はい。個人事業の場合は、事業主本人が経営業務の管理責任者になるケースが一般的です。
Q. 法人の場合、誰が経営業務の管理責任者になれますか?
A. 原則として常勤役員等(代表取締役、取締役、執行役など)が対象です。
要件について
Q. 経営業務の管理責任者になるには何年の経験が必要ですか?
A. 主な要件は以下です。
許可を受ける建設業で5年以上の経営経験
他業種の建設業で6年以上の経営経験
補佐経験6年以上
執行役員等として5年以上の管理経験
Q. 5年経験とは何を指しますか?
A. 建設業に関する経営業務を総合的に管理した経験を指します。単なる現場経験では足りません。
Q. 現場監督経験だけで経営業務の管理責任者になれますか?
A. 原則として難しいです。施工管理経験だけではなく、経営全般への関与実績が必要です。
Q. 職人経験だけで経営業務の管理責任者になれますか?
A. 通常は認められません。経営業務への関与が必要です。
Q. 他業種の役員経験は使えますか?
A. 建設業以外の役員経験だけでは認められません。建設業に関する経営経験が必要です。
Q. 別の建設業種の経験でも使えますか?
A. はい。他の建設業種でも6年以上の経験があれば要件を満たす可能性があります。
Q. 執行役員でも経営業務の管理責任者になれますか?
A. 一定の権限委譲や業務執行実態が確認できれば可能です。
Q. 補佐経験とは何ですか?
A. 経営業務管理責任者に準ずる立場で、資金調達、契約締結、技術者配置など経営業務を補佐した経験です。
Q. 補佐経験は何年必要ですか?
A. 原則6年以上必要です。
Q. 途中で会社を変わっても経験は通算できますか?
A. 条件を満たし証明資料が整えば通算できる場合があります。
常勤性について
Q. 経営業務の管理責任者は常勤でなければなりませんか?
A. はい。常勤役員等である必要があります。
Q. 常勤とはどういう意味ですか?
A. 主たる勤務先として継続的に勤務している状態です。
Q. 他社の役員を兼務していても大丈夫ですか?
A. 原則として常勤性が疑われるため注意が必要です。
Q. 非常勤取締役でも認められますか?
A. 原則として認められません。
確認書類について
Q. 経営業務の管理責任者の確認書類には何がありますか?
A. 主に以下です。
健康保険被保険者証
住民票
履歴事項全部証明書
建設業許可通知書
請負契約書
人事発令書
組織図
取締役会議事録
Q. 健康保険被保険者証はなぜ必要ですか?
A. 常勤性確認資料として用いられます。
Q. 住民票は必ず必要ですか?
A. 国内住民登録がある場合、省略できるケースがあります。
Q. 商業登記簿謄本は何のために必要ですか?
A. 役員在任期間の証明に使用します。
Q. 請負契約書は何を証明しますか?
A. 建設業としての請負実績を証明します。
Q. 契約書がない場合はどうしますか?
A. 注文書、請求書、入金記録など代替資料で証明できる場合があります。
Q. 通帳の写しでも証明できますか?
A. 請求書と組み合わせることで請負実績証明として利用できる場合があります。
Q. 許可通知書だけで経験証明できますか?
A. 許可業者での役員経験であれば有効資料になります。
法人役員のケース
Q. 取締役なら自動的に経営業務の管理責任者になれますか?
A. いいえ。役職だけでなく建設業経営経験の証明が必要です。
Q. 代表取締役でなくてもなれますか?
A. はい。取締役で必要経験があれば可能です。
Q. 執行役員規程は必要ですか?
A. 執行役員経験コースでは必要になることがあります。
Q. 組織図は必要ですか?
A. 補佐経験や執行役員経験の証明で求められることがあります。
個人事業主のケース
Q. 個人事業主はどうやって経験を証明しますか?
A. 確定申告書、請負契約書、開業届などで証明します。
Q. 廃業した個人事業の経験は使えますか?
A. 証明資料があれば使える場合があります。
Q. 家族従業者の経験は認められますか?
A. 専従者として補佐実績が証明できれば可能性があります。
Q. 青色申告決算書は必要ですか?
A. 個人事業の補佐経験証明で必要になることがあります。
事業承継の場合
Q. 親から事業承継した場合はどうなりますか?
A. 承継関係や債権債務承継を証明する資料が必要です。
Q. 戸籍謄本は必要ですか?
A. 相続・事業承継の場合に必要になることがあります。
Q. 廃業届と開業届は必要ですか?
A. 個人事業承継では必要になることがあります。

