スプリンクラーの設置工事は消防施設工事業になります。消防施設工事業は29業種の中でも他の業種とは違うところがあります。
専任技術者の資格者要件が異なっていますので注意が必要です。自治体によりますが、ほかの業種で認められている実務経験で専任技術者にはなることはできません。
消防法によって、消防施設の工事に関しては消防設備士という資格者のみが扱えることになっているためです。
基本的には500万円(消費税込)以上の消防施設工事を請負うためには消防施設工事業の建設業許可が必要になります。
消防施設工事とは
消防施設工事とは火災警報設備、消火設備、避難設備、消火活動に必要な設備を設置、取り付ける工事のことです。
消防施設工事とは、火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置する工事、または、それらを工作物に取付ける工事をいいます。
消防施設工事の該当工事
- 例えば次の工事が消防施設工事に該当します。
- 屋内消火栓設置工事
- スプリンクラー設置工事
- 水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体または粉末による消火設備工事
- 屋外消火栓設置工事
- 動力消防ポンプ設置工事
- 火災報知設備工事
- 漏電火災警報器設置工事
- 非常警報設備工事
- 金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋または排煙設備の設置工事
建築工事と鋼構造物工事
火災時等にのみ使用する組立式のはしごを設置する工事は消防施設工事に該当しますが、ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は消防施設工事ではなく、建築物の躯体の一部の工事として建築一式工事または鋼構築物工事に該当します。
建設業許可の要件
500万円(消費税込)以上の消防施設工事を請負うためには消防施設工事業の建設業許可が必要になります。
スプリンクラー工事などの消防施設工事業に限らず、建設業の29業種は建設業許可の要件があります。
- 建設業許可5つの要件とは次のとおりです。
- 経営業務の管理責任者(経管)がいること
- 専任技術者(専技)を営業所ごとに置いていること
- 請負契約に関して誠実性を有していること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること
- 欠格要件等に該当しないこと
経営業務の管理責任者の要件
- 経管の要件は次の内いづれかになります。
- 消防施設工事業を営む会社で役員(取締役)として5年以上の経験がある
- 消防施設工事業』以外の工事業(業種)を営む会社で役員(取締役)として6年以上の経験がある
- 消防施設工事業を営む個人事業主として5年以上の経験がある
- 消防施設工事業以外の工事業(業種)を営む個人事業主として6年以上の経験がある
- 消防施設工事業を営む会社または個人事業主の元で6年以上の経営補佐経験がある
専任技術者の要件
次の要件の(1)、(2)、(3)のいずれかを満たせば専任技術者になることができます。
(1)資格
一般の消防施設工事業の専任技術者になるための要件となる国家資格を持っていること
- 次の消防施設工事業の対応資格
- 甲種消防設備士
- 乙種消防設備士
- 登録消火設備基幹技能者
消防法の規定によって消防施設工事の施工には原則として消防設備士の資格が必要です。(消防法第17条の5)
(2)指定学科を卒業し、かつ一定の実務経験がある
建築学、機械工学、電気工学などに関する学科を卒業後、一定期間の実務経験があること
- 消防施設工事業の指定学科は次のとおりです。
- 消防施設工事業の指定学科
- 建築学、機械工学、電気工学
(3)消防施設工事業に関する10年以上の実務経験がある
消防施設工事業の建設工事の実務経験が10年以上あれば要件を満たせます。
消防法の規定によって消防施設工事の施工には原則として消防設備士の資格が必要です(消防法第17条の5)。
ただし、自治体によって異なる場合がありますので、詳しくは所管の自治体か行政書士にご相談ください。
静岡県の場合の問い合わせ先
交通基盤部建設経済局建設業課
静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3058