プレハブについて、設置で建設業許可が必要かということと、建設業許可を申請する場合に申請者の事務所がプレハブの場合でも建設業許可が取得できるのかという2つのテーマを解説します。
1.申請者がプレハブを設置する工事でも建設業許可が必要になるのかということと、2.申請者の事務所がプレハブの場合であっても建設業許可の要件をクリアできるかどうかの2つのテーマの解説です。
1.プレハブ設置工事で建設業許可を取得する
屋根がついていて壁や柱のある建造物は基本的には建設物になります。プレハブ設置工事でも建設業許可が必要になると考えられています。
プレハブと同じような建造物にコンテナハウスもありますが、組み立てが終わっている状態で運ばれるコンテナハウスと違って、プレハブの設置では、現場で組み立てることになります。ある程度、組み立て作業が発生します。
建造物は原則、地面に固定されていれば建設工事における建造物に該当します。数人で、移動できるプレハブであれば建設業の建造物に該当しませんが、アンカーやセメントによって固定するなど基礎がなされた場合は、プレハブであっても建造物に該当します。
建設業のプレハブ設置工事は、災害などの場合において仮設住宅としてプレハブを設置する工事などがあります。
プレハブを設置するだけの工事であれば、とび・土工・工事業になりますが、仮設住宅などで使用するプレハブは住居を目的としているので、ガスや水道工事もする必要があります。このように複数の工事を行う場合であれば、建築一式工事となります。
- 一般建設業許可の要件は次のとおりです。
- 経営業務の管理責任者(経管)がいること
- 専任技術者(専技)を営業所ごとに置いていること
- 請負契約に関して誠実性を有していること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること
- 欠格要件等に該当しないこと
2.建設業許可申請における申請者の営業所要件
建設業許可を申請する場合に申請者の事務所がプレハブであっても、建設業許可が取得できるかという点ですが、取得できない可能性があります。
建設業許可を受けるには、営業所の要件を満たすことも要件の一つになっています。
建設業許可の営業所とは、常に建設工事の見積りや入札、請負契約の締結に関する実態的な行為を行なっている事務所のことと定義されています。
他の営業所に対して、契約に関する指導や監督を行うなど、実質的に営業に関与する場合も営業所に該当します。
- 建設業許可の営業所の要件
- 外部から来客を迎え入れて建設工事の請負契約締結等の実体的な業務をしている
- 電話、机、各種事務台帳等を備えている
- 契約の締結等ができるスペースがあり、居住部分、他法人又は他の個人事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなど独立性が保たれている
- 営業用事務所としての使用権原を有していること(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること)
- 住居専用契約は、原則認められない
- 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してある
- 経営業務管理責任者が常勤している
- 専任技術者が常勤している
これらが建設業許可の営業所の要件となります。
物理的にはプレハブでも問題はなく、デスク、電話、パソコン等の什器、応接セット、看板などがあれば営業所として認められます。
- 営業所に該当しない事務所等の例として、次のものがあります。
- 単なる登記上の本店
- 事務作業のみ行う事務所
- 資材置き場
- 現場事務所や作業所など
このような事務所などの場合には営業所には該当しません。
登記上は本社や本店となっていたとしても、建設工事の請負契約を行わない場合は、営業所とはなりません。
これらの営業所の要件を満たしているのであれば、建物がプレハブであっても営業所として認められます。
ただし、各都道府県などの自治体によっては認められない場合もある可能性があります。
基礎がなくて簡単に移動や解体ができるプレハブでは認められない可能性があります。
都道府県の自治体によっては対応が異なる可能性がありますので、事前に確認したほうがよいでしょう。
管轄の建設業課か行政書士にお問い合わせください。
静岡県の場合の問い合わせ先
交通基盤部建設経済局建設業課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3058
ファクス番号:054-221-3562
行政書士法人アラインパートナーズ
〒424-0029 静岡市清水区下野中1-13
電話番号:0120-105-444
ファックス番号:054-333-5600
HP:https://office-align.com
建設業法の営業所は、常時、建設工事の請負契約などを締結する事務所となっています。
プレハブの場合であっても、それらの機能があるのであれば、営業所として申請できるとは思いますが、請負契約を締結する事務所ということになっていますので、事務作業をする場所や電話や机、台帳などを備えていれば建設業の営業所として申請できると思われます。
新規の建設業許可の申請の時には、営業所の写真を提出します。この写真で営業所としての機能があるのかどうかが確認されますが、申請者の名前や名称が掲げられていて、内部も営業所の機能を有していれば、問題にならないと思われます。
ただし、知事許可において都道府県によっては、プレハブを事務所として使用することについて対応が異なる場合がありますので注意が必要です。