リノベーションの場合も500万円未満の工事を請け負う場合は、建設業許可は必要ありません。
消費税や支給された材料費を含めた額が500万円を超える場合は、建設業許可が必要となります。
契約書が分割されている場合などで1つの請負契約の場合は、請負金額の合計が500万円を超える工事は建設業許可が必要になります。
リノベーションとリフォームでは、リフォームは一般的に建設業許可が不要な場合が多く、リノベーションは、許可が必要なケースが多くなります。
建設業許可が不要なケース
- 建築一式工事((1)もしくは(2))
- (1)1件の請負代金が1,500万円未満の工事
- (2)延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅の工事
「建築一式工事」とは、建物の建設に携わる複数の専門業者に対して、指導・監督を行う業務のことです。
建築一式工事以外
1件の請負代金が500万円未満の工事
リフォーム工事は、資格だけでなく許可もほとんど必要とされていないのが実態です。
建築工事には、国土交通大臣の建設業許可を取得することが定められていますが、一般的なリフォーム工事は建設業法の第3条に記載されている「軽微な建設工事」に該当することが多いです。
リフォームとリノベーションの違い
リフォームは直すとか原状回復の意味合いで使われることが多く、リノベーションは付加価値を付けるという意味で使われることが多いです。
リフォームは改善・改良という意味で、老朽化した建築物を新築の性能に戻すという意味で使われます。
経年劣化による設備の損傷、水回りなどの補修などがあります。リフォームは老朽化した箇所を改修して新築に近い状態に近づけることです。
リノベーションは既存の建築物に改修を加えて価値を高めることを主な目的にしています。古い団地を今風のマンションスタイルにする場合などです。
また中古物件を購入して、間取りや配管を変更して新しい家にしたり、家族の増減などで作り替えたりしたい場合などに使われます。
工事の規模の違い
リノベーションのほうが工事の規模や金額は大きくなります。金額が大きくなることで建設業許可が必要になるという訳です。
リフォームは、壁紙(クロス)の貼り替え、キッチンやユニットバスの交換、外壁の塗り替えなどですが、リノベーションは間取りの変更、水道管や排水管の変更など大規模な改修になることが多くなります。
居住設備の性能の違い
リフォームは、老朽化した住まいを新築に近い状態に回復させる改修になりますが、リノベーションは設備の修繕によって現状よりも高い性能にします。
リノベーションの費用相場は、面積では、40平方メートルで600~850万円、80平方メートルで900万~1,700万円が相場です。
リノベーションは工事の規模が大きいので工事期間もリフォームに比べると長くなります。マンションで2~3ヵ月、一戸建ての場合3~4ヵ月ほどかかります。
リフォームやリノベーションで建設業許可取得
500万円以上の工事を請け負うには建設業許可を取得しなければなりません。リフォーム工事であれば、主たる工事に対応する業種で建設業許可が必要になります。
- それぞれの工事に対応した専門工事の許可の種類です。
- 室内の改装修繕(壁や床など):内装仕上工事、大工工事
- 設備系水回り工事(キッチン・バス・トイレなど):管工事
- サッシや玄関扉などの工事:建具工事
- 外壁工事:塗装工事、防水工事、タイルれんがブロック工事、左官工事
- 屋根の補修など:屋根工事
- 外構エクステリア工事:とび土工コンクリート工事、タイルれんがブロック工事、造園工事
メインとなる業種での許可を取る
大工工事だけ、管工事だけの場合などの専門事業者であれば、管工事業や大工工事業などに対応した許可のみを取得します。
総合的・複合的に工事をするのであれば、取り扱うすべての業務に必要な建設業許可を取得すれば問題ありません。
内装仕上工事業でクロス張りをしても、その工事に関連する範囲で、コンセント移設で電気の配線をあつかったとしても、附帯工事扱いとなるので電気工事業の許可を取得する必要はありません。
リフォーム会社では、小規模なリフォーム工事が多く、対象工事が建設業許可が不要な場合でも信頼性とかリフォーム工事に関係する消費者のトラブルを防ぐといった観点から取得する会社も多くなっています。
リフォーム工事で必要な許可業種
建設業許可にはリフォーム工事という許可業種はありません。29種類ある許可業種の中から適切な業種を選択します。
リフォーム工事はリノベーション工事となるような大規模な工事から、クロスの張替えや水回りだけの簡単な工事もあります。
小さな工事でも配管関係なら管工事、外壁を塗装するなら塗装工事、エクステリア工事ならとび工事となります。