建設業許可について500万円未満の工事の請負いでも違反になる?

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500万円未満でも違反になる場合もあります。電気工事を行うには、電気工事業者の登録を各都道府県で行う必要があります。

都道府県に対して電気工事業登録をしていない場合は、違反となることがあります。その場合は、工事ができませんので登録電気工事業者に下請に出すことになります。

なお、電気工事業登録以外にもいくつかあります。

建設業許可の要件はクリアできていたとしても、そのほかの登録などの法的手続きが残っている場合があります。

建設業許可以外の法的要件は、なかなかわからない、知らない場合もあると思いますので事前に行政書士に相談しておいたほうがよいでしょう。それらの法的要件は違反すると罰則もありますので注意が必要です。静岡県下であれば、行政書士法人アラインパートナーズに相談してください。

電気工事業の登録

電気工事業を営もうとする場合は、電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)に基づいて、都道府県知事、または経済産業大臣へ登録等が必要です。

建設業法に基づく許可を受けた場合でも、電気工事業を営むときは、都道府県知事、または経済産業大臣へ届出等の手続きが必要になります。

一般用電気工作物や自家用電気工作物による感電、電気火災、電波障害などの危険や障害の発生を防止して、保安の確保に資するために、電気工事業を営もうとする者は、電気工事業者の登録、通知、または届出をしなければなりません。

一般用電気工事とは、600V以下の電圧で受電する電気工作物を施工する電気工事のことです。

自家用電気工事とは自家用電気工作物のうち、500kw未満の需要設備を施工する電気工事のことです。自家用電気工事は第一種電気工事士しか施工できないので、注意が必要です。

建設業許可を持っている場合に、電気工事業を開始したときは、遅滞なく届出をしなければなりません。

登録電気工事業者が建設業許可を取得した場合は、速やかにみなし登録電気工事業者への切り替え(登録電気工事業の廃止届、みなし登録電気工事業の開始届の提出)を行わなければなりません

建設業許可における電気工事業は、500万円以上の電気工事を請け負う場合に取得しなければならない建設業法に定められた手続きです。

電気工事業登録は、電気工事業を営もうとする場合に必要な手続きと法律になっており、電気工事業法に定められています

登録の区分によって登録電気工事業者、みなし登録電気工事業者、通知電気工事業者、みなし通知電気工事業者の区分があります。

建設業許可があっても電気工事業の登録をしていない場合、電気工事を行うこと自体が法律違反となります。

電気工事業法違反による罰則

電気工事業を無登録で行うと、電気工事業法第29条に基づいて罰則が科される可能性があります。

・罰則内容

6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金

法人の場合は代表者も罰則の対象となる可能性があります。また、違反が発覚すると行政指導や監督官庁からの厳しい監査が入る場合もあります。

・工事の契約が無効になる可能性

無登録で電気工事を行った場合、その工事契約自体が無効とされる可能性があります。契約無効が認められると、請負代金の支払いを請求できなくなるリスクがあります。

・許可の取り消しリスク

建設業許可を持っていても、電気工事業法違反が重大な場合、建設業許可の取り消しにつながる可能性があります。

  • 特に、次のような行為が見られた場合にリスクが高まります。
    • 繰り返し無登録で工事を行った場合
    • 名義貸しや虚偽申請が関与している場合

電気工事業登録の必要性

電気工事業の登録が求められる理由は、電気工事が他の工事と比べて高度な専門性と安全管理が求められる作業であり、登録制度によって施工業者の適性を確保することを目的となっています。したがって、建設業許可だけではこの目的を達成するのに不十分とされており、別途登録が必要とされています。

電気工事業登録の手続き方法

  • 登録を行うには次の手続きをする必要があります。
    • 登録申請書の提出
    • 管轄の都道府県庁または政令指定都市へ申請。
    • 必要書類の準備
    • 主任電気工事士の選任届
    • 技術者の資格証明書
    • 登録申請書(法人の場合は定款や登記事項証明書も必要)
    • 審査と登録証の交付

審査完了後、登録が完了して業務を合法的に行えるようになります。

とび・土工・コンクリート工事業(足場設置など)

労働安全衛生法に基づく特別教育・技能講習が必要になっています。

足場の組み立てや解体作業を行う場合、従業員が足場の組立作業主任者技能講習や特別教育を修了している必要があります。

労働安全衛生法に基づくこれらの講習は、建設業許可の有無に関わらず義務となっています。

  • とび・土工・コンクリート工事業の安全衛生法に関する講習には、次のようなものがあります。
    • 登録鳶・土工基幹技能者講習
    • 登録機械土工基幹技能者講習

登録鳶・土工基幹技能者講習は、連続2日間で講義と試験が行われて、合格すると「登録鳶・土工基幹技能者講習修了証」が交付されます。講習修了証の有効期間は5年で、更新講習を受講する必要があります。

登録機械土工基幹技能者講習は、3日間の講義と修了試験で構成されています。

  • 講習の受講要件は次のとおりです。
    • 建設業法の規定する「とび・土木工事業」または「土木工事業」で10年以上の実務経験がある
    • そのうち、職長経験が3年以上ある

講習の修了証の有効期間も5年で、更新講習を受講する必要があります。

浄化槽工事業

浄化槽工事を行う場合、建設業許可に加えて「浄化槽法」に基づく登録が必要です。

浄化槽工事業者は、都道府県知事の登録を受けなければ業務を行えません

また、工事に関わる技術者として「浄化槽設備士」の資格者を配置する必要があります。

浄化槽工事業の登録は、5年ごとに更新する必要があります。期間の満了する日の30日前までに更新の手続きを行って未更新の場合は登録抹消となり、再度の新規登録が必要です。

管工事業(特に給排水設備工事)

水道法に基づく指定工事業者登録が必要になります。給排水や配管設備工事を行う場合、水道事業者(各市町村や水道局)による「指定工事業者」として登録を受ける必要があります。指定工事業者でない場合は、配管や水道設備の接続工事を行えません。

解体工事業

建設業許可を取得していれば、解体工事業登録は不要になります。

また、解体工事業登録をした後に建設業許可を取得した場合は、解体工事業の登録を廃止する届出が必要となります。

解体工事業登録とは

解体工事業登録とは、建設リサイクル法に基づき解体工事を営むための登録制度になります。

建設リサイクル法とは、建設や解体工事で出る廃材を正しい方法で処理し、リサイクルを促す法律です。

解体工事を行うときは「建設業許可」と「解体工事業登録」のどちらかに該当している必要があり、工事請負金額によって対象が異なります

また「解体工事業登録」は、営業しようとしている都道府県知事の登録許可が必要です。

消防施設工事業

消防施設工事業は建設業の許可に含まれる業種で、建設業の許可と消防施設工事業の登録の違いは、制定された目的や根拠が異なる点にあります。

その他

土壌汚染対策工事

土壌汚染対策法に基づく登録です。土壌汚染の調査や対策工事を行う場合、建設業許可だけでは不十分であり、環境省が定める「指定調査機関」としての登録が必要になります。

石綿(アスベスト)除去工事

労働安全衛生法や大気汚染防止法に基づく届出や資格が必要になります。

石綿の除去工事を行う場合、建設業許可に加えて、「石綿作業主任者技能講習」を修了した資格者が必要です。

また、工事前には管轄の自治体や労働基準監督署に適切な届出を行う必要があります。

工事を分割して請負契約を締結した場合

建設業許可において、請け負い契約の実態としては工事全体の金額が500万円以上であるにもかかわらず、この契約を意図的に分割して、500万円未満の工事契約を複数締結することで許可不要に見せかける行為は、違法となります。

たとえば、1,000万円の工事を「500万円ずつの契約」に分割して請負う場合です。

工事期間の分割

金額の大きな工事の場合は、工期が長期になることがあります。その工期で請求書を分ける方法で、工期を工事の内容に関係なく、工期だけで分けて請求書をつくる場合です。

この場合、管轄行政庁の判断では工事の内容に関係なく工期だけを分割した場合は、1つの工事と判断されます。工事期間だけで単純に分割するのは建設業許可逃れと見られてしまいます。

分離発注

鉄筋の共同住宅の屋上の防水の工事で600万円の費用の場合に、屋上防水工事が400万円、足場組立が200万円に見積書や請求書分離して、建設業許可は不要になるかと言えば、建設業許可は必要です。認められません。

屋上の防水工事と足場組立はいっしょにしなければならないので付帯工事と判断されて分離することはできません。

材料の分割

資材などの材料を分割することはできません。たとえ施主から無料で支給された場合であっても、その費用を市況の値段にあわせて工事費用と合算されて建設業許可が必要かどうか判断されます。

公共工事の場合

公共工事には特別な要件があり、請負金額にかかわらず許可が必要な場合があります。自治体や発注機関によって異なるため、注意が必要です。

虚偽申請や名義貸しのケース

名義貸し業者を利用したり、実態を偽った形で請負契約を結ぶ行為も違法です。請負金額が500万円未満であっても、建設業法違反として罰則の対象となります。

対処方法

上記のような違反がわかったら、次のような方法で対処するしかありません。

仕事請負の辞退

仕事を辞退するのが一番簡単な方法です。

建設業許可を持つほかの業者を紹介

断るのもいいですが、たとえばつき合いの長いお客さんで、そうもできない場合があります。そのような場合は、建設業許可を持つほかの業者を紹介してもよいでしょう。紹介すれば、今度は登録したあとで仕事がもらえるかもしれません。

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