建設業許可に違反したら、どうなる?建設業法違反を詳しく解説

建設業許可違反

建設業許可に違反して建設業法違反となった場合、どうなるか心配になります。どうしたら違反になるのか?違反した場合の善後策など対策についても詳しく解説します。

違反になった場合は厳しい罰則もあります。不安な場合は行政書士法人アラインパートナーズ(静岡県)にご相談ください。

建設業法とは

建設業法は、建設業の健全な発展を促進して建設工事の適正な施工を確保することを目的とした法律です。建設業者の資質の向上や請負契約の適正化を図るための規制を定めています。

建設業法は建設業の29業種が、建設工事を請け負う場合に適用される法律です。適切な施工の確保や発注者の保護、建設業の健全な発展のために規制が設けられています。

建設業は生活でに重要な役割を果たし公共の福祉を増進するため、手抜き工事などの不正行為を抑止する法律となっています。

建設業法違反

定められた金額を超えての契約(建設業法第3条)

建設業は、29業種あって建設業を営む場合は、軽微な建設工事を対象とする場合を除いて、業種区分ごとに国土交通大臣や都道府県知事の許可を取る必要があります。

一般建設業と特定建設業

一つの業種に対する許可は一般建設業許可と特定建設業許可の2種類の許可に分けられます。

一般建設業許可は、建設業を営む場合に原材料込みで500万円(税込)以上の工事を請け負う場合に必要となる許可です。建設業許可の中で最も取得件数が多い許可になります。

特定建設業許可は、建設工事の発注者から直接請け負った工事を、下請けに出す場合の許可です。

建設業を営む場合、元請けや下請けを問わず基本的には一般建設業の許可を受ける必要があります。

発注者から直接工事を請け負い、下請け業者への発注額が4500万円以上になる場合、特定建設業の許可を得る必要があります(建築一式工事の場合は7000万円以上)。

工事の規模に応じた必要な許可を取得せずに定められた金額を超えた工事を受注した場合、建設業法違反となります。

特定建設業の許可がない元請業者が、4500万円以上の下請契約を締結した場合は、無許可業者等との下請契約となり、建設業法第16条「下請契約の締結の制限」の違反になります。

元請業者は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が、特定建設業許可のない元請業者と契約した下請負事業者には「7日以上の営業停止処分」が科せられます。

専任技術者を配置していない(建設業法第7条第2号)

営業所ごとに専任技術者を配置する必要があります。

専任技術者は、指定された国家資格を有する者、もしくは一定年数以上の実務経験を有する者です。

専任技術者を必要人数だけ確保できない場合など、営業所に専任技術者が配置していない場合、適切な要件を満たしていない者を専任技術者として配置したり、専任でない者を専任技術者として配置していた場合などは建設業法違反となります。

一括下請負の場合(建設業法第22条)

一括下請負は、建設業者が請け負った建設工事を、そのまま下請け業者に丸投げしてしまうことです。

発注者が建設業者への信頼を裏切ることになり、施工に関係のない業者が入り込むことによって不当な請負代金の中抜きなどを防止するために建設業法では一括下請負を禁止しています。

名義貸し(他人の許可を借りて工事を受注)

建設業許可を持っていても実際に工事を行う能力がないために、許可を持たない会社に工事を丸投げする場合です。名義を借りて工事を受注すると建設業法第22条(名義貸し禁止)に違反します。

下請け契約の書面不備(契約書を作成しない)

契約書を作成せずに、口約束のみで工事をすすめる場合です。建設業法第19条では「書面による契約の締結」が義務付けられており、違反となります。

(適正な賃金の未払い(下請業者への不当な支払い拒否)

下請業者社に工事を依頼したが、「赤字になったから」という理由で契約金額よりも低い額しか支払わなかったりした場合です。建設業法第24条の3(不当に低い請負代金の禁止)に違反して、是正勧告や行政処分を受ける可能性があります。

刑法違反

刑法違反の場合は、建設業許可の取り消しや営業停止処分が科せられることがあります。

傷害、暴行、脅迫、背任などの刑法違反の場合、罰金刑の場合でも建設業許可が取り消しになります。

建設業許可に関する標識の不掲示

建設業許可を受けていることを示す標識を、営業所や工事現場に掲示しない場合です。

欠格要件

建設業の許可を受ける許可要件のひとつに、「欠格要件に該当しないこと」があります。欠格要件の中には、刑法違反に関連する次の項目があります。

禁錮刑以上の刑に処せられ、刑が終わり、または執行猶予期間を満了してから5年を経過していない者が対象です。

建設業法、建築基準法、刑法の一定の法令違反に対して罰金刑以上の刑に処せられ、その刑が終了し、または執行猶予期間を満了してから5年を経過していない者となっています。

刑法違反によって欠格要件に該当して建設業許可が取り消されると5年間は建設業許可を受けることができないため、500万円未満の工事しかすることができなくなります。

建設業法に違反した場合の罰則

3年以下の懲役または300万円以下の罰金となる場合(建設業法第47条)

建設業法に違反した刑罰の中で重い刑罰としては、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金となっています。

  • 建設業法違反の行為は次のとおりです。
    • 適切な許可を受けないで建設業を営んだ場合
    • 特定建設業者でない者が、法定の金額以上の下請け契約を締結して営業した場合
    • 営業停止処分に違反し営業を継続した場合
    • 営業の停止処分中に新たな営業を行った場合
    • 虚偽、または不正の手段で認可を受けた場合

6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金となる場合(建設業法第50条)

  • 刑罰を科される建設業法違反の行為としては、次のことがあります。
    • 建設業許可申請書に虚偽の記載をして提出した
    • 変更届に虚偽の記載をして提出、または届出をしなかった
    • 経営状況分析申請に虚偽の記載をして提出した
    • 経営規模等評価申請に虚偽の記載をして提出した
    • 建設業許可の基準を満たさなくなった、あるいは欠格要件に該当したのに届け出をしなかった

100万円以下の罰金となる場合(建設業法第52条)

  • 100万円以下罰金が科される建設業違反の行為としては次のことがあります。
    • 請け負った工事現場に主任技術者または監理技術者を置かなかった
    • 土木一式工事または建築一式工事の施工において専任技術者を置かなかった
    • 建設業許可の効力を失った後、または許可取消処分や営業停止処分を受けた後、2週間以内に注文者に通知しなかった
    • 登録経営状況分析機関、国土交通大臣、都道府県知事からの求めに応じた報告や資料の提出をしない、または虚偽の報告や資料を提出した
    • 国土交通大臣または中小企業庁長官の求めに応じた報告をしない、または虚偽の報告をした
    • 国土交通大臣または中小企業庁長官の求めに応じた中間検査や竣工検査等を拒否、妨害、または忌避した

10万円以下の過料となる場合(建設業法第55条)

過料は、刑罰の罰金とは異なり、以下の義務違反に対して科されるもので、行政上の秩序罰です。

  • 過料(10万円以下)が科される建設業法違反の行為としては、次のものがあります。
    • 廃業等の届出を怠った
    • 建設工事紛争審査会の調停の出頭要求に応じなかった
    • 営業所及び工事現場に業者名、国土交通省例で定める事項を記載した標識などを掲示しない
    • 無許可業者が許可を受けた建設業者であると誤認される表示をした
    • 帳簿の不備、帳簿に未記載、帳簿に虚偽記載、帳簿を保存しない場合

建設業法に違反した場合の監督処分

建設業者が、建設業法や建設業に関連する他の法令に違反した場合など、不正行為がおこなわれた場合、罰則とは別に許可行政庁によって監督処分が科せられることがあります。

監督処分は法の遵守を図るための行政処分です。監督処分は、許可行政庁に備えられた「建設業者監督処分簿」に掲載され、処分年月日や処分内容について公表されます。

監督処分には、不正行為などの内容によって、「指示」「営業停止」「許可の取消し」の3種類があって監督処分を決定するための基準に基づいて、不正行為などの内容や程度、社会的影響、情状などを総合的に判断して決定されます。

指示処分(業務改善命令)

建設業者が建設業法に違反した場合、監督行政庁から指示処分を受けることがあります。指示処分は、法律や条例に違反している、もしくは適切ではない状態を正すために業者がすべきことについて、監督行政庁が自主的な改善を促すことです。

営業停止処分

建設業者が「指示処分」に従わない場合に「営業停止処分」となります。

営業停止の期間は、監督行政庁が1年以内の期間で決定します。

  • 営業停止処分期間中にできない行為は次のとおりです。
    • 新たな建設工事の請負契約の締結
    • 営業停止期間満了後における新たな建設工事の請負契約の締結に関連する入札、見積り、交渉など
  • 営業停止期間中でもおこなえる行為は次のとおりです。
    • 建設業の許可、経営事項審査、入札の参加資格審査の申請
    • 営業停止処分前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工
    • 施工の瑕疵に基づく修繕工事等の施工
    • アフターサービス保証に基づく修繕工事等の施工
    • 災害時における緊急を要する建設工事の施工
    • 請負代金等の請求、受領、支払い等
    • 企業運営上必要な資金の借入れ等

許可取消処分

営業停止処分に違反して営業してしまったり、不正な手段を使って建設業の許可を受けた場合、監督行政庁により建設業の許可の取り消しがなされます。

独占禁止法、刑法などの法令に違反した場合や一括下請負禁止規定の違反があった場合などで、特に情状が重いと判断されれば、指示処分や営業停止処分なしで許可取り消しがなされることもあります。

建設業法に違反した場合

立ち入り検査

建設業法に違反すると、国土交通省から建設業法に基づく立ち入り検査を行う旨の通知が届くことがあります。

立ち入り検査が実施されると、国土交通省の検査職員が事業所に来るので関係資料を確認できるよう事前に準備をしておく必要があります。

  • 立ち入り検査への対応は、次の注意が必要です。
    • 検査職員の質問に対して、虚偽の説明をしない
    • 検査職員から書類の提出を求められたときは、その理由を確認する
    • どのような書類を提出したのかを把握できるように記録しておく
    • 検査職員からの質問事項については、後で検証できるようメモに残しておく

行政からの勧告に対する改善状況報告書の作成

建設業法に基づく立入検査が終わると、国土交通省から再発防止に向けた勧告や改善措置の内容を書面で報告するように指示されることがあります。

行政から勧告を受けた場合は、社内で再発防止のために必要な措置を検討して改善状況報告書の作成を行います。

処分に不服がある場合は審査請求

処分内容に不服がある場合は、再調査請求を検討したり、審査請求という形で不服申し立てをすることもできます。

審査請求をするにあたっては、処分が違法または不当であることを法的根拠に基づいて主張立証していく必要があります。

最新の建設業法違反ニュース

2025年3月11日、NHKで下記の違反ニュースが報道されました。

国や自治体の許可を受けずにリフォーム工事を行ったとして、警視庁は複数の悪質リフォーム業者を統括していたとみられる40代の容疑者ら4人を建設業法違反の疑いで逮捕しました。
容疑者は「スーパーサラリーマン清水」と名乗り、派手な生活ぶりをSNSに投稿してメンバーを集めていた疑いがあるということです。

500万円以上のリフォーム工事を請け負っていたとして、建設業法違反の疑いが持たれています。組織的に大規模に行っていたとして、逮捕に至ったようです。

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