建設業許可の大臣と知事の違いについて静岡の事例で詳しく解説

建設業許可の大臣と知事の違い コラム一覧

大臣許可と知事許可

建設業許可には、次のとおり国土交通大臣と都道府県知事が許可があります。

国土交通大臣許可

2か所以上の都道府県の区域内に営業所を設けて、営業する場合は本店の所在地を所管する地方整備局長等が許可を出します

都道府県知事許可

1カ所の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業する場合は、営業所の所在地を管轄する都道府県知事が許可を行います

営業所

営業所とは、本店または支店、もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことです。営業所という名称でなくても営業所に該当する場合もあります。

常時請負契約を締結する事務所とは、請負契約の見積り、入札、契約締結など、請負契約の締結に関係する実質的な活動をする事務所です。契約書の名義人がその事務所を代表する者であるかは関係ありません。

単に登記上の本店などにすぎないものや建設業を他の営業と兼営する場合などにおける支店・営業所等であって、建設業に関係ないものは、営業所には該当しません。

建設業許可を受けた業種については、軽微な建設工事のみを請負う場合であっても、届出をしている営業所以外においては当該業種について営業することはできません。

これら以外でも、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなどの建設業に関係する営業に実質的に関係する場合でも、営業所と判断されることになります。

ただし、登記上で本店とされているだけで、実質的に建設業の営業を行わない店舗や、建設業とは関係のない支店、営業所などは、営業所には該当しません。

大臣許可と知事許可の区分は、営業所の所在地で区分されています。

営業している区域、または建設工事を施工できる区域に制限はありません。静岡県知事の業者だとしても建設工事の施工は、全国どこでも行うことができます

建設業許可の申請などの手続きに関する問い合わせは、許可を受けようとする行政庁と相談することになります。

2つ以上の都道府県に営業所が設けられているのであれば、営業所ごとの許可業種が違っていても大臣許可となります。

中部地方整備局 建政部計画・建設産業課
〒460-8514
名古屋市中区三の丸2-5-1名古屋合同庁舎第2号館
電話052(953)8572

対象の県:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県

営業所が、ひとつの都道府県だけにある場合は都道府県知事許可、ふたつ以上の都道府県にある場合は国土交通大臣許可となりますが、同じ会社が知事許可と大臣許可を同時に持つことはできません。

たとえば、静岡県内で何十と複数の営業所があったとしても、同一の都道府県内にある場合は知事許可になります。

静岡県内だけに複数の営業所がある場合には、静岡県知事の「知事許可」を取得することになります。

一方で、静岡県と東京都に営業所がある場合には、大臣許可を取得することになります。

なお同一の建設業者が「大臣許可」と「知事許可」の両方を取得することはありません。

営業所とは

建設業法上の「営業所」といえるためには、次の条件をみたしている必要があります。

・建設工事の請負契約の締結にかかる権限を与えられていること
・建設工事の請負契約の見積り、入札、契約締結などを実態的におこなっていること
・これらの営業をおこなうための事務所などの場所が確保されていて、電話、机、事務の台帳などが備えられていること
・看板や標識が設置され、外部から商号が確認できること
・自己所有、賃貸借、使用貸借により営業所の使用権原を有すること

建設業法上の営業所に該当するかどうかは、実質的に判断されます。建設工事の請負契約の名義が本社や本店の担当者名義であったとしても、実質的に請負契約の締結がおこなわれている事務所であれば、建設業法上の「営業所」に該当します。

公共工事では発注者の管轄区域内に営業所を設けていることが公共工事の入札参加資格となっていることが多いので、公共工事の入札を検討している建設業者は営業所の所在地が重要になることがあります。

建設業法上「営業所」ではない事例

次のような施設や事務所は、建設工事の請負契約の締結を実質的にしていないので、建設業法上の「営業所」に該当しません。

・建設工事の請負契約の締結に係る実態的な活動をおこなっていない単なる登記上の本店
・特定の目的のために臨時的に置かれる事務連絡所、作業所など
・資材置場

大臣許可

大臣許可の申請は、従来は主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、主たる営業所の所在地を管轄する国土交通省地方整備局長などに対して申請することになっていました。

静岡県と東京都に営業所を設置する場合は、静岡県を経由して国土交通省関東地方整備局長へ申請することになっていましたが、事務効率化を図るために、都道府県経由事務は2020年4月に廃止されました。

今は、大臣許可の申請は主たる営業所を管轄する地域の国土交通省地方整備局へ直接、申請することになっています。

静岡県に本店(主たる営業所)がある場合で、静岡県内のみに営業所を設けて営業しようとする場合は静岡県知事許可です。

静岡県内や静岡県以外に営業所を設けて、営業しようとする場合は、国土交通大臣許可となります。

登記上で本店とされているだけで、建設業に関する営業を行わない場合は「営業所」とはなりません。

本店だけでなく、店舗や支店でも建設業と無関係であれば「営業所」とは扱われません。

知事許可は、各都道府県ごとに名称の違いはありますが、ほとんどの都道府県において土木部監理課となっています。静岡県は「土木部建設業室」です。

静岡県 土木部建設業室
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6  電話:054(221)3058

本社・本店の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、その営業所の所在地を管轄する国土交通省地方整備局長などに申請します。

静岡県、岐阜県、愛知県、三重県は中部地方整備局になります。

中部地方整備局
建政部 建設産業課
〒460-8514 名古屋市中区三の丸2-5-1 名古屋合同庁舎第2号館
電話:052(953)8572

許可換え新規の申請

知事許可を大臣許可に、またはその反対に大臣許可を知事許可に換えることを許可換え新規申請といいます。許可者が変わるために、新規申請をする必要があります。

知事許可を大臣許可に換えるには、建設業法上の営業所が2つ以上の都道府県にあることが必要であり、許可要件を再度審査されることになります。

知事許可の有効期間内に大臣許可の申請をした場合は、新規に大臣許可を受けることによってそれまでの知事許可は効力がなくなります。

静岡県では、許可換え新規も含めて、般・特新規、業種追加、更新をオンラインで電子申請することができます。

静 岡

静岡県の電子申請の対象となる手続き

建設業許可申請(新規、許可換え新規、般・特新規、業種追加、更新)
変更届(事業年度終了届出書を含む。)
廃業届
経営事項審査申請

静岡県の電子申請システムについて

令和5年1月より、建設業許可や経営事項審査の電子申請の受付ができるようになっています。

こちらから、ログインすることができます。
https://prod.jcip.mlit.go.jp/TO/TO00001

gBizIDプライムおよびgBizIDメンバーのアカウントでログインすることができます。

電子申請で利用頂するgBizID(GビズID)とは、1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムのことです。

建設業関係だけではなくて、社会保険手続きの電子申請、住宅瑕疵担保履行法 基準日届出システム、雇用関係助成金ポータル、国土交通省手続業務一貫処理システム、石綿事前調査結果報告システムなどでも使えます。

GビズIDでIDとパスワードを持っていれば、電子申請が簡単になります。無料で利用できます。

GビズIDは、1つのID・パスワードでいろいろな行政サービスにログインできるサービスです。

    都道府県


    電話にてご連絡する場合の希望時間
    (例:いつでも、平日午前中、○日18:00以降など)

    (メール暗号化(SSL)によって安全に送信されます)

    (個人情報保護法に従い送信された情報は大切に保管します)

    コラム一覧