建設業許可の財産的基礎要件500万円の残高証明について静岡の場合も解説

建設業許可の財産的基礎要件 コラム一覧

建設業許可とは、都道府県知事や国土交通大臣に対して一定規模以上の建設業を請負うことができることを証明するものです。取得には財産的要件などが必要となります。

建設業許可の要件

建設業許可の取得は、建設業法に基づいた要件を満たしている必要があります。

  • 一般建設業許可取得要件は次のとおりです。
    • 経営業務の管理責任者を有する
    • 営業所ごとに専任技術者を有する
    • 誠実性を有する
    • 財産的基礎または金銭的信用を有する
    • 欠格要件に該当しない

一般建設業許可の財産的要件

直前決算期の自己資本額(貸借対照表の純資産の部の合計)が500万円以上あること
金融機関が発行する預金残高証明書の残高が500万円以上あること

一般建設業許可を申請する場合は、これらのどちらかで財産的基礎が要件となります。

(預金)残高証明書

建設業許可取得の要件として財産的基礎があるので、建設業許可の申請では残高証明書の提出が原則必要になります。(原則というのは、要件は自治体ごとで若干異なっているためです)

建設業許可には一般建設業の知事許可、一般建設業の大臣許可、特定設業の知事許可、特定設業の大臣許可などがありますが、これらすべての許可要件には財産的基礎があります

都道府県などの自治体にもよりますが、申請時点で残高証明書が必要になります。

取引先(施主)保護の目的で、建設業では申請する許可業者に最低限の財産的基礎の確認が要件となります。

残高証明書の有効期限など

預金残高証明書は、銀行などの金融機関で発行してもらいますが、預金残高証明書には基準日があります。

基準日は、残高の計算日です。基本的には残高は過去、すなわち発行日以前の残高となります。

残高証明書の有効期限は、自治体によって異なりますが、静岡県の場合は、預金残高証明書の有効期限は「基準日から起算して1ヶ月以内」となっています。

静岡県の場合、窓口申請に予約があり、予約が混み合っていることが多いために、その期間(繁忙期)は特例で事前受付が可能となって、残高証明書だけを先に受付してくれるという制度がありますが、予約が落ち着いてくる閑散期では、その特例は終わります。

都道府県によっては証明日から2週間以内(例えば新潟県)など、有効期限が異なっている自治体もありますので注意が必要です。

有効期限を過ぎてしまった場合には再度、残高証明書を取得しなおす必要があります。

残高証明書の合算など

残高証明書は2つ以上の預金の合計額の合算であっても500万円以上であれば、財産的基礎要件となります。

その場合は、2つ以上の銀行が発行する残高証明書の基準日をいっしょにしなければなりません

基準日が異なっている場合は合計することが認められません

財産的基礎要件の審査では基準日時点の審査になりますので、申請時点で500万円以下であっても基準日時点において500万円以上の残高があれば問題ありません

建設業許可を新規で取得する場合は、財産的要件として残高証明書の提出が必要になることがあります。

資本金が500万円以上あれば、特に心配することはありませんが、500万円以下の場合には残高証明書を提出して財産的要件を証明する必要があります。

「一般知事許可」「一般大臣許可」「特定知事許可」「特定大臣許可」などすべての許可において財産的基礎の証明は必要になっています。

複数の金融機関の合算の場合は、基準日が同じであれば、発行日が異なっていても問題ありません

原則、預金通帳では財産的基礎は証明できません

500万円以上の財産的基礎を証明するには、預金通帳は認められていません。

建設業許可の更新時

建設業許可の更新時に残高証明書が必要になるかどうかですが、多くの自治体において建設業許可を更新する場合は、残高証明書の添付は不要となっています。

建設業許可の更新は5年に1回となっていますが、5年間、事業を行っていれば財産的基礎があると判断されているようです。

静岡の場合も更新時は不要です。

500万円の内容

預金残高証明書を提出する時に500万円以上あればよいので、その内容は問われません

親から借りた場合、知り合いから借りた場合、社長のプライベートの口座から一時的に金額を移した場合、多額の入金の時点で一時的に500万円以上ある場合などでも問題ありません。

借りたお金であってもまったく問題ありません。500万円以上の資金があることを証明できればよいので、お金の出所までは調査しない、関知しないということです。

つまり、見せ金であったも問題ありません。

残高証明書が不要な場合

法人で自己資本が500万円以上ある場合です。

法人では貸借対照表の「純資産の部」の「純資産合計」の額がこれにあたります。この額が500万円を超えている場合は、残高証明書で証明する必要はありません。

新設法人であり、まだ、決算を一度もしていない会社は、資本金が500万円以上あれば原則、自己資本が500万円以上であるとみなされて、残高証明書は必要ありません。

残高証明書の有効期限

静岡県や東京都の場合、残高証明書は発行から1ヶ月以内のものを提出しなければなりません。この日付ですが、残高証明書を銀行から渡してもらった日ではなく、残高を証明した日(発行日)から起算されます。

500万円の預金残高

建設業許可申請において必要なのは、申請者名義の500万円以上の預金残高証明書です。この証明書さえ取れれば問題ありません。

証明書を取った後は、口座の残高が0円だったとしても、許可申請を受け付けてもらえます。

口座に500万円以上入れておくのは、残高証明書が取れるまででよいわけです。

残高証明に500万円以上の残高があると証明してもらえるようになるタイミングまで500万円以上の口座残高を維持していれば、残高証明書の発行申請時点で500万円以上の残高がなくても問題ありません。

多くの自治体では、500万円以上の残高があった証明日から1ヶ月以内としているところが多いようです。しかし、たとえば新潟県の場合は、証明日から2週間以内とかなり短いので注意が必要です。

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