建設業許可は、建設業事業者の義務となっている許可で、建設業法第3条で定められています。許可を受けていない場合は軽微な工事を除いては工事ができません。
国土交通省の不動産・建設経済局建設業課の2023年度末の建設業許可業者数調査によると全国の建設業許可業者数は増加しています。
許可業者数は2022年度末に減少しましたが、2023年度末に増加して、479,383業者となりました。
2023年度末の建設業許可業者数は479,383業者で、前年度比較、4,435業者(0.9%)の増加となっています。
2018年度末以降、建設業許可業者数は増加しており、前年度は減少しましたが、2023年度末の業者数は増加に転じております。
許可がなくても軽微な工事はできますが、信用度という観点から建設業許可を取得する建設業者が増えています。ぜひ行政書士にご相談ください。
全国の許可業者の数
最盛期の2000年に比べると減っていますが、近年は増加傾向にあります。
前年同月比
2024年3月末(2023年度末)の建設業許可業者数は479,383業者で、前年同月比4,435業者(0.9%)の増加となっています。
最盛期との比較
建設業許可業者数が最多の2000年3月末の数と比較した業者数の減少は-121,597 業者(-20.2%)となっています。
都道府県別の許可業者の数
静岡県は、ベスト10入りしていますが、一番多かった2000年に比べると2割ほど減っています。それでも増加傾向にあることは間違いありません。
愛知県を除いては、1割以上減っている都道府県がほとんどとなっています。
2024年3月末現在の許可業者状況
1位 東京都 44,078
2位 大阪府 41,046
3位 神奈川県 29,070
4位 愛知県 27,747
5位 埼玉県 24,364
6位 福岡県 21,662
7位 兵庫県 19,823
8位 北海道 19,477
9位 千葉県 18,910
10位 静岡県 13,665
最多時点との比較
建設業許可業者数が最多の2000年3月末時点との比較です。
・東京都 -21.7%
・大阪府 -20.2%
・神奈川県 -10.8%
・愛知県 -4.4%
・埼玉県 -15.4%
・福岡県 -17.4%
・兵庫県 -22.4%
・北海道 -25.3%
・千葉県 -11.2%
・静岡県 -21.8%
一般と特定別許可業者数
一般建設業許可は、請負金額500万円以上の建設工事を請け負う場合に必要ですが、特定建設業許可は元請業者が下請業者に発注する建設工事の合計額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)となる場合に必要な許可です。
なお、一般建設業許可業者数と特定建設業者許可業者数の合計は建設業許可業者の総数と一致しません。一般と特定の両方の許可を取得している業者があるためです。
一般建設業の状況
前年同月比
一般建設業許可を取得している業者は 454,163 業者で、前年同月比では 4,017 業者(0.9%)の増加とななっています。一般建設業許可だけでも増加しています。
最多時点との比較
2000年3月末時点と比較すると-123,546 業者(-21.4%)の減少。
特定建設業の状況
前年同月比
特定建設業許可の業者は49,029業者で、前年同月比では664 業者(1.4%)の増加となっています。特定建設業許可も増えています。
最多年度と比較
特定建設業許可業者数が最多の2000年3月末と比較すると、特定建設業の許可を取得している業者の数は-2,147 業者(-4.2%)の減少となっています。
業種別許可業者数
許可取得の上位3業種は、とび・土工工事業、建築工事業、土木工事業となっており、この3業種で、全体の9割以上を占めています。
2024年度で許可取得業者が多い業種は、次のとおりです。
1位 とび・土工工事業(181,234 業者(全体の 37.8%)が取得)
2位 建築工事業 (144,239 業者(全体の 30.1%)が取得)
3位 土木工事業 (131,523 業者(全体の 27.4%)が取得)
取得業者が少ない業種は次のとおりです。
1位 清掃施設工事業 (390 業者(全体の 0.1%)が取得)
2位 さく井工事業 (2,261 業者(全体の 0.5%)が取得)
3位 消防施設工事業 (15,838 業者(全体の 3.3%)が取得)
資本金・階層別業者数
資本金で、中小企業の定義は定められていませんが、たとえば、法人税法の中小企業軽減税率の適用範囲は、資本1億円以下となっているので、次の場合でも中小企業が多いことが推測されます。
1位 「資本金の額が 300 万円以上 500 万円未満の法人(21.5%)」
2位 「資本金の額が 1,000 万円以上 2,000 万円未満の法人(20.2%)」
3位 「資本金の額が 500 万円以上 1,000 万円未満の法人(19.6%)」
静岡県では中小企業の割合は、約99.8%(約13万社)となっています。
事業承継認可件数
改正建設業法によって、建設業許可の事業承継は事前の認可制度となっています。
2023年度の認可件数は957件でした。
許可別内訳
譲渡及び譲受け 798 件
合併 65 件
分割 35 件
相続 59 件
譲渡及び譲受けが認可件数の83.4%となっています。