建設業許可の違反について違法な事例や処分内容を具体的に事例を入れて、詳しくわかりやすく解説します。あわせて国交省の通報窓口なども紹介します。
違反になった場合は厳しい罰則もあります。不安な場合は行政書士法人アラインパートナーズ(静岡県)にご相談ください。
建設業法とは
建設業法は、建設業の適正な運営を確保して発注者の保護と建設工事の適正な施工を目的とした法律です。
一定規模以上の建設工事を請け負うためには建設業許可が必要となるほか、請負契約の適正化、技術者の配置、経理管理などの規定が設けられています。

主な建設業法違反
無許可営業(第3条違反)
建設業法では、次のいずれかに該当する場合、建設業許可が必要です。
・1件の工事の請負代金が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅)
・複数の工事を請け負い、その合計額が上記金額を超える場合
無許可で該当する工事を請け負うと3年以下の懲役または300万円以下の罰金(またはその両方)が科されます。
専任技術者の不在(第7条・第15条違反)
建設業許可を受けた事業者は、営業所ごとに専任の技術者を置く義務があります。技術者が不在の状態で業務を行うと違反となり、許可の取り消しや業務停止命令の対象となることがあります。
専任技術者とは、建設業に関する経験や国家資格などの要件を満たした専門的知識を持つ者です。
建設業許可を取得した営業所には、専任技術者の配置をしなければなりません。
- 次のような場合で専任技術者を配置していない場合に建設業法違反となることがあります。
- 営業所から専任技術者がいなくなった場合
- 一定の要件を満たしていない者を専任技術者として配置した場合
- 専任でない者を専任技術者として配置した場合
規定金額以上の契約の締結
建設業を請け負う場合、軽微な建設工事を除いて建設業許可の取得が必要です。
- 軽微な建設工事とは、次のいずれかの条件を満たす場合です。この規定金額以上の契約の締結する場合は建設業許可が必要です。
- 建築一式工事:請負代金1,500万円未満、または面積150平方メートル未満の木造住宅
- 建築一式工事以外:請負代金500万円未満
軽微な建設工事以外は、一般建設業許可の取得が必要です。
下請け業者への丸投げ、下請契約に関する違反(第24条・第24条の7違反)
建設業者は、下請負契約を適正に締結する義務があります。適正な契約書の作成、支払期日の明記、適正な金額での発注を行わなければなりません。
一括下請負の禁止(第22条違反)があり、元請業者が工事を丸ごと下請け業者に委託することは禁止されています。
違反した場合、業務停止命令や許可取消処分が行われることがあります。
元請会社が請け負った工事を、施工に関与せずに下請会社などに丸投げする行為は禁止されています。
この一括下請負では、元請会社が下請工事の施工に実質的な関与をしていない場合に該当します。
実質的な関与は、元請会社自身が行う施工計画の作成、工程管理や品質管理、安全管理、技術指導などが該当します。
名義貸し(第22条違反)
許可を受けた業者が、その名義を他の業者や個人に貸すことを「名義貸し」といいます。これは許可制度の趣旨を逸脱する行為であり、名義貸しを行った業者と個人の両方に処罰が科されます。
罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金(またはその両方)です。
不正または不誠実な行為(第28条違反)
- 次の行為が認められると、許可の取消や営業停止の処分を受ける可能性があります。
- 工事の手抜き(安全基準を満たさない施工)
- 工事代金の不適正な請求(架空請求、過大請求)
- 虚偽の許可申請(経営状況や技術者の資格を偽る)
- 発注者に対する不当な要求
帳簿の未備置・虚偽の報告(第40条・第41条違反)
建設業者は、財務諸表や工事台帳を適切に管理し、行政庁に報告する義務があります。虚偽の報告や書類の未提出は違反となり、100万円以下の罰金が科されることがあります。
刑法違反に関するもの
役員などが懲役刑となると、建設業許可が取り消されます。
公共工事の入札に関する不正などにより懲役刑が確定すると、最長で1年の営業停止処分が科されます。
労働安全衛生法違反
高所作業での作業床不備、墜落制止用器具未使用、機械安全対策不備、作業手順不備、管理不備、指導教育不足、無資格者による作業など様々な違反で書類送検されて、指示処分から営業停止まで様々な処分が行われています。
たとえば、労働者に大きな健康障害を与える行為であれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられることがあります。

建設業法違反の罰則
罰金・罰則別にまとめました。
3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- この懲役または罰金となる場合は次のとおりです。
- 建設業許可なしで営業をした場合
- 特定建設業許可なしで下請契約を締結した場合
- 営業停止処分や営業禁止処分に違反した場合
- 虚偽の内容で建設業許可の取得や更新をした場合
- 不正に建設業許可を取得や更新した場合
6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金
- この懲役または罰金となる場合次のとおりです。
- 建設業許可の申請書などに虚偽があった場合
- 変更届の提出を怠った場合
- 経営状況分析や経営規模等評価で虚偽の申請があった場合
- 建設業許可の基準を満たさなくなった場合に届出を怠った場合
- 欠格事由に該当した場合に届出を怠った場合
100万円以下の罰金
- この罰金となる場合は次のとおりです。
- 主任技術者や監理技術者を配置していない場合
- 土木一式工事や建築一式工事の施工で専任技術者を配置していない場合
- 経営状況分析や経営規模等評価で報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合
10万円以下の過料
- この過料となる場合は次のとおりです。
- 建設業を廃止してから30日以内に廃業届を提出しなかった場合
- 標識の掲示を怠った場合
- 帳簿を備えていない場合
- 帳簿に虚偽の記載をした場合
建設業法違反の監督処分
監督処分とは、法令違反が発覚した営業行為に対して行政機関が発する命令などのことです。
建設業者が、建設業法や入札契約適正化法等に違反すると、建設業法上の監督処分の対象となります。
監督処分については、「指示処分」「営業停止処分」「許可の取消し処分」の3種類があります。
指示処分
建設業者が建設業法等に違反すると、監督行政庁による指示処分の対象となります。
指示処分とは、法令違反や不適正な事実を是正するために、建設業者がどのようなことをしなければならないか、監督行政庁が命令するものです。
営業停止処分
建設業者が指示処分に従わない場合に監督行政庁による営業停止処分の対象となります。
受注した建設工事を一括して他人に請け負わせる一括下請負の禁止規定の違反や独占禁止法、刑法などほかの法令に違反した場合などでは、指示処分なしで直接営業停止処分を受けることがあります。
営業停止の期間は、1年以内の範囲で監督行政庁が判断して決定します。
許可の取消し処分
不正な手段で建設業の許可を受けたり、営業停止処分に違反して営業したりした場合に監督行政庁によって、建設業の許可が取り消されます。
一括下請負の禁止規定の違反や独占禁止法、刑法などほかの法令に違反した場合で、悪質性が高いと判断されてしまうと指示処分や営業停止処分なしで直ちに許可取消しとなることがあります。
建設業法違反の通報窓口(駆け込みホットライン)
国土交通省では、建設業法違反に関する情報(通報)を受け付けています。
- 通報の事例としては次のようなものがあります。
- 無許可業者と500万円以上の下請契約を締結している。
- 営業所や工事現場に必要な技術者が設置されていない。
- 工期の短縮により生じた増加費用を一方的に負担させられた。
- 60日を超える「割引困難手形」で下請代金が支払われた。
- 見積書に記載した法定福利費を一方的に減額された。
- 著しく短い工期や原価割れの契約を締結させられた。
- 一方的に請負代金や工期を決定されるが、協議に応じてもらえない。
「駆け込みホットライン」に電話をすると、最寄りの地方整備局等の「建設業法令遵守推進本部」につながります。
「駆け込みホットライン」に寄せられた情報のうち、法令違反の疑いがある建設業者には、必要に応じて立入検査等を実施されて、違反行為があれば監督処分などがある場合があります。
通報者に不利益が生じないように情報を取り扱うとされています。
TEL.0570-018-240(ナビダイヤル)
FAX.0570-018-241
メール hqt-k-kakekomi-hl@gxb.mlit.go.jp
受付時間は、10:00ー12:00 13:30ー17:00
(土日・祝祭日・閉庁日を除く)
最新の建設業法違反ニュース
2025年3月11日、NHKで下記の違反ニュースが報道されました。
国や自治体の許可を受けずにリフォーム工事を行ったとして、警視庁は複数の悪質リフォーム業者を統括していたとみられる40代の容疑者ら4人を建設業法違反の疑いで逮捕しました。
容疑者は「スーパーサラリーマン清水」と名乗り、派手な生活ぶりをSNSに投稿してメンバーを集めていた疑いがあるということです。
500万円以上のリフォーム工事を請け負っていたとして、建設業法違反の