県境を越える建設工事の建設業許可について大臣許可と知事許可

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建設業を営む営業所の所在地が、同じ都道府県内のみであれば知事許可、異なる都道府県に所在する場合には大臣許可となります。

施工する現場の場所は関係ありません。知事許可の事業者であっても他の都道府県において施工することができます。

ただし、入札で県下に営業所の存在が条件の場合、営業所が必要な場合は大臣許可が必要になります。

営業所には令3条の使用人とか専任技術者の配置が必要になります。

知事許可でも全国で仕事ができますが、大臣許可は営業所(請負契約をする営業所)が2つの県にまたがっている場合に必要となります。

営業所は請負契約をしない作業所などであれば建設業許可の営業所とみなされません

それでは、詳しく説明します。

大臣許可と知事許可

建設業許可は、大臣許可と知事許可があります。

知事許可でも許可を取得した場所以外の都道府県の現場で工事できます。

大臣許可と知事許可の違いは営業所がどこにあるかということです。

国交省大臣許可は、2つ以上の都道府県に営業所を持って営業する場合に必要になる建設業許可です。

知事許可は、一つの都道府県にだけの営業所で営業する場合に取得する建設業許可です。

本社は東京都にあって支店が静岡県にある建設会社が建設業許可を取得する場合は大臣許可が必要になります。

東京都内で5か所の営業所がある建設事業者でも東京都以外の都道府県で営業所がない場合は、東京都知事許可ということになります。

営業所とは

  • 建設業法上の営業所の要件は次のとおりです。
    • 請負契約の見積り、入札、契約締結などの実体的な業務を実施
    • 電話、机、各種事務台帳等があり、居住部分とは明確に区分された事務室がある
    • 契約に関する権限を付与されたもの(経営業務管理責任者・令3条使用人)が常勤している
    • 専任技術者が常勤している
    • 常時使用する権原を有している

契約をするために必要な備品などが揃い、その事務所だけで契約を締結できる事務所となります。

事務所としての機能があっても、契約の締結や見積りなどを本社でするのであれば、営業所になりません。机とパソコンがあるというだけでは営業所の機能があるとはみなされません。

建設業法上の営業所は、発注元などに対して直接請負契約を締結できる機能を持っている事務所のことです。

県外に営業所があっても、臨時におかれる工事事務所や作業所などの場合は、建設業業法上の営業所には該当しません。

主たる営業所と従たる営業所

主たる営業所は1か所のみとなり、登記上の本店と一致する必要はありません。

支店でも主たる営業所になれますが、指揮監督権限の実態がなければなりません。

従たる営業所には、代表取締役から契約締結権限等を与えられた支店長などの使用人(建設業法施行令第3条規定の使用人の令3条の使用人)や、会社代表権のある取締役が常駐していること、さらに本店とは別の新たな専任技術者の常駐が必要になります。

自治体の入札参加には、建設業法上の営業所が必要

支店の地域での公共工事は、建設業法上の営業所を地域に設置していることが入札参加の要件になっていたり、その地域の支店であることが受注条件になっている場合が多くあり、営業所の場所などの実地調査が行われる場合もあります。

支店登記をしていることや支店地域の銀行口座を持っているだけでは、地域内で営業活動をしている企業であることを認めていない場合もあります。

県外の営業所

知事許可でも県外でも工事はできますが、県外の営業所では500万円以上の工事の請負契約締結はできません。

建設業法上の営業所は、契約締結ができる機能を持っている事務所のことであり、それ以外の事務所では契約締結はできません。営業所としての条件を満たしている条件で建設業許可が必要なります。

営業所が県外にあるのであれば、大臣許可が必要になります。

建設業許可

建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負って営業しようとする場合を除いて、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。

許可の区分

大臣許可は、2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合です。
許可行政庁は、本店の所在地を所管する地方整備局長などです。

都道府県知事許可の建設業者が、請負契約を締結するために他県に営業所を新設する場合は、国土交通大臣許可を受ける必要があります。

知事許可は、1つの都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合です。許可行政庁は、営業所の所在地を管轄する都道府県知事になります。

都道府県知事許可と大臣許可は、営業所の所在地によるものであり、工事の地域を制限するものではありません。

都道府県知事の許可業者でも、建設現場へ技術者を配置するなどの建設業者の義務を遵守していれば他県の工事を施工できます。

許可の違いは、建設工事をする場所ではなく、建設業を営む営業所が県内のみか、県外にも置いているのかというの区分であり、活動範囲を県内に限定するものではありません。

許可の申請窓口

大臣許可 国土交通省中部地方整備局(許可行政庁)に直接持参または郵送で提出します。

知事許可 申請者の主たる営業所の所在地を所管する建設業課に提出します。

交通基盤部建設経済局建設業課
静岡県静岡市葵区追手町9-6
電話:054-221-3058

    都道府県


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