建設業許可と経営事項審査の電子申請システムを徹底的にわかりやすく解説します。
今までは建設業許可と経営事項審査(経営規模等評価)の申請は、書類だけの申請でしたが、申請の準備や審査が申請者や許可をする担当行政庁の両方にとって、おおきな負担となっていました。
この状況を改善するために、申請書類の簡素化、一度きりの手続き(ワンスオンリー)を徹底させて、申請者の手間と行政審査手続のコストの削減をする目的でこの制度である電子申請ができました。
簡単!だれでもわかる建設業許可と経営事項審査
電子申請
- 建設業許可と経営事項審査とは
- 行政手続きの簡素化の方針
- 建設業許可・経営事項電子申請システムの概要
- 建設業許可・経営事項電子申請システムの流れ(フロー)
- (1)電子申請者がGビズID(GbizID)を使ってGビズIDによる認証を受ける
- (2)電子申請書類作成 申請者が申請書類を作成します。
- (3)形式的なチェック システムは、形式的な誤り・不備をチェックします。
- (4)NGがあれば、補正や確認資料の追加などの連絡があります。
- (5)受付状況管理
- (6)申請履歴の管理
- (7)他省庁とのデータの照合
- (8)手数料の納付案内 登録免許税・手数料の納付案内が来ます。
- (9)手数料等の支払い 登録免許税・手数料を支払います。
- (10)行政庁にて審査がある。
- (11)行政庁において決裁されます。
- (12)申請データが登録される。
- (13)通知書が作成されます。
- (14)通知書送付 申請・届出の結果を申請者に通知します。
- (15)経営事項審査結果が公表されます。
- (16)通知書を受領 電子的な通知書が送付される。
- (17)建設業許可の閲覧 自社の情報を参照できます。
建設業許可と経営事項審査とは
建設業許可とは
建設業許可とは、建設業をする場合に必要となる許可のことで、建設業法の第3条によって定められています。
建設業許可は、ほとんどすべての建設会社に必要となりますが、例外として、軽微な建設工事のみを請け負う場合に許可は必要ありません。
建設業法第3条
建設業法第3条の条文です。
建設業の許可
ア 建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業法第3条の規定に基づき、建設業の許可を受けなければなりません。
イ 「軽微な建設工事」とは、工事1件の請負代金の額が建築一式工事以外の建設工事の場合にあっては、1,500万円未満、建築一式工事にあっては500万円未満又は延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅の工事をいいます
経営事項審査とは
経営事項審査とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事を直接的に請け負おうとする場合、必ず受けなければならない審査のことです。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格の審査を行うことになっています。
行政手続き
行政手続きの簡素化の方針
行政手続きの簡素化の3原則
(1)行政手続の電子化の原則
(2)同じ情報は一度だけの原則
(3)書式や様式の統一の原則
建設業許可や経営事項審査についての全国統一の電子申請システムを構築して解決する。
ほかの行政機関のシステムとのバックヤード連携をすることで、法人税納税証明書、登記事項証明書などの必要書類の添付を省略する仕組みを構築しています。
建設業許可・経営事項電子申請システムの概要
電子申請の導入の目的
建設業の働き方の改革推進の一環として、申請者・許可行政庁の事務負担を軽減して、生産性の向上を図っています。
感染症などの将来の拡大などを踏まえて対面せずに申請手続を行うことができる環境を整備しておく目的もあります。
具体的には、こちらから申請します。 https://prod.jcip.mlit.go.jp/TO/TO00001
建設業許可・経営事項電子申請システムの流れ(フロー)
(1)電子申請者がGビズID(GbizID)を使ってGビズIDによる認証を受ける
GビズIDは、法人や個人事業主向け共通認証システムのことです。GビズIDを取得すると、一つのIDとパスワードで、複数の行政サービスにログインすることができます。
(2)電子申請書類作成 申請者が申請書類を作成します。
・各種申請書様式の画面入力による作成
過去の申請データの引用、各種申請書類作成ソフトにて作成されたデータの取込み機能も整備しています。
・様式のない申請書類のアップロード
・各種のチェック(各項目・関連項目のエラーチェック、申請)
・(書類不備・不足チェック、バックヤード連携チェック)各種申請書類の出力
(3)形式的なチェック システムは、形式的な誤り・不備をチェックします。
(4)NGがあれば、補正や確認資料の追加などの連絡があります。
(5)受付状況管理
・受付状況の管理(「作成中」「受付待」「受付:納付待」、「審査中」、「審査済」「発行済」などです。)
・エラー内容の通知を表示します。
・取下げの場合は表示がでます。
(6)申請履歴の管理
・過去の申請情報の参照ができるようになっています。
(7)他省庁とのデータの照合
・その他省庁バックヤード連携などができるようになっています。次の2つが該当します。
国税庁(納税情報)
法務省(登記簿謄本)
(8)手数料の納付案内 登録免許税・手数料の納付案内が来ます。
(9)手数料等の支払い 登録免許税・手数料を支払います。
手数料納付は次のものが利用できます。
・Pay-easyによる納付がメインになっています。
・納付の案内があります。
・納付状況の管理もできます。
(10)行政庁にて審査がある。
(11)行政庁において決裁されます。
(12)申請データが登録される。
(13)通知書が作成されます。
連絡・通知
・行政庁からの連絡、通知等の表示があります。
通知書出力
・許可通知書、経審結果通知書等を出力します。
(14)通知書送付 申請・届出の結果を申請者に通知します。
(15)経営事項審査結果が公表されます。
(16)通知書を受領 電子的な通知書が送付される。
(17)建設業許可の閲覧 自社の情報を参照できます。
電子化の対象となる手続きの範囲
建設業許可と経営事項審査電子申請システムは、次の申請手続などについて、電子的に行える機能を搭載しています。
建設業許可関係
・許可申請(新規許可、許可換え、般特許可、業種追加、更新)
・変更等の届出(事業者の基本情報、経営業務管理責任者、営業所の専任技術者、営業所の代表者等)
・廃業等の届出
・決算報告
許可通知書などの電子送付は各行政庁により取扱いは異なっています。
経営事項審査関係
経営事項審査申請(経営規模等評価、総合評定値)
再審査申請(経営規模等評価、総合評定値)
*結果通知書などの電子送付は、各行政庁によって取扱いは異なっています。
作成可能な様式
システムから作成できる様式
省令様式
許可事務ガイドラインの次の様式になります。
・経管経験の認定調書 各種
・変更届出書<事業年度終了報告時>
「経営事項審査の事務取扱について(通知)」は次の様式になります。
・工事種類別完成工事高付表(様式第1号)
・継続雇用制度の適用を受けている技術職員名簿(様式第3号)
・CPD単位を取得した技術職員名簿(技術職員名簿に記載のある者を除く)(様式第4号)
・技能者名簿(様式第5号)
・建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
このシステムから作成できない様式
許可事務ガイドラインの下記様式は、このシステムでは作成できません。
・許可申請取下げ願い
・許可拒否通知書
・登録免許税還付願い
・許可取消通知書
・承継の書類提出依頼書
・承継認可申請取下げ願い
・承継拒否通知書
・承継認可通知書
・相続の書類提出依頼書
・承継認可申請取下げ願い
「経営事項審査の事務取扱について(通知)」の次の様式
・経理処理の適正を確認した旨の書類(様式第2号)
許可証明書
都道府県独自の様式
バックヤード連携
ほかの省庁との連携ができます。
登記事項証明書(法務省)大臣・法人
納税情報 法人税/所得税(国税庁)大臣・法人/個人
納税情報 消費税/地方消費税(国税庁)大臣/知事・法人/個人
納税情報 事業税(都道府県)知事・法人/個人
その他機関との連携もしています。
技術検定合格証明書 国土交通省
経営状況分析結果通知書 登録経営状況分析機関
監理技術者資格者証 (一財)建設業技術者センター
監理技術者講習修了証 国土交通省
建設業経理士登録証 (一財)建設業振興基金
建設業経理士CPD講習修了証 (一財)建設業振興基金
お問い合わせ先
JCIPヘルプデスク(受付時間: 平日 9:00~17:00)
電話:0570-033-730
国土交通省不動産・建設経済局建設業課許可係、経営指導係
電話:03-5253-8111
静岡県であれば、静岡県交通基盤部建設経済局建設業課が担当部署となっています。
静岡県庁建設業課(許可班)
電話:054-221-3058
〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9-6
*なお、これまでどおり書面による申請・届出も受け付けます。行政書士法人アラインパートナーズまでお問い合わせください。