GビズID(GbizID)を詳細に、わかりやすく解説します。各省庁や自治体の断片的な説明を総括してまとめていますので全体を理解しやすいです。知っておくと便利な点、注意すべき点も掲載していますので、GビズIDを申請前にお読みください。
GビズIDとは
GビズID(GbizID)は、1つのIDとパスワードで各種の行政サービスにログインできるサービスで使います。
GビズIDは、法人や個人事業主向けの共通認証システムになります。1つのGビズIDアカウントで、いろいろな行政のサービスを使うことができます。社会保険や労働保険だけとか建設業許可だけというわけではありません。汎用性がある便利なIDです。
GビズIDをつくっておけば、1つのIDとパスワードで、様々な行政サービスにログインできます。
アカウントは、最初に1つだけ取っておくだけで、有効期限、年度更新の必要はありません。
日本政府の電子手続きの総合窓口であるe-Govの電子申請サービスも、GビズIDが利用できます。政府や省庁だけでなく、各都道府県の独自のシステムでもGビズIDが利用できるシステムが増えています。静岡でも使える手続きがあります。
今までのオンラインの行政サービスは、手続きのシステムごとにIDやパスワードを作成する必要があって、ユーザーのアカウントが増えてしまって管理がたいへんでした。
GビズIDは、日本国民全員に関係のある社会保険の手続きや補助金の申請、その他の各種認可申請などで、たった1つのIDとパスワードでログインすることができるようになっています。
IDの発行時に一度だけ身元確認さえすれば、その後の手続きでの本人確認書類の提出が必要なくなります。
ネットバンクなどのように知識情報(暗証番号)、所持情報(カード類)、生体情報(顔認証や指紋認証)などの多要素認証を使ってセキュリティも万全になっています。具体的には、スマートフォンを使って所持情報や生体情報を確認してパソコンなどで操作する場合に認証を補完するようになっています。
利用できる手続は、各省庁および地方自治体の各手続ごとに増えています。
GビズIDの種類
GビズID(GbizID)には種類が3種類あって、たとえば補助金を申請する場合であれば、プライムのアカウントを使います。プライムを申請するには、郵送での申請が必要になって、2~3週間かかります。
GビズIDには、gBizIDプライム、gBizIDメンバー、gBizIDエントリーという3種類のアカウントがあります。サービスにより必要なアカウントが異なります。
gBizIDプライム
法人代表者、個人事業主向けで、2つの申請方法があります。
・書類郵送申請(書類審査/発行 約1週間)
・オンライン申請(最短即日発行)
オンライン申請にはマイナンバーカードとマイナンバーカード読み取り可能スマートフォンが必要です。
行政サービスは無制限となります。
アカウント作成後、従業員の方向けのアカウントも作成できます。
gBizIDエントリーからgBizIDプライムに変更することのできます。gBizIDプライムへの変更では、書類審査が必要になるので注意が必要です。
gBizIDエントリーのマイページで「gBizIDプライムに変更する」から申請書を作成印刷して、印鑑(登録)証明書と同一の印鑑を押印して、印鑑(登録)証明書と申請書を併せて郵送します。
その後審査が完了するとGビズIDから審査完了のメールが送信されます。
gBizIDメンバー
gBizIDプライム取得組織(会社など)の従業員向けのアカウントです。
書類審査は不要ですが、利用できる行政サービスには制限があります。
gBizIDプライムのアカウントをもつ法人や事業者の従業員用のアカウントです。従業員に書類を作成してもらう時などに使うことができます。
gBizIDプライムが許可したサービス(書類作成など)のみ利用できます。
gBizIDエントリー
会社などの事業している者であれば誰でもつくれます。GビズIDマイページや行政システムにログインができるようになります。書類郵送は不要で即時発行が可能です。
ただし、行政サービスは制限があります。
gBizIDエントリーからgBizIDプライムに変更することもできます。gBizIDプライムへの変更では、書類審査が必要となります。
gBizIDエントリーのマイページで「gBizIDプライムに変更する」から申請書を作成して印刷し、印鑑(登録)証明書と同一の印鑑を押印の上、印鑑(登録)証明書と申請書を併せて郵送します。
その後審査が完了するとGビズIDから審査完了のメールが送信されます。
重要な共通の注意点と便利なところ!
1つのメールアドレスでアカウントを複数、取得することはできません。
複数の事業をしている場合は、事業毎にメールアドレスを用意してアカウントを作成します。
gBizIDエントリーとgBizIDプライムを同時に持つことはできません。
3つのアカウントのうち、gBizIDエントリーは書類審査が不要で、オンラインで即日の発行が可能です。
gBizIDエントリーを取得した後、指定の手続きを経れば、利用できる範囲が多いgBizIDプライムに変更することもできます。
利用できる省庁・自治体のサービス
GビズID(GbizID)で利用できる省庁・自治体のサービスは次のとおりです。
・e-Gov
プライム
メンバー
エントリー
・石綿事前調査結果報告システム
プライム
メンバー
エントリー
・金融庁電子申請・届出システム
プライム
メンバー
エントリー
・建設業許可・経営事項審査電子申請システム
プライム
メンバー
・公正取引委員会オンライン届出・申請受付
プライム
メンバー
エントリー
・国土交通省手続業務一貫処理システム(eMLIT)
プライム
メンバー
エントリー
・雇用関係助成金
ポータル
プライム
メンバー
・再生可能エネルギー電子申請システム
プライム
メンバー
・社会保険手続きの電子申請
プライム
メンバー
・住宅瑕疵担保履行法 基準日届出システム
プライム
メンバー
・小規模事業者持続化補助金<一般型>申請受付システム
プライム
メンバー
・食品衛生申請等システム
プライム
メンバー
エントリー
・中小企業者認定・融資電子申請システム(SNポータル)
プライム
メンバー
エントリー
・賃貸住宅管理業登録等電子申請システム
プライム
メンバー
・農林水産省共通申請サービス
プライム
メンバー
エントリー
たとえば、自治体(静岡県)では、次のようなサイトがあります。
静岡県のサイト
浜松市オンライン申請システム
https://ttzk.graffer.jp/city-hamamatsu
ふじのくに電子申請システム
https://s-kantan.com/pref-shizuoka-u/
浜松市オンライン申請システム
プライム
メンバー
エントリー
担当部署名:浜松市デジタル・スマートシティ推進部デジタル・スマートシティ推進課
連絡先:053-457-2454
ふじのくに電子申請システム
プライム
メンバー
エントリー
担当部署名:デジタル戦略局デジタル戦略課
連絡先:054-221-2915
委任申請制度
GビズID(GbizID)は、委任申請制度もあります。自分のGビズIDアカウントを登録する以外に、委任申請の登録もできます。
委任申請制度を利用すれば、このような便利なメリットがあります。
委任申請とは、社会保険労務士や税理士、行政書士などに手続きを依頼している場合などに委任先を登録することです。
詳しくは、行政書士法人アラインパートナーズへお問い合わせください。
会社が、社員に許可申請などの手続きを依頼する場合や個人が、家族や親族に自分の代わりに手続きを依頼する場合も使えます。
GビズIDを自身が持っていない場合であっても、委任先がアカウントを持っていると委任先として登録できます。
本人が直接手続きをする必要がなくなり、時間や手間を節約できます。
行政書士などの専門家に依頼することで、正確かつ迅速に手続きを進めることができます。
複数の申請手続きをまとめて依頼することができます。