静岡の行政書士法人アラインパートナーズです。日頃の建設業許可業務のご質問などの経験に基づいて、建設業者様にぜひ知って頂きたい建設業許可の基礎知識を信頼性が高く権威のある静岡県の手引きを基に、アラインパートナーズの日常業務経験のノウハウを加えてわかりやすく解説します。
建設業法第7条の誠実性とは、建設工事の請負契約の締結や履行において、不正(詐欺、脅迫など法令違反)または不誠実(契約違反)な行為をするおそれが明らかでないことを意味しています。
違反すると、建設業許可が受けられなかったり、許可を取り消される可能性があります。法人なら役員など、個人なら本人とその使用人に適用されます。
不誠実な行為の具体例
- 建設業法第7条の不正な行為や不誠実な行為の具体例としては次のことがあげられています。
- 不正な行為(法律違反)としては、詐欺、脅迫、横領、文書偽造など。
- 不誠実な行為(契約違反)としては工事内容、工期、損害負担などについて契約に違反する行為など。

誠実性
建設業法第7条第3号と第15条第1号に規定されています。
建設業の営業は、ほかの一般産業の営業と違って、注文生産なので取引の開始から終了までに長い期間がかかりますし、前払いなどによる金銭の授受が、習慣化していることなどによって、信用を前提として行われることが多くあります。
請負契約の締結やその履行において、不正や不誠実な行為をするような者に営業を認めることはできないことから、建設業許可の対象となる者が、法人である場合においては、非常勤も含む役員などや、令第3条の使用人が、個人である場合においては、本人または令3条に規定する使用人が、請負契約に関して不正、または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが必要になります。
建設業法からの引用です。
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
令3条の使用人
令3条の使用人とは、建設業法で定められた建設業法施行令第3条に規定されている支店や営業所の代表者である支店長や営業所長などのことで、請負契約の締結や履行に関する一定の権限を持つ事実上の責任者のことです。
建設業許可を受けた業者が支店などを設ける場合に必ず配置が必要となっており、本社(主たる営業所)の経営業務管理責任者に代わって従たる営業所の経営を管理する役割を担って経営業務管理責任者の経験として認められる役職になります。

不正な行為と不誠実な行為
不正な行為とは、請負契約の締結、または履行の詐欺、脅迫など、法律に違反する行為のことで、たとえば詐欺、脅迫、横領、文書偽造などの法律に違反することです。
不誠実な行為とは、請負契約に違反する行為のことであり、たとえば、工事内容や工期、天災など不可抗力による損害の負担などについて、請負契約に違反する行為のことです。
申請者が法人の場合においては、当該法人の非常勤役員を含む役員などや営業所の代表者である令第3条の使用人、または、申請者が個人である場合において、その者や使用人(令第3条の使用人)が、誠実性を満たさないものとして取り扱われます。
誠実性を満たさないものの例としては、不正、または不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受けて、その最終処分から5年を経過しない者などです。
役員など
役員などとは、業務を執行する社員、取締役、執行役、もしくはこれらに準ずる者、または相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、もしくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいいます。(建設業法第5条第3号)
業務を執行する社員とは、持分会社の業務を執行する社員をいいます。
取締役とは、株式会社の取締役をいいます。執行役とは、指名委員会等、設置会社の執行役をいいます。これらに準ずる者とは、法人格のある各種の組合等の理事等をいい、執行役員、監査役、会計参与、監事等は原則含まれませんが、業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等を含みます。
相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、もしくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有すると認められる者とは、少なくとも相談役、顧問、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主若しくは出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者、この他、名称役職の如何を問わず取締役と同等以上の支配力を有する者をいいます。
役員等には、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は含まれません。
建設業法からの引用です。
第五条
三 法人である場合においては、その資本金額(出資総額を含む。第二十四条の六第一項において同じ。)及び役員等(業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)の氏名
誠実性の直接の審査
建設業法第7条の「誠実性」の上記の対象範囲は、実務上よく誤解される点なので、整理しておきます。
基本的に社員全員が対象になるわけではありません。実務上、誠実性の審査対象となるのは、次の者です。
法人の場合
役員等(代表取締役・取締役・執行役 等)・令3条の使用人・個人事業主の場合は本人
ここでいう「役員等」は、登記上の役員が中心です。
経営業務の管理責任者と技術者
経営業務の管理責任者・技術者はどう扱われるかですが、これも整理しておきます。
経営業務の管理責任者(経管)
役員である場合は、当然に誠実性の審査対象になりますが、役員でない場合(従業員)は原則として直接の対象ではなくなります。ただし、実質的に経営を支配しているとか重大な不正行為の主体となっている場合は、間接的に問題視されることがあります。
営業所技術者(旧専任技術者)
誠実性の直接要件ではありません。技術的能力・専任性が主な審査対象となりますが、ただし、建設業法違反の中心人物であれば、会社全体の誠実性に影響する可能性はあります。
主任技術者・監理技術者
許可要件としての誠実性の直接の対象ではありません。工事現場での配置義務・資格要件の問題となりますが、ただし、名義貸し、虚偽配置、無資格施工などがあれば、会社の誠実性違反として処分対象になります。
令3条の使用人
令3条の使用人は関係があります。令3条の使用人は会社の代表として行為する立場にあるために不正契約・詐欺的勧誘・重大な法令違反があると、会社の誠実性要件に直接関係します。
誠実性の対象としては、役員と令3条の使用人が誠実性審査の中心となります。
社員
社員全員が対象になりことはありませんが、ただし、反社会的勢力との関係・工事詐欺・無許可営業の実行主体・組織的違反の中心人物などの場合は、「会社として誠実性を欠く」と判断される可能性があります。


