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建設業許可と定款変更について手続き・必要書類・提出先・注意点を解説

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建設業許可を取得している法人が「事業目的の追加」「商号変更」「本店移転」などで定款変更を行う場合は、単なる会社法上の手続きだけでなく、建設業法上の変更届出も必要になることがあります。

建設業許可を保有する法人が、単に「法務局で登記を書き換えて終わり」ではありません。建設業法に基づいて、許可行政庁への届出(変更届)が義務付けられています。この手続きを怠ると、更新申請が受理されなかったり、最悪の場合は罰則の対象となることもあります。

「定款変更だけで済むのか?」「建設業許可の変更届は必要か?」「いつまでに提出すればよいのか?」行政書士の実務経験に基づき、建設業許可を持つ法人が定款変更を行う場合の手続き・必要書類・記入方法・提出先・注意点を詳しく解説します。

建設業許可法人が定款変更する場合の基本的な考え方

重要なのは、定款変更が必ずしも建設業許可の変更届が必要、とは限らないという点です。

定款変更は会社法上の手続きであり、建設業法上の届出が必要になるのは「許可事項に影響する場合」に限られます。

建設業法の根拠

建設業法第11条(変更届)に記載されています。許可申請書の記載事項に変更があったときは、一定期間内に届出が必要です。

建設業法からの引用です。

(変更等の届出)

第十一条 許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

2 許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

3 許可に係る建設業者は、第六条第一項第三号に掲げる書面その他国土交通省令で定める書類の記載事項に変更を生じたときは、毎事業年度経過後四月以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

4 許可に係る建設業者は、営業所に置く営業所技術者が当該営業所に置かれなくなつた場合又は第七条第二号ハに該当しなくなつた場合において、これに代わるべき者があるときは、国土交通省令の定めるところにより、二週間以内に、その者について、第六条第一項第五号に掲げる書面を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

5 許可に係る建設業者は、第七条第一号若しくは第二号に掲げる基準を満たさなくなつたとき、又は第八条第一号及び第七号から第十四号までのいずれかに該当するに至つたときは、国土交通省令の定めるところにより、二週間以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

建設工事の届出

定款変更で建設業許可の変更届が必要になるケース

事業目的の変更

最も多いケースがこの事業目的の変更です。たとえば、「土木工事業」を追加、「解体工事業」を追加、「建築工事業」の削除などです。目的追加のみで許可業種が増えるわけではない場合です。ただし、実際に業種を追加する場合であれば「業種追加申請」が必要になります。

重要なのは、たとえ定款に目的があっても、建設業許可は取得しなければ営業できません

商号変更

商号変更をした場合は、法務局で変更登記をします。また、建設業許可の変更届出が必要になります。

本店移転

同一都道府県内であれば、変更届で対応できますが、他都道府県へ移転となると許可行政庁が変わるため、原則として建設業許可の「新規申請」となります。

役員変更

役員変更の定款変更を伴う場合、取締役員数変更などで定款変更を行った場合は、役員変更届出(建設業法第11条)と誓約書等の再提出が必要になります。

定款変更の会社法上の手続き

  • 定款変更の会社法上の手続きの流れは次のとおりです。
    • ① 株主総会特別決議
    • ② 議事録作成
    • ③ 定款変更
    • ④ 法務局で変更登記

特別決議の要件(会社法)

出席株主の議決権の3分の2以上が必要になります。

建設業許可の変更届の手続き

提出期限は、原則として変更後30日以内です。

提出先は、知事許可の場合は、本店所在地の都道府県庁で大臣許可の場合は、地方整備局になります。

静岡の場合であれば、下記のとおりとなります。

国土交通省 中部地方整備局 建政部 建設産業課

〒460-8514
名古屋市中区三の丸2丁目5番1号 名古屋合同庁舎第2号館
電話番号:052-953-8572

なお、建設業許可の「大臣許可」と「知事許可」は、営業所を置く都道府県の数で区別されます。1つの都道府県内にのみ営業所がある場合は「知事許可」、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は「大臣許可」が必要です。どちらも工事場所の制限はありませんが、手続きや費用が異なります。

必要書類一覧(ケース別)

ケース別の必要書類一覧です。

商号変更

  • 定款の商号変更の場合の必要書類は次のとおりです。
    • 変更届出書(様式第二十二号の二)
    • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
    • 定款(写し)
    • 許可通知書写し(求められる場合)

目的変更のみ

建設業許可業種に変更がない場合ですが、

  • 定款の目的変更の場合の必要書類は次のとおりです。
    • 変更届出書
    • 登記事項証明書
    • 定款写し

役員変更を伴う場合

  • 定款の役員変更を伴う場合の必要書類は次のとおりです。
    • 変更届出書
    • 登記事項証明書
    • 役員等の一覧表
    • 誓約書
    • 身分証明書
    • 登記されていないことの証明書

なお、よくある失敗例としては、定款変更したが変更届を出していない、本店移転後に旧庁へ提出してしまった、業種追加を「目的追加だけ」で済ませた、30日を経過してしまったなどがあります。

記入方法のポイント

商号は登記と完全に一致させます。株式会社・(株)などの表記揺れは不可です。

変更年月日は、「株主総会決議日」ではなくて登記完了日を記載する運用が多いです。

目的欄の書き方としては、たとえば「土木工事業」「建築工事業」など具体的に記載します。「建設業一式」では不可です。

変更届出書の記入方法

  • 変更届出書(様式第22号の2)の記入の際は、以下の点に留意してください。
    • 許可番号・年月日:現在受けている許可証の通りに記入します。
    • 変更事項:何が変わったのか(例:商号、目的)を明記します。
    • 変更前・変更後:登記簿謄本の記載内容と完全に一致させる必要があります。1文字の脱字や「ヶ」と「ケ」の違いもNGです。

電子申請(JCIP)について

現在は建設業許可の変更届はオンライン申請でもできます。JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)は建設業の働き方改革推進の一環として、申請者・許可行政庁の事務負担を軽減し、生産性の向上を図る目的でつくられました。

JCIPログインはこちらです→ https://prod.jcip.mlit.go.jp/TO/TO00001

建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)操作マニュアル2.6版 (PDF形式 19MB)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001967782.pdf

建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)操作マニュアル(別紙) (PDF形式 2MB)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001897700.pdf

定款変更と業種追加は別手続き

定款変更と業種追加は別手続きです。このことは非常に重要です。

定款変更は、会社法上の手続きです。業種追加は建設業法上の「許可申請」です。両者はまったく別ものです。

定款変更したから業種追加は不要ではありません。またその逆でもありません。

建設業許可を持つ法人は、会社法・建設業法・各都道府県の運用を理解する必要があります。特に「本店移転」「役員変更」「業種追加」は、経審や入札参加資格にも影響するため慎重な対応が必要です。

 その他注意事項

目的変更と「専任技術者」の整合性

新しく事業目的を追加する場合、それが建設業許可の業種追加を見越したものであれば、その業種に対応する営業所技術者が社内にいるかどうか確認します。

営業所技術者の配置は建設業許可の重要な要件となっており、必ずチェックされます。

本店移転と「営業所の実態」

建設業許可の場合は、定款上の住所を変えるだけでなく、実際に看板があるかどうか、電話設備があるか、契約締結ができるスペースがあるかなど、「営業所の実態」が写真等で厳格に審査されます。

決算変更届との連動

毎年の「決算変更届(事業年度終了届)」を提出していない場合、定款変更の届出を受理してもらえない(または同時に提出を求められる)ことがあります。

建設業許可の「決算変更届(事業年度終了届)」は、建設業法に基づいて、許可業者が毎事業年度終了後4ヶ月以内に、工事実績や財務状況を許可行政庁(知事・大臣)へ報告する義務的な手続きです。

税務申告とは別に、専用の財務諸表(建設業会計)や工事経歴書等を提出する必要があり、怠ると更新申請ができなくなることがあります。

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