建設業許可の基本
建設業法の改正に合わせて建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律も改正されて、解体工事業の新設に係る経過措置の適用を受ける建設業者を除いては、500万円未満の解体工事であっても土木工事業、建築工事業、解体工事業のいずれかの建設業許可か、建設リサイクル法による解体工事業の登録がなければ請け負うことができなくなっています。
解体工事は、次の3種類あります。
主たる建設工事の施工に伴って必要を生じた他の従たる建設工事、また主たる建設工事を施工をするために生じた他の従たる工事を附帯工事と言います。
管工事、例えばエアコン工事の施工で生じた電気工事、屋根工事の施工で必要になった塗装工事などです。電気工事の施工で必要になった内装仕上工事、壁紙の貼り替えなどが該当します。
附帯工事を主たる工事といっしょに請け負う場合、主たる工事の建設業許可があれば足ります。
当該の附帯工事を請負業者が自ら施工する場合は、当該業種の資格などを持つ専門技術者の配置が必要となり、自ら施工しない場合は、その許可を持った建設業者により下請施工させなければなりません。(建設業法第26条の2第2項)
それぞれの工事が独立の使用目的の場合は、附帯工事とはなりません。
知事許可の場合は、県庁建設業課で申請書を受け付けてから40日程度かかります。
大臣許可の場合は、国交省の出先機関で申請書を受け付けてから120日程度かかります。
新規申請は現在オンラインでも可能ですが、GビズIDの取得が必要です。決算変更届は原則、管轄する土木事務所へ持参して行います。
建設業許可の有効期間は5年間です。許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって許可は満了します。有効期間の満了日が土・日・祝などの閉庁日の場合でも、その日をもって満了します。
引き続き許可を受けて営業する場合は、許可満了日の30日前までに許可の更新手続きを行います。
許可の有効期間を満了した時点で許可は失効します。許可が失効してしまうと更新はできませんので、新たに新規の許可申請手続きが必要になります。
電気工事業法の一般用電気工作物および自家用電気工作物に係る電気工事業を営む場合は、登録は不要ですが、電気工事業法第34条の届け出が必要になります。
法人の場合、営業所に常駐して専らその職務に従事する必要があるために原則として現場配置はできません。
ただし、例外的に当該営業所で契約締結した建設工事で、工事現場の職務に従事しながら、実質的に当該営業所の職務を適正に遂行できる程度に近接した工事現場で、当該営業所と常時連絡をとり得る体制にあって、当該建設工事が、主任技術者等の工事現場への専任を要する工事、公共性のある工作物に関する重要な工事で請負金額の額が税込3,500万円、建築一式工事は7,000万円以上でない場合には兼務することができます。この場合、営業所の専任技術者としての職務が遂行できていることが前提となります。
請負契約のみではなく請負契約の見積り、入札、狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実態的な行為を行う事務所で、契約書の名義人が当該事務所を代表する者であるか否かを問うものではありません。
これら以外の場合であっても、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与するものである場合も、営業所となります。
ただし、単に登記上本店とされているだけで、実際は建設業に関する営業を行わない店舗や、建設業と無関係な支店、営業所等は、営業所には該当しません。
登記上の本店と建設業許可での主たる営業所が異なっても構いません。主たる営業所での許可を取るためには、代表者は本店でも構いませんが、経営業務管理責任者と専任技術者は当該営業所に常勤する必要があります。
営業所とは本店、支店、常時建設工事の請負契約を締結する事務所です。
常時建設工事の請負契約を締結する事務所でない場合であっても、ほかの営業所に対して請負契約の指導や監督を行う等建設業の営業に実質的に関与する事務所であれば、営業所に該当します。
営業所と言えるためには要件を備えていることが必要であり、単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所などはこ営業所には該当しません。
公共性のある施設、もしくは工作物、または多数の者が利用する施設、もしくは工作物に関する重要な建設工事で請負金額(税込)が3,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上のものについては、専任の主任技術者・監理技術者が必要となります。
請負契約の適正な締結や工事の履行を技術面から確保するために、営業所に常勤して専らその業務に従事する人です。
建設業の許可を受けるには、許可を受けようとする建設工事で一定の資格または経験を有する技術者を営業所ごとに置く必要があります。
資格要件を満たす場合に、同一営業所内において2業種以上の建設業の専任技術者になることや経営業務の管理責任者と兼ねることもできますが、他の営業所の専任技術者と兼ねることはできません。
法人などの代表権者から、見積や契約締結、入札参加などの委任を受けている支店や営業所の代表者(支店長や営業所長等)のことです。個人事業主のもとで、支配人登記された者も該当します。
この使用人は、法人の役員などと同様に建設業法第8条に規定する欠格要件に該当する者はなれません。
建設機械のリース契約でオペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為となるために建設工事の請負契約に該当します。
建設工事に該当するかどうかは発注者との契約内容によりますが、請負契約によらないものは建設工事に該当しません。
個別の専門工事の施工は建築工事業の許可ではできません。
建築一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事であって、個別の専門工事をするには対応した業種の許可が必要です。複数業種の工事が必ずしも一式になるわけではありません。多くは附帯工事です。
原則として、建築一式工事に当たるのは主なものとして、新築工事のような大規模な工事が該当します。
29業種の建築工事のうち土木一式工事、建築一式工事を除く27業種の専門工事があります。
エアコン工事などの「管工事」、建物の電気設備に関する工事である「電気工事」など建設工事の内容等によって区分けされています。
建設業の許可は、2つの専門工事と27の専門工事に対応した許可の業種に区分されています。
一式工事とは総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事です。このなかには、複数の専門工事の組み合わせで構成される工事、住宅建設では大工工事、左官工事、屋根工事、電気工事なども含まれます。
専門工事は、左官工事、屋根工事、塗装工事などの工事内容の専門性が必要な建設工事の種類で、一式工事の大規模、複雑な工事等を除いたものが該当します。
工事内容で複数の専門工事があっても、必ずしも一式工事とはならない場合があります
500万円以上の専門工事を請け負うことはできません。
建築一式工事業の許可を持っていても500万円以上の大工工事や内装仕上工事などを請け負うことはできません。また、土木一式工事業の許可を持っていても500万円以上のとびや土工工事や舗装工事などを請け負うことはできません。
建築一式工事は建築確認を必要とする新築及び増改築工事を、総合的な企画・指導・調整のもとに請け負うことです。それ以外の工事は、各業種の専門工事となります。
一式工事の許可を受けていたとしても、各専門工事の許可を受けていない場合には、500万円以上(税込)の専門工事を単独で請け負うことはできません。
例えば、建築一式工事(建築工事業)の許可を受けていても単独で500万円以上(税込)の内装工事を請け負う場合は内装仕上工事業の許可が必要となります。
29業種の建築工事のうち土木一式工事と建築一式工事を除く27業種の専門工事があります。エアコン工事などの管工事、建物の電気設備に関する工事である電気工事など建設工事の内容などによって分けられています。
一式工事は、元請の立場で、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物、建築物を建設する工事、補修、改造または解体する工事です。
建築一式工事の許可を持っていても、各専門工事の許可を持っていない場合は、500万円以上(税込)の専門工事を単独では請け負うことはできません。土木一式工事の場合も同様です。
建築一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとの建設工事とされています。新築及び増改築などの大規模工事を元請として請け負う工事が該当します。それ以外の工事は、原則として、各業種の専門工事となります。
一般建設業と特定建設業では下請に出せる契約金額に違いがあります。発注者から請け負う金額に制限はありません。
発注者から直接請け負った1件の建設工事について、総額で4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上、消費税額を含む)を下請に出す場合には特定建設業の許可が必要です。
この制限は、発注者から直接請け負う建設工事の場合であり、下請として工事を施工する場合は関係ありません。
元請として工事を請け負った場合に、下請に出せる金額が違ってきます。
発注者から直接に請け負った建設工事で、下請金額の総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円)となる下請契約の施工する場合は、特定建設業の許可が必要になります。
この金額は、下請1社だけではなく、その工事1件について下請に発注した金額の合計のことですので、一般建設業でも特定建設業であっても請負金額自体に上限はありません。また、下請として工事を請け負った場合の再下請負金額の総額も制限はありません。
特定建設業許可は下請業者の保護や工事の適正な施工のための制度で、一般建設業者に比べて多くの規制があります。
同一の建設業者の者が複数の業種の許可がある場合、ある業種では一般建設業の許可を持ち、別の業種では特定建設業の許可を受けることは問題ありません。ただし、一つの業種について、一般建設業と特定建設業の両方の許可を受けることはできません。
また、営業所ごとに許可するものではないので、一つの業種について、ある営業所では特定建設業、別の営業所では一般建設業の許可を受けて営業することは、できません。
営業所の場所によって国土交通大臣許可と都道府県知事許可があります。
建設業の許可は業種ごとに一般建設業や特定建設業に区分されます。
特定建設業許可は、発注者から直接請け負う1件の工事が消費税込みで総額4,000万円以上、建築一式工事の場合は6,000万円以上の下請契約を締結する場合に必要な許可です。
一般建設業許可は、特定建設業の許可を受ける者以外が取得する許可です。
知事許可は1つの都道府県だけに営業所がある場合で大臣許可は2つ以上の都道府県に営業所がある場合に必要になります。
静岡県内のみに複数の営業所があっても静岡県知事の許可を受けることになりますが、1つでも県外に営業所がある場合は大臣許可が必要になります。
材料費が請負契約に含まれてなくても、注文者が支給する材料費も合算して税込み500万円以上(建築一式工事の場合は税込み1500万円以上)となった場合は、建設業の許可が必要になります。(建設業法施行令第1条の2)
軽微な建設工事とは、工事1件の請負代金の額が①「建築一式工事」にあって
は、1,500万円(税込)に満たない工事、もしくは延べ面積が150㎡に満たない工事「建築一式工事以外の建築工事」では、500万円(税込)に満たない工事です。
請負代金の額は、次のことに注意が必要です。
軽微な建設のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。工事建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者以外は、建設業の許可を受けなければならないこととされています。(建設業法第3条第1項)
材料費が請負契約に含まれていない場合であっても注文者が提供する材料費も合
算して税込み500万円以上、建築一式工事の場合は、税込み1500万円以上となった場合は建設業許可が必要です。(建設業法施行令第1条の2)
許可要件を満たしたうえで各種法令などと建設業法全般に関して十分理解することが必要です。
建設業許可を受けた場合、請け負った建設工事で現場技術者である主任技術者や監理技術者の配置が義務付けらています。
営業所ごと、建設工事の種類ごとに設置される営業所の専任技術者は、原則として現場配置できませんので適正な建設業の営業を行うことのできる社内の人員や体制を整えて申請します。
建設業許可を受けるには、許可要件を備えて許可行政庁に申請を行います。建設業許可は、建設工事の種類である29業種ごとに受けます。
各建設工事の種類ごとに特定許可と一般許可のいづれかの許可を受けることになります。
建設業を営む営業所の所在地が、1つの都道府県内にある場合は、各都道府県知事の許可となり2つ以上の都道府県にまたがる場合は、国土交通大臣の許可となります。
都道府県知事の許可の場合は各都道府県の建設業許可担当部局が窓口になり、国土交通大臣許可を受ける場合は、本店の存する都道府県を管轄する地方整備局が窓口になります。
申請方法等は、各許可行政庁でご確認します。
申請者、役員など、令第3条の使用人が請負契約について不正、または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことという意味です。
不正行為とは請負契約の締結、または履行における詐欺、脅迫、横領などの法律に違反する行為であり、不誠実な行為は、工事内容、工期、天災など不可抗力による損害の負担などについて請負契約に違反する行為となります。
全部で29業種あります。
2つの一式工事(土木一式工事、建築一式工事)と27の専門工事があります。
建設業をする者は、次の工事(軽微な建設工事)のみを請け負う場合を除いて、建設業の許可が必要です。
(1)建築一式工事
1件の請負代金が1,500万円未満の工事(税込金額)
請負代金の額に関係なく、木造住宅で延面積が150平方メートル未満の工事(主要構造部が木造で、延面積の1/2以上を居住の用に供すること)
(2)建築一式工事以外
1件の請負代金が500万円未満の工事(税込金額)
注文者が材料を提供する場合は、材料の市場価格を加えた金額で判断することになります。工事請負契約を2つ以上に分割して請け負う場合は、原則、各契約の請負金額を合計した額で判断されます。
建設工事は、土木一式工事および建築一式工事の2つの一式工事と大工工事、電気工事などの27の専門工事の合計29種類になっていて業種別の許可制度となっています。
次の場合は、軽微な建設工事のみを請け負う場合でも、その他の法令によって登録が必要になります。
・解体工事を行う場合は「解体工事業登録」
・浄化槽設置工事を行う場合は「浄化槽工事業登録」
・電気工事業を行う場合は「登録電気工事業者登録」