消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するための必要な条件や資格、業種内容について一番詳しく解説します!!

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建設業許可には取得対象の業種が29業種があり、今回はその中の「消防施設工事業」について徹底的に詳しく解説していきます。この記事を読めば、消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な条件、資格、業種の内容について詳しく知ることができます。

この記事では次の項目に分けてわかりやすく解説していきます。

1 消防施設工事業の許可が必要になる工事とは?
2 消防施設工事業の内容
3 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な7つの条件
4 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な資格
5 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な書類

1 消防施設工事業の許可が必要になる工事とは?

消防施設工事業は、500万円以上の「消防施設工事」を請け負う場合、必要となる業種です。この500万円には注文者から支給された材料費及び材料運搬費も含みますので、例えば、請負額が490万円だから建設業許可はいらない、のではなく、この工事で注文者側から30万円程度の材料費が支給されている場合、合計で500万円以上となるため建設業許可を受けていないと工事を請け負うことができない、という点に注意してください。
また、工事を意図的に2回に分けて請け負ったとしてもダメです。仮に、意図的ではなく、結果的に2回に分かれてしまい、それぞれが500万円未満の工事であったとしても、その工事が結果として一つの工事として見なされる場合、建設業許可を受けている必要があります。
ただし、家を一棟新築するなどいわゆる建築一式工事の場合は、延べ面積が150㎡未満の木造住宅であれば、例外的に許可は必要ありません。また、150㎡以上であっても、請負金額が1,500万円未満であれば許可は不要となっています。この2つのケースのみが500万円以上の例外規定となっています。

2 消防施設工事の内容

消防施設工事とは、「火災警報設備、消火設備、避難設備、消火活動に必要な設備を設置、取り付ける工事」と定義されており、具体的工事な名称として「屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧消火設備工事、泡消火設備工事、不燃性ガス消火設備工事、蒸発性液体消火設備工事、粉末消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご設置工事、救助袋設置工事、緩降機設置工事、避難橋設置工事、排煙設備設置工事」などが建設業許可における消防施設工事として国土交通省のガイドラインに例示されています。もう少しわかりやすく言いますと、学校、病院、工場、オフィスビル、複合商業施設、ホテル、飲食店などの建物には消防法により消防設備(自動火災報知設備、スプリンクラー設備等)の設置が義務付けられており、これらの設置、取付けを行う工事のことをいいます。もう少し法的に説明しますと、消防法第17条の5において、「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行ってはならない。」と定められており、政令で定めるものとは、消防法施行令第36条の2(消防設備士でなければ行つてはならない工事又は整備)で次のように列挙されています。
(1)屋内消火栓せん設備
(2)スプリンクラー設備
(3)水噴霧消火設備
(4)泡あわ消火設備
(5)不活性ガス消火設備
(6)ハロゲン化物消火設備
(7)粉末消火設備
(8)屋外消火栓せん設備
(9)自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備
(10)消防機関へ通報する火災報知設備
(11)金属製避難はしご(固定式のものに限る。)
(12)救助袋
(13)緩降機
このため、建設業の許可だけでは消防施設の工事を行うことができず、必ず消防設備士の資格がないと消防施設の工事を行うことができません。なお、消防設備士の資格を持たす工事を施工すると、消防法違反となり、6箇月以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則も定められています。建設業許可の申請をする際も、審査機関である静岡県の建設業課において、当然、専任技術者が消防設備士の資格を有しているかチェックされますので、消防施設工事で申請する際はこの点を特に注意するようにしましょう。
防設備士の資格は、国家資格であり甲種消防設備士と乙種消防設備士の2種類があります。乙種消防設備士は特に受験資格は必要ありませんが、乙種消防設備士を受験する場合は、大学、短期大学、高等専門学校等で機械、電気、工業化学、土木、建築などの消防設備士に必要な指定学科を卒業しているか、電気工事士、建築士等の有資格者か、乙種消防設備士の資格取得後2年以上の実務経験があることが受験資格となっています。このため、消防施設工事を初めて取り扱う場合は、少なくとも乙種消防設備士の資格を取得することが必要です。このように消防施設工事は他の建設業許可の業種と異なり消防法に基づき消防設備士の配置など条件があり、特殊な工事となることから、消防施設工事に熟知した専門業者による工事が主流となっています。また、消防施設工事は、原則、消防法において、各工事前と工事後に所轄の消防署等への届け出が必要となるケースが多々ありますので、法令に違反とならないよう各種届け出を怠ることがないよう事前に十分確認して工事を進めるようにしましょう。

次に国土交通省のガイドラインに例示されている消防施設工事の種類について解説していきます。

屋内消火栓設置工事とは、火災時の初期段階で消火することを目的とした屋内消火栓設備の設置工事のことをいいます。屋内消火栓のうち屋内消火栓箱は、学校、病院等の廊下でよく見かける「消火栓」と記載され、赤いランプが付いたベージュの箱のことで、万一、建物で火災があった際、初期の消火活動に必要な水を供給するものです。屋内消火栓は、全体で、消火ポンプ、モーターからなる加圧送水装置、発信器などの消火栓起動装置、開閉弁、ホース、ノズルなどからなる屋内消火栓箱、配管、弁類、非常用電源などから構成されていて、水源である貯水槽、学校であればプール等から水をポンプとモーターの力によって汲み上げホース、ノズルを使って火災現場で放水することにより消火活動を行います。屋内消火栓は、1号消火栓、易操作1号消火栓、2号消火栓、広範囲型2号消火栓の4つのタイプがあり、1号消火栓は主に工場、倉庫などの比較的大規模な建物に設置されることの多い、強力な消火栓で、必ず2人以上で操作することが義務付けられており、ホースを延長する人が1人は必要となります。2号消火栓は、1号消火栓よりも小規模な建物に使われることが多く、1人で操作することが可能で、水圧、放水量などが1号ほど強くなく、操作も簡単で訓練を受けていない人でも簡単に使用することが可能です。ただ、この2号証河川は15mごとに1台設置することが義務付けられていることから、台数が多くなってしまうという点があります。設置する際は、建物全体を包含できるよう、配置場所を図面を見て検討します。専用の部屋に設置してしまうと火災時に使用できないケースもあるので、廊下やホールといった共用部分に配置することが必要です。配置場所を決めたら、使用する屋内消火栓を配置場所やコストを考慮して選択し、決定します。屋内消火栓の設置工事は、原則、建物の建築時に他の電気、ガス、水道、通信といったインフラ設備と併せて行われ、建築後、容易に設置場所の変更ができないため、設計時に十分検討して決定することが大切です。


スプリンクラー設置工事とは、火災発生時に天井に設置されたスプリンクラーヘッドから自動的に水を散布し、火災の初期消火を目的としてスプリンクラー設備の設置工事のことをいいます。熱や煙を感知すると自動的に起動するため、無人の場所でも効率的に消火でき、かつ、安全性が高いという特徴があります。スプリンクラー設備は、原則、建物の新築時に他のインフラや消防設備と併せて設置されますが、リフォームなどで移設、増設することも可能です。消防法では、一定規模以上の建築物では設置が義務付けられていることから、建物をリフォームで増築する際は消防法で指定された建物に該当しないか確認する必要があります。スプリンクラー設備は、高齢者用のグループホームでは平成25年に発生した大規模な火災をきっかけに設置が義務付けられており、また、個人の住宅で会っても地下室がある場合はスプリンクラー設備の設置が義務付けられております。個人以外でも会社等で地下室がある建物には必ずスプリンクラー設備が必要となりますので地下室がある場合は、設置されているか確認しておくようにしましょう。
スプリンクラー設置工事の流れは、まず、取付位置、設置工数を設置しようとする面積を考慮して決定します。また、スプリンクラーは水が必ず必要なため、設置工事の際は配管の系統図面を事前に作成しておく必要があります。このほか、事前に所轄の消防署へ作成した図面と配管系統図を添付し、着工届を提出することが義務付けられています。スプリンクラー設備を取り付けていない建物の場合、天井裏へ事前に配管を設置する工事が必要となります。設置する箇所にあわせ、スプリンクラーの配管も設計図に基づき計算して施工していきます。次に、スプリンクラー設備を事前に施工した配管、ポンプユニットに接続していきます。接続が完了したら、水圧テストや水漏れチェックを行い、工事完了となります。なお、工事完了後も、所轄消防署へ図面や概要表、配管系統図などとあわせ設備設置届を提出する必要があります。スプこのように、スプリンクラーの設置工事は建設業許可の消防施設工事となっておりますが、配水管の工事も含まれておりますので、管工事に関する、知識、技術も必要となってくるケースもあります。


水噴霧消火設備工事とは、スプリンクラー同様に水を散水して火災を消火する水噴霧消火設備の設置に関する工事のことをいいます。スプリンクラー設備との違いは、散水される水の粒がスプリンクラー設備に比べ細かく、火災時の熱により急激に蒸発する際にその熱を奪うことによる冷却効果と、燃焼面を蒸気で覆うことで酸素を遮断する窒息効果によって消火する設備です。スプリンクラー設備同様配水管工事と合わせて設置工事が行われます。トンネルや駐車場、指定可燃物貯蔵場所等に設置されています。


泡消火設備工事とは、泡ヘッドから放出される水の泡で消火する泡消火設備の設置に関する工事のことをいいます。泡消火設備は、水による消火では適さない油火災などの消火を目的としたもので、消火用の水に泡消火薬剤を混合し、泡放出口から放出する際に空気を取り込み泡を作りだし、燃焼している面を覆うことにより、泡を構成する水の冷却効果と泡による窒息効果で消火する設備です。油火災が発生する、駐車場、ヘリポートなどに設置されています。


不燃性ガス消火設備工事とは、消化剤として不活性ガスを使用して窒息作用により消火する不燃性ガス消火設備に関する工事のことをいいます。消化剤がガスのため、消火後の現場の汚染が少なく、電気絶縁性にも優れていることから、電気機械室、電気通信機室、美術館等に設置されています。不活性ガス消火設備は、消化剤貯蔵容器、起動用ガス容器、選択弁、配管、噴射ヘッド、感知器、操作箱、制御盤、音響警報装置、蓄電池設備等で構成されております。施工時には、不活性ガスの設置に関し十分な安全対策を行う点に注意が必要です。


蒸発性液体消火設備工事とは、消化剤として主として蒸発性液体であるハロゲン化物を使用して消火する蒸発性液体消火設備に関する工事のことをいいます。消火剤としてハロゲン化物を使用し、燃焼の連鎖反応を抑制する負触媒作用により消火します。蒸発性液体消火設備の設置場所や構成は不燃性ガス消火設備である不活性ガス消火設備と同様です。蒸発性液体のハロゲン化物は、安定したガスで消化能力が非常に優れていることから、少ない薬材料量で効果的に消火できます。また、隙間にも浸透するため、火災対象物の内部まで完全に消化することができ、消火後の汚染がほとんどないことも特徴で、電気機械室、電気通信機室の各機器を損ねることなく、消火後も問題なく使用できるというメリットがあります。


粉末消火設備工事とは、消化剤として粉末薬剤を使用し触媒作用によって消火する粉末消火設備の設置に関する工事のことをいいます。設置場所は、不活性ガス消火設備と同様、電気機械室、電気通信機室等に設置されています。粉末消火設備は、粉末消化剤貯蔵タンク、活用ガス容器、起動用ガス容器、選択弁、配管、噴射ヘッド、手動起動装置、感知器、制御盤、音響警報装置、蓄電池設備等で構成されています。消化剤は、炭酸水素ナトリウム、りん酸塩累等が主成分となっています。なお、粉末消火設備が、不活性ガス消火設備と異なる点は、使用する消火薬剤が粉末であり、それ自身に噴出圧力が無いため、噴出には加圧が必要である点です。


屋外消火栓設置工事とは、屋外に設置される屋外消火栓設備に関する工事のことをいいます。屋外消火栓設備は、建物の1階、2階で発生した初期火災の消火、また、中期火災にも対応でき、隣接建物の延焼防止のため外側からの消火作業の際に使用する設備です。基本的には1階から2階程度の建物の消火を目的としていることから、主に平屋建ての事務所や工場といった低層階の建物に設置されています。前述した屋内消火栓設備とほぼ同様の構成となっており、水源、消火ポンプ、起動装置、屋内消火栓(開閉弁、ホース、ノズル等)、配管、弁類、非常電源等から構成されています。隣接建物への消火活動へも対処できることから、屋内消火栓設備に比べ、水圧、放水量も多く消化能力も大きくなっています。屋内消火栓設備、屋外消火栓設備とも原則”誰でも”使えるようになっていますが、屋内消火栓設備は現場で直ぐに対応できる人(特に資格はなく誰でも)を想定した簡易的な構造となっているのに対し、屋外消火栓設備は”消防隊員”が使用することを前提とした構造で作られていますので、屋外消火栓設備を一般の人が緊急時に適切に使用するには、一定の事前訓練が必要となってきます。


動力消防ポンプ設置工事とは、エンジンで消防ポンプを稼働させる動力消防ポンプ設備の設置に関する工事のことをいいます。動力消防ポンプ設備は、動力消防ポンプ本体、ホース、ノズル、吸水管及び水源から構成されていて、水源である貯水槽等の近くに設置し、水を吸い上げホース、ノズルを使って放水し消火するための消火設備です。なお、動力消防ポンプ設備のうち可搬消防ポンプは人力等により搬送もしくは自動車の荷台から取り外しができるものもあり、これらは建物等に固定して使用するものでないことから、建設業許可における消防施設工事には該当しません。動力消防ポンプは消防法に基づきある一定の基準に基づき、屋外消火栓の代替設備として設置可能となっており、例えば、消火対象建物から100メートル未満に限り動力消防設備を設置することが可能な場合となっています。このため、動力消防ポンプ設備を使うには、防火水槽等一定量の水源が必要となりますので、設置箇所に水源が確保できるか事前の調査が必要となってきます。また、動力消防ポンプ設備には様々なタイプなものがあり、設置基準として毎分500リットル以上の放水能力をもつ動力消防ポンプ設備が必要となっています。動力消防ポンプは水源とホース格納場所が確保できれば設置できることから、配管等の敷設が必要となる消火栓設備に比べ、新たに設置することが比較的容易というメリットがあります。動力消防ポンプ設備の設置に関しても、事前に消防署への届出、着工届、設置届、検査等が必要となっています。


火災報知設備工事とは、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防通報用火災報知設備、住宅用火災警報設備等の火災報知設備の設置に関する工事のことをいいます。自動火災報知設備とは、火災により発生する熱、煙または炎を火災の初期段階でセンサー感知器が感知し、火災の発生エリアを受信機に表示するとともに非常ベルなど警報を鳴らし、建物内に非難を促す設備です。感知器と受信機から構成されており、工事は電気工事士の知識、技術が必須となってきます。ガス漏れ火災警報設備は、ガス漏れをいち早く検知して警報を発する設備で、配管の経年劣化等によってガス漏れが起きた際、可燃ガスを検知し、受信機に対象場所を表示させ、警報を発して建物内にいる人にガス漏れの発生をしらせる設備です。消防通報用火災報知設備は、火災が発生した場合、消防機関へ通報するための設備で、火災発生時、専用の通報装置を操作することにより電話回線を使って消防機関へ速やかに状況を通報することができる設備です。住宅用火災警報設備は、住宅における火災の発生を検知して警報器や音声で住宅内にいる人々に知らせることができる設備で、逃げ遅れによる犠牲者を未然に防止する目的で設置されています。消防法の改正により、静岡県では平成21年から全ての戸建て住宅、アパート、マンション等に設置が義務付けられるようになりました。住宅用火災報知設備の簡易的なものを除く、原則、火災報知設備工事は、発信器、受信機、これらに伴う電気配線等が必須であり、電気工事士と同等の電気工事に関する知識、技術が必要となってきます。ただし、電気工事士の資格だけでは火災報知設備の工事はできないため、電気工事士が火災報知設備の工事をする場合は、事前に必ず消防設備士の資格を取得しておく必要があります。


漏電火災警報器設置工事とは、建物内の電気器具、配線等からの漏電を検知して警報を発報する漏電火災警報器の設置に関する工事のことをいいます。漏電火災警報器は木造建築によく見られるラスモルタル作りの建築物に設置義務があり、電気の漏洩による加熱出火を未然に防止する役割があります。ラスモルタル作りとは、モルタルの剥落を防ぐため、モルタル壁の下地に使われるラス金網を使ったモルタル壁の工法のことで、下地に金属製の鉄網が使用されていることから、屋内電気配線のケーブルの被覆が破れたりして電流が漏れた際、このラス網が発熱し、火災が発生することがあります。漏電火災警報器は変圧器と受信機、音響装置で構成されており、電柱からの電気を変圧器で住宅用電圧に変換し受信機に電気を供給し、漏電を感知した際、音響装置がブザーやサイレンで警報を発する仕組みとなっています。漏電火災警報器は、他の警報器同様設置に際しては、事前に消防へ、設置、着工、完了の届出、また、6箇月、1年ごとの点検結果の報告等が義務付けられております。特に、電気工事の知識が必要な漏電火災警報器設置工事に関しては、消防設備士の資格のみならず、電気工事士の資格が必要となるなど、より高い電気工事に関する知識、技術が必要で危険性が高い工事となっています。


非常警報設備工事とは、非常ベル、自動式サイレン、放送設備(操作パネル)等の非常警報設備の設置に関する工事のことをいいます。非常警報設備は、自動火災報知設備と連動して作動し、または、放送設備の操作パネルを操作することにより、建物内に設置されたスピーカーを通じて火災の発生、状況等を周囲に知らせる設備で、放送設備(操作パネル)と非常ベル、自動式サイレンで構成されています。収容人数が50人以上、または、地階、無窓階(窓があっても格子窓で出入りできなければ無窓階となります。)などの条件下では、設置が義務付けられています。非常警報設備工事の設置の流れとしては、まず、非常警報設備の種類を決め、図面にて取付位置、個数を算定します。次に所轄消防署へ設置工事の着工届を行います。工事は、電気の配線工事と設備の取付けがメインとなります。配線は既存の電気の配管を利用して配線し、ベルやサイレンは障害物がなく、多くの人が使えるよう出入り口付近に設置します。一方、放送設備は常時人がいて対応できる場所を選定して設置します。設置工事が完了したら、所轄消防署へ図面や、配置系統図を持参し非常警報設備の設置と届けを提出し、消防署の検査が終了したところで、全ての工事が完了となります。非常警報設備の設置工事も電気工事がメインとなることから、電気工事士の知識、技術が必要となってきます。


金属製避難はしご設置工事とは、火災避難器具のうち金属製避難はしごの設置に関する工事のことをいいます。火災用の避難はしごには金属製と非金属製があり、さらに金属製避難はしごには、固定はしご、組立て式はしご、立かけはしご、つり下げはしごなどの種類があります。このうち、建設業許可の対象となる工事は主に金属製の組立て式はしごの設置工事となります。組立て式はしごは、通常、建物のベランダのコンクリート製の床に金属製の四角形の避難ハッチがあり、ハッチを開け折りたたまれた金属製のはしごを階下に下ろして組み立てて使用します。避難時はこのハッチからはしごを下りて階下のフロアに移動して避難します。タイプとしては通常ハッチの形状が四角形のものが多いですが、中には丸型の金属製避難ハッチのタイプもあります。この他、つり下げはしごもつりさげ金具を建物に固定し取り付けるような工事であれば、建設業許可の対象の工事となってきます。それでは、よく目にする建物の外部に固定された避難はしごについては、どうでしょうか。実はこの金属製避難はしごのうち、外壁に固定された固定はしご(火災発生時屋上などから避難するためのはしご)、または、避難階段については、建設業許可上、消防施設工事ではなく、建築物の躯体の一部の工事として、建築一式工事または鋼構造物工事に区分けされることとなっていますので特に注意が必要です。参考ですが、この固定はしごは一度設置すると移動できないため、降下場所周辺には絶対に物を置かないことと定められています。


救助袋設置工事とは、ベランダ、バルコニー等から滑り降りて避難するための救助袋の設置に関する工事のことをいいます。救助袋とは、みなさんも防災訓練の時に一度は体験したことがある、2階、3階等から滑り台のように袋の中を滑って1階に避難するための消防施設の一つです。救助袋は、火災発生等の緊急時に、窓から降下させて内部を滑り降りることができ、素早く2階、3階等から1階に避難することが可能です。斜め下に降りる「斜降式救助袋」と垂直にらせん状に降りる「垂直式救助袋」の2つのタイプがあります。垂直式救助袋は斜降式救助袋に比べ、場所をとらず迅速に避難できるというメリットがあり、操作が簡単で直ぐにセットができます。一方、斜降式救助袋は、斜めに滑り降りることから連続して降下することが可能ですが、降下スペースを広く取る必要があり、また、降下開始までの準備に時間がかかる、地上側での固定が必要で最低でも2人以上で操作して使用する必要がある、というデメリットがあります。救助袋設置工事は、垂直式救助袋は主にベランダやバルコニーに、斜降式救助袋は屋上に設置、固定する工事となりますが、建物にしっかり固定しないと避難時の二次災害となる危険性があり、設置、固定作業には高い技術力が求められます。消防施設工事の専門業者は、消防設備士の資格に加え、施工アンカー技術者の資格をもった技術者が工事を行い、器具固定時の締め付けトルクを正確に計測した上でボルトを締め付け、設置完了後にも固定状況を数値で確認するなど、確実な設置、固定を行っています。


緩降機設置工事とは、火災等の避難時に自力で降下することができる緩降機の設置に関する工事のことをいいます。緩降機とは”かんこうき”と読みますが、使用する人が他人の力を借りずに自重により(自分の体重の力により)自動的に屋上等から階下に降下することができる避難器具で、滑車のように一人が着用具をつけて建物屋上から降下すると、もう片方に取り付けられた避難具が建物の屋上に上がっていき、2人目がその着用具をつけて同じように降下し、以後、3人、4人と階下に避難する仕組みとなっています。緩降機は1人用と多人数用がありますが、安全性の観点から日本では1人用のものが主流となっています。緩降機は、緩降機本体である調速器、調速器の連結部、ロープ、リール、着用具、等で構成されており、建物に設置された取付金具に緩降機をセットして使用します。従いまして、緩降機設置工事は、この緩降機をセットする取付金具を躯体に設置、固定する作業がメインの工事となります。また、緩降機取付金具は建物の屋上、ベランダ、ルーフバルコニー等高所に設置されていて非常に危険なため、転落防止策を設置するケースもあります。緩降機には、床置き式、壁掛け式、横倒し式等のいくつかの種類がありますが、いずれも床や壁にアンカーを打ち込んでしっかり固定します。横倒し式は、床置き式緩降機を横に倒して収納されたもので、使用する際は、床置き式同様垂直に立てて使用します。施工は通常金属アンカーを4本、床、壁等に打ち込む施工方法ですが、床や壁にタイルがある場合は、タイルの表面をカットし建物の躯体をアンカーボルト用の孔をハンマードリルで開けて固定します。また、アンカーの種類や埋め込む深さ、トルク等も定められていますので、施工基準に則って正確に固定します。緩降機をはじめ各種避難器具は避難者の体重を支えることができるよう、確実に設置、固定することが、二次被害を防ぐ意味で非常に重要なことですので、マニュアル、施工基準に則って正確、確実な工事が求められています。


避難橋設置工事とは、火災時に隣の建物に避難するために使う避難橋の設置に関する工事のことをいいます。避難橋は、屋上または途中階から隣の建物の屋上、途中階へ避難するために相互を連結する橋状の避難具で、両端をアンカー、溶接止めして常時使用することができる固定式避難橋と使用するときに設置する移動式避難橋があります。火災発生時は、この避難橋を渡り隣の建物に移動し、そこから階段を使って階下、地上へ避難するルートとなります。また、避難橋は、橋げた、床板、手すりなどで構成されており、仕様としては、幅は60センチ以上、手すりの高さは110センチ以上、床板には滑り止めを施し、不燃材を用いる、主要な部分は耐久性の高い材料を用いて、必要に応じて防サビ処理を行う、など細かく定められています。特に固定式避難橋の取付工事の際は、両端をアンカーによるボルト止めや溶接などにより強固に固定し、容易に外れることのないよう確実に設置することが重要です。避難橋は金属製避難はしごや緩降機のように上下垂直の避難とは異なり、横方向への避難を実現する避難器具であり、避難先となる隣の建物の許可や、必ずしも隣接する建物と避難橋をかける屋上、フロアーが同じ高さでないことから、設置できる箇所が限定的となっています。


排煙設備設置工事とは、火災発生時に発生する煙を排出する排煙設備の設置に関する工事のことをいいます。消火栓、スプリンクラーなどの火災の際に消火させる消火設備の設置は当然必要ですが、その火災で発生した煙を迅速に屋外に排出したり、避難通路への煙の侵入を防止する排煙設備も重要な消防設備の一つです。排煙設備には「自然排煙設備」と「機械排煙設備」の2種類があり、自然排煙設備は煙が上部に昇っていく性質を利用し、排出用の窓を天井付近に設置し必要なときに窓を解放することにより、煙を外部に排出する仕組みで、排煙力は機械排煙設備に比べ劣りますが、動力を必要としないことから停電時でも使用できるというメリットがあります。一方、機械排煙設備は、機械を使って強制的に煙をダクトから屋外へ排出する仕組みで、火災時の避難設備という性質を考慮し、停電時も使用できるよう非常用電源を備えています。機械排煙設備は、自然排煙設備と比べ、煙の流れや排煙風量を大規模にコントロールすることができるため、ビルや大型施設などで多く設置されています。また、排煙口には手動解放装置を設けることが義務付けられていて、これを操作することで排煙口を開け、または、機械排煙設備の排煙機を稼働させます。手動開放装置は手動式と電気式があり、手動式解放装置という名称ですが、電気で動くものも電気式も含まれています。手動式は排煙オペレーターと排煙口にワイヤーが接続されており、オペレーターをハンドルやレバーで操作することで開閉することができます。一方、電気式は壁に取り付けられたボタンを強く押すことによってスイッチが入り、制御盤から排煙口を開く信号と、排煙機のファンを回す信号が発信され、稼働する仕組みとなっています。電気式の場合は、スイッチ、制御盤、排煙口、排煙機を電気配線で接続する電気工事が必須となりますので、この排煙設備設置工事においても電気工事士の知識、資格が必要となってきます。


次に建設業許可の許可業種における区分けについてみていきます。

消防施設工事と他の建設業許可の業種の区分けについては、前述したとおり、金属製避難はしごについては、消防施設工事と建築一式工事または鋼構造物工事と判断が分かれるところですが、国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、ビルの外壁に固定された避難階段、屋上から外壁に固定された金属製避難はしごについては、建築物と一体となっている、もしくは、形鋼、鋼板等鋼材の加工、組立て、取付に当たると考えられ、建築一式工事、鋼構造物工事として区分けされています。消防施設工事における金属製避難はしごについては、屋上、ベランダ、ルーフバルコニー等において、床をくりぬいて金属製ハッチでフタをして格納、設置された、折りたたみ式のはしごのことを指していますので、専任技術者の実務経験の証明等において、この区分けをしっかりと理解しておく必要があります。
このほか、非常警報設備工事をはじめ消防施設工事は、制御盤、計器類と言った機械器具設置工事に類似する工事がありますが、消防設備としての工事であれば、工事内容が機械器具設置工事と類似していたとしても、その工事は消防設備工事に該当します。一方、その工事の目的が消防設備でなく、他の業種に該当しない工事のみ、機械器具設置工事に該当することに特に注意が必要です。機械器具設置工事については、建設業29業種の中でも最も業種に関する考え方難しいことから、この点については、機械器具設置工事のコラムで詳細に解説しておりますので、一度、そちらをご覧ください。
また、消防施設工事のほとんどは、火災、煙感知器、作動スイッチ等電気配線を抜きには考えられない工事ばかりであり、工事内容によっては電気工事と言っても過言ではない工事が多々あります。前述したとおり、消防施設工事は、原則、消防設備士の資格がないと施工できませんが、それと同時に、電気工事士の資格がないとできない工事、また、資格が必要でなくとも有資格者同様の知識、技術が必要な工事ばかりですので、できれば電気工事士の資格も取得していることが望ましいと言えます。
この他、消火活動に必要不可欠な水の供給として施工される配水管工事については、管工事と同内容の工事であり、排煙設備設置工事についても、管工事における空気調和設備工事、ダクト工事と同じ工事であることから、業種を混同してしまうおそれがありますが、消防施設工事として行われる工事は、原則、全て消防施設工事として区分けされますので、工事の目的が何か、また、消防の届出が必要な工事か、を考え業種を判断することが大切です。

ここに説明した許可業種間における区分の考え方については、対象工事が記載した工事の事例にそのまま当てはまらない場合や工事の範囲が複合的な場合もあることから、どちらの業種に区分けされるのか判断に迷った場合は、事前に静岡県の建設業課に確認するようにしましょう。

消防施設工事は「火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事」と定義されているとおり、原則、消防設備・施設に関する工事となります。許可行政庁である、静岡県の建設業課担当者に確認をしましたが、消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な契約書、注文書、請求書には、具体的な工事名称である「屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧消火設備工事、泡消火設備工事、不燃性ガス消火設備工事、蒸発性液体消火設備工事、粉末消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご設置工事、救助袋設置工事、緩降機設置工事、避難橋設置工事、排煙設備設置工事」という名称が記載されているか、または、少なくとも、消防設備・施設に関する工事であることが明確に分かる記載が必ず必要との回答を得ております。従いまして、今後、許可の取得を考えている方は、請求書等の書類作成時には特にこの点を意識して作成することが重要なポイントです。

3 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な7つの条件

ここでは、消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な7つの条件について、具体的に解説していきます。条件は7つありますが、それぞれ難易度が異なりますので、ここでは参考として難易度を★の数で表しました。やはり一番難しいのが、「人」の条件、経営業務の管理責任者、専任技術者となれる人がいるか、という2つがポイントです。この2つのポイントをクリアできれば、許可取得の可能性は80パーセント以上と考えてよいでしょう。

①経営業務の管理責任者がいること
②専任技術者がいること
③財産的基礎条件
④適正な社会保険への加入
⑤欠格要件に該当する者がいないこと
⑥誠実性があること
⑦実態として適切な営業所があること

建設業許可の条件①経営業務の管理責任者がいること(難易度★★★)

まず最初に7つの条件の中で最もハードルが高いと言われている「経営業務の管理責任者」です。建設業許可を取得するには、「建設業の経営を適正に行える経営者」の存在が求められています。通称「けーかん」と呼ばれることが多い、この経営業務の管理責任者ですが、法人の場合は役員(取締役)の経験が、個人事業主であれば事業主の経験が、トータルで5年以上必要です。個人事業から法人化した場合、個人事業主と取締役経験を合計して5年以上あればOKです。

建設業許可の条件② 専任技術者がいること(難易度★★★)

①の次に難易度の高い条件がこの「専任技術者」です。この条件は、各営業所に次の条件を満たしている従業員が1人以上(取締役、事業主でもOKです。)いるか、という条件となっています。※アとイ、両方ではなくいずれかでOK

ア 取りたい業種に関係する国家資格をもっている。
イ 取りたい業種の実務経験が10年以上ある。

建設業法では、これらの条件を満たしている「専任技術者」(通称:せんぎ)を置くことで、建設業許可を取得した会社の一定レベルの技術、スキルを担保しています。一つ注意しなければいけない点に、この条件は「各営業所ごとに1人以上」ですので、もし会社として営業所が3つあれば、専任技術者も3人以上必要となってきます。
なお、上記イの「実務経験10年以上」の条件には緩和措置の制度があります。関係する短大、大学の学科を卒業していれば、実務経験は3年以上でOK、関係する高校の学科を卒業していれば、実務経験は5年以上でOKと期間が短縮されます。
ここでいう「関係する学科」については業種ごと国土交通省が詳細に定めているので、緩和制度を使用して専任技術者の条件を満たそうとする場合は、事前に静岡県の建設業課が発行している「建設業許可の手びき」で確認するか、静岡県内の建設業許可専門の行政書士に相談するようにしましょう。

また、イの「実務経験10年以上の条件をクリアしているので許可が取れそうだ」と考える方は結構いらっしゃいますが、実際この実務経験10年以上を書類で証明することが本当に難しいんです。この実務経験10年以上という条件をクリアされている方は一定数いらっしゃいますが、そのうち半分以上は書類が準備できなくてあきらめる、というケースが多々あります。取りたい業種であることが明確に分かる請求書等を過去10年分、しっかりと保管している、そういう方はそうそう多くないと思います。

後ほど詳しく解説しますが、「取りたい業種であることが明確に分かる請求書等」とは、例えば消防施設工事業を取得するなら、請求書等の明細に「屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧消火設備工事、泡消火設備工事、不燃性ガス消火設備工事、蒸発性液体消火設備工事、粉末消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご設置工事、救助袋設置工事、緩降機設置工事、避難橋設置工事、排煙設備設置工事」という名称が記載されているか、または、少なくとも、消防設備・施設に関する工事であることが明確に分かる工事名、内容が記載されている必要があります。こういった厳しい書類の条件をクリアできないとこの実務経験10年以上という条件で許可を取得することができないので、お持ちの書類で証明できるか否か確認したい場合は、事前に静岡県の建設業課、または、静岡県内の建設業許可専門の行政書士に確認をお願いするようにしましょう。

建設業許可の条件③ 財産的基礎条件(難易度★★)

建設業の許可を受ける3つめの条件として、ある一定以上の資金力、財力があることが求められています。これは、許可した会社が直ぐに倒産するようでは注文者が安心して仕事を任せることができないといった注文者保護の観点から求められたものです。建設工事は、資材や機械器具の購入、労働者の雇用など、様々な要素において一定の資金が必要であり、また、工期も長期化することもあるので、財産的基礎条件が建設業許可の条件の一つとなっています。※アとイ、両方ではなくいずれかでOK
具体的な条件としては、

ア 資本金が500万円以上あること
イ 500万円以上の資金調達能力があること

もう少し具体的に説明しますと、アについては、申請しようとするタイミングの直近の決算における決算書の貸借対照表の純資産額が500万以上、イについては申請日から1か月以内の日付で500万円以上の銀行口座の残高証明書が取得できればOKです。なお、イの残高証明書はその日1日の残高証明書ですので、極端なはなし1日だけ借りてきてその日の残高証明書を申し込めば、その後、再び口座から引き出して残高が500万円未満となってしまっても何ら問題ありません。

建設業許可の条件④ 適正な社会保険への加入(難易度★★)

建設業の許可を受ける4つめの条件に、「社会保険へ適正に加入していること」という条件があります。これは主に法人に関係してきますが、法人の場合、現在、一人社長であっても社会保険(健康保険、厚生年金等)への加入は必須となっていますので、建設業者についても、しっかりと社会保険に入っているか、ということがチェックされます。当然、経費の負担となるからと言って社会保険に加入していない法人には許可はおりません。
法人でなく、個人事業主の場合、従業員数が5人未満の場合、加入義務はありませんが、5人以上の従業員のいる場合、社会保険(健康保険、厚生年金)への加入の義務があります。
なお、ここで言う、「建設業許可における社会保険」は、健康保険、厚生年金保険のほか、雇用保険も対象となっております。法人はもちろん、個人事業主であっても従業員を1人以上雇用している場合は、雇用保険への加入義務が発生しますので、静岡県で許可を受けようとする際は、加入状況を書類で証明することが必要です。ただし、労災保険については当然加入義務は発生してきますが、静岡県で建設業許可の申請をする場合、これを証明することまでは今のところ求められておりません。

建設業許可の条件⑤ 欠格要件に該当する者がいないこと(難易度★)

建設業の許可を受ける5つめの条件として、申請の日を基準として過去5年以内に「欠格要件に該当する者がいない」という条件です。欠格要件は下記のとおり建設業法第8条に細かく定められており、このいずれにも該当する者がいないことが許可の条件となります。つまり、一つでも該当する者がいる場合、許可は取得できません。逆を言えば、5年を経過していれば、万一欠格要件に該当していたとしても許可取得上問題はありません。
なお、この欠格要件の対象者は、法人の場合は役員(取締役)、個人事業主の場合は、事業主本人、支配人など、経営に直接かかる地位にいる者が対象者となっております。欠格要件に該当しているにもかかわらず、該当していないと虚偽申請をしてしまうと、申請から5年間は許可を取ることができなくなってしまうので、申請する際は下記の欠格要件に該当していないか、確実にチェックするようにしましょう。特に静岡県で申請する場合は、この欠陥要件に該当していないか、事前に十分チェックをしましょう。万一、3,4年前に対象となっていて今は対象でないからといってうっかり欠格要件に該当しないとして申請してしまった場合、虚偽申告として扱われてしまいます。これは、静岡県の建設業許可の手引きにもしっかり明記されており、たとえ、”うっかり”だったとしても、虚偽申告として扱われ、そこから5年間は欠格要件に該当するとして、一切、許可の申請ができなくなってしまうので十分確認してから申請するようにしてください。

【欠格要件】
1 許可申請書またはその添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があるとき。または、重要な事項についての記載が欠けているとき。
2 法人の役員、個人事業主本人、支配人等が次のいずれかの要件に該当するとき。
①成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ない者
②不正の手段により許可を受けたことなどによりその許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
③許可を取り消されるのを避けるため廃業の届け出をした者で、その届け出の日から5年を経過しない者
④建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、または危害を及ぼすおそれが大であるとき
⑤請負契約に関し不誠実な行為をしたことにより営業の停止を命ぜられ、その停止期間を経過しない者
⑥禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けなくなった日から5年を経過しない者
⑦一定の法令(建築業法、建築基準法、刑法等)に違反したことにより、罰金刑に処せられ、その刑の執行を受けなくなった日から5年を経過しない者
3 役貝等(取綠役のほか、顧問、相談役等も含む)に暴力団や過去5年以内に暴力団であった者が含まれている法人、暴力団員等である個人及び暴力団員等にその事業活動を支配されている者

建設業許可の条件⑥ 誠実性があること(難易度★)

建設業の許可を受ける6つめの条件として、「誠実性があること」という条件があります。この条件は、ある意味確認的な条件となります。要するに、建設業を経営するに当たり、請負契約、工事の施工等において、不正、不誠実な取引、対応をしない、ということです。許可条件⑤の欠格要件に該当していない、健全に建設業を営んでいる方にとってはごく当然のことで、6つ目の条件は確認的な条件と考えてください。
具体的な内容としては、次のとおりです。
直近5年間において、建設関連の法律、規則等に違反し、許可や免許の取り消しがないこと。

建設業許可の条件⑦ 実態として適切な営業所があること(難易度★★)

建設業の許可を受ける7つめの条件として、「実態として営業所があること」という条件があります。建設業法では明確にこの条件の記載はありませんが、第29条に国土交通大臣、都道府県知事は営業所の所在地を確認できない場合は、公告後30日後に許可を取り消すことができる、と規定されており、また、第31条には特に必要がある場合は、営業所への立ち入り検査ができる、と規定されています。
営業所が会社、個人の所有物件であれば問題ありませんが、よくある事例は、賃貸借物件の場合、所有者(大家さん)の使用承諾書が必要となってきます。静岡県では賃貸借物件の場合、この承諾書の添付は義務付けておりませんが、他県では賃貸借物件の場合、承諾書の添付を義務付けているところもあります。では、静岡県だったら承諾書がなくても申請していいか、ということをよく聞かれますが、当事務所では承諾書がもらえない場合、許可の申請は承っておりません。これは、当然、建設業法における許可の条件に満たしていないことはもちろん、虚偽申告することにより、万一、確認が入り発覚した場合、許可の取消しなどにより向こう5年間は許可が取得できないといった可能性があり、大きなデメリットがあることをよく考えて頂きたいところです。実際のところ、承諾書を提供してくれる所有者(大家さん)は多くはないと思います。これは、営業用として賃貸借物件を提供するとなると、税法上税率がアップすることが影響していると考えられるからです。通常のアパート、マンションはあくまで居住用として契約しているのが一般的で、契約書を確認していただければ分かると思いますが、使用目的欄には居住用としての記載となっており、営業用の記載が通常ないと思いますので、賃貸借物件を営業所として使用されている場合は、この点をよく確認してから申請するようにしましょう。
なお、法人としてアパート、マンションを登記しているケースもありますが、登記する際はこの使用目的の確認が入らないため、登記しているからといって大丈夫と思わず、必ず賃貸借物件の契約書の使用目的を確認するようにしてください。万一、承諾書が入手できない場合は、営業用の賃貸借物件に借り換えるか、所有権を得られる実家等に移転することを検討せざるを得ません。
その他、営業所を持たず資材置き場と車で建設業の営業されている一人親方さんなんかもいらっしゃいますが、このケースも許可はとれません。営業所とは、工事の見積、積算、設計、工程管理、安全管理、材質管理等適切に建設業を経営するための事務所スペースを確保する必要があるからです。そのため、申請に必要な営業所を撮影した写真としては、事務所入り口の看板、事務所内の机、イス、パソコン、電話、FAX、コピー機、書庫等も撮影の対象となっています。
経営業務管理責任者、専任技術者がいて、財産的基礎条件、社会保険の条件等クリアしていて許可が取れそうだ、と思っても、実際、適切な営業所でないといった理由で許可が取れない、といったケースも多々ありますので、ご自身の営業所が実態として適切な営業所かどうかしっかり確認しておくことがとても重要です。

4 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な資格

消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な資格、つまり、消防施設工事業の専任技術者になれる資格は次のとおりです。これらの資格をお持ちの方であれば、建設業許可取得に必要な条件の一つである、「専任技術者」になることができます。
一部技能士の資格等については、必要な年数の実務経験が求められます。その場合は、必要な年数分の契約書、注文書、請求書等を提出して実務経験を証明することになります。

【資格一覧】
・1級建築施工管理技士(解体工事を申請する場合は、平成28年度以降の合格者若しくは平成27年度までの資格合格者で実務経験1年又は登録解体工事講習受講者) ※実務経験3年が必要
・1級建築施工管理技士補 ※実務経験3年が必要
・2級建築施工管理技士(建築)(解体工事を申請する場合は、平成28年度以降の合格者若しくは平成27年度までの資格合格者で実務経験1年又は登録解体工事講習受講者) ※実務経験5年が必要
・2級建築施工管理技士(躯体)(解体工事を申請する場合は、平成28年度以降の合格者若しくは平成27年度までの資格合格者で実務経験1年又は登録解体工事講習受講者) ※実務経験5年が必要
・2級建築施工管理技士(仕上げ) ※実務経験5年が必要
・2級建築施工管理技士補 ※実務経験5年が必要
・1級電気工事施工管理技士 ※実務経験3年が必要
・1級電気工事施工管理技士補 ※実務経験3年が必要
・2級電気工事施工管理技士 ※実務経験5年が必要
・2級電気工事施工管理技士補 ※実務経験5年が必要
・1級管工事施工管理技士 ※実務経験3年が必要
・1級管工事施工管理技士補 ※実務経験3年が必要
・2級管工事施工管理技士 ※実務経験5年が必要
・2級管工事施工管理技士補 ※実務経験5年が必要

・消防法…甲種消防設備士
・消防法…乙種消防設備士

・登録技能者…登録消火設備基幹技能者

5 消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な書類

~実務経験の証明に必要な、契約書、注文書、請求書等について~
建設業許可の申請書は、様式で定められた書類、それに付随する添付書類、官公庁が発行する住民票などの公的書類、自社で作成した契約書、請求書等膨大な書類が必要ですが、それぞれ、申請する方の状況、法人か個人事業主か、資格を持っているか、持っていないか、従業員を雇用しているか、一人親方か、等によって変わってきます。また、複雑な多くの必要書類に必要事項を適切に記入し、かつ、順番どおり、必要枚数ごと並べて提出する必要があります。これらの書類については、静岡県の手びきに詳細に記載されておりますので、ここでは割愛させて頂きますが、今回は手びきに記載されていない、実体験に基づいた、非常に貴重なお話をさせて頂きます。それは、経営業務の管理責任者の請負実績、専任技術者の実務経験の証明に必要な、契約書、注文書、請求書等(以下、請求書等と略します)についてです。
なお、請求書に限っては、請求額の入金箇所がわかる通帳のコピーが必ずセットで必要です。これは、請求書は申請者自身で作成できるため、第三者機関である銀行が証明する書類である通帳のコピーが必要という理由からです。このため申請者自身で作成できない契約書や注文書については、通帳のコピーのような第三者の証明書類の添付は必要ありません。

それでは本題に入ります。まずはじめに、「経営業務の管理責任者の請負実績」の証明と「専任技術者の実務経験」の証明では、同じ請求書等で証明するのですが、「その求められる内容に相当の違いがある」ということを理解してください。つまり、同じ請求書等でも経営業務の管理責任者の請負実績では認められるのに、専任技術者の実務経験の証明では認められない、使えない、ということです。経営業務の管理責任者の請負実績を証明する請求書等の場合、その内容を見てざっくり「これは建設業の請求書だな」と分かればOKですが、専任技術者の実務経験の証明の場合、消防施設工事業であれば「これは間違いなく消防施設工事の請求書等だ」と誰が見てもわかるような記載が求められます。この「誰が見てもわかるような記載」が官公庁独特の風習と言いますか、その基準が明確に示されておりません。要するに同じ請求書等でも担当者によってOKだったり、そうでなかったり、また、他県ではOKだったり、NGだったりすることがある、ということです。ですので、どの担当者でもOKをもらえる請求書等とはどのような内容の請求書等かといいますと、消防施設工事業の場合、請求書の明細や項目に「屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧消火設備工事、泡消火設備工事、不燃性ガス消火設備工事、蒸発性液体消火設備工事、粉末消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご設置工事、救助袋設置工事、緩降機設置工事、避難橋設置工事、排煙設備設置工事」のいずれかの工事名称が記載されていれば、まず、問題ありません。問題は請求書にこれら建設工事の例示として示された工事名称の記載がないときです。消防施設工事業の場合は、「火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事」と定義されておりますので、請求書等には、少なくとも、原則、消防設備・施設に関する工事の内容が記載されている必要があります(例えば、火災警報センサー設置工事、連結散水設備工事、不活性ガス消火設備、火災警報器設置工事、消防用排煙ダクト設置工事などの記載があれば問題ありません)。仮に屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧消火設備工事、泡消火設備工事、不燃性ガス消火設備工事、蒸発性液体消火設備工事、粉末消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご設置工事、救助袋設置工事、緩降機設置工事、避難橋設置工事、排煙設備設置工事等の工事名や消防設備・施設に関する工事と読み取れる内容の記載がない場合は、材料明細書、見積書、工程表、工事現場の写真(消防設備・施設に関する工事を行っていることが写真からわかるもの)、または、所轄消防署への工事申請、工事計画、点検結果書などによって請求書等を補完、補強するかたちであれば認められることがありますので、条件に合った請求書等がないからダメだ、と思わず、関連する書類は全て探し出して集める、という強い気持ちで最後まであきらめないようにしてください。こうして集めた書類で証明できるかできないかご不安な場合は、本番の許可申請でいきなり提出するのではなく、事前に静岡県の審査機関である建設業課の担当者や静岡県の建設業専門の行政書士に確認してもらうようにするとよいでしょう。

まとめ~消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するなら行政書士に依頼しよう~

ここまで、消防施設工事業で静岡県の建設業許可を取得するために必要な条件や資格、業種内容について説明してきました。建設業の許可を取得するには、多くの定められた条件を全てクリアーし、それらを定められた様式に記載して審査機関である静岡県の建設業課から求められている証明書類を全て揃えて申請する必要があり、初めて許可を取得する人にとっては相当ハードルが高い申請であると言えます。本来の建設業というお仕事でご多忙の中、これら許可申請の事務作業に時間を割いていては本来の業務に支障が出てくることも考えられます。そこで、代行費用はかかりますが、建設業許可を専門にしている行政書士に申請を依頼した方が、スムーズかつ確実に許可を取得できる可能性が非常に高いので、依頼する方法が現実的で一番オススメです。メリットは、

○申請を全て代行するので本来の業務に専念できる
○許可取得に要する日数が短縮できる
○建設業法、許認可に関する相談が気軽にできる

といった大きなメリットがあります。建設業許可がないと現場に入れない、500万円以上の大きい仕事を請け負う可能性があり許可が直ぐに必要になった、という場合は、迷わず建設業許可専門の行政書士にご相談ください。

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