リースは許認可や資格は必要ありませんが、オペレーター付き重機や建機のリースの場合は建設業法の適用となります。オペレーターを付けて工事をする場合、建設の請負工事に該当します。
リースの建設業許可
リース業やレンタル業には、基本的には許認可や資格は必要ありません。許認可は必要ありませんが例外もあります。
オペレーター付きの重機・建機のリースの場合は、建設業法の適用を受けます。
重機だけを貸すのであれば、建設業許可は不要ですが、オペレーターを付けて工事に必要な作業をする場合には、建設の請負工事に該当しますので建設業許可が必要になります。
請負額が500万円を超えるようなら建設業許可が必要になります。
建設機械のリース契約でも、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられていますので建設工事の請負契約に該当します。
同じく、設置工事を伴う機器のリースも建設業許可が必要になります。エアコンなど設置工事を伴うものは建設業法の適用を受けます。
業務用の大型エアコンのリース業者が設置工事を行う場合は、エアコンは本体の設置以外に電気配線、冷媒ガス配管の工事、天井などに設置が必要になります。
業務用エアコンの場合は本体価格、工事価格が大きくなるために請負額が500万円を超える場合は、建設業許可が必要になります。
同じく建設機械のリース契約についても、オペレーターがする行為は、建設工事の完成を目的とした行為と考えられるために建設工事の請負契約に該当します。
なお、建設機械のオペ付きリース契約は労働者派遣法で禁止されている建設業務への労働者派遣に該当する可能性があるため、建設業法に基づく請負契約を締結する必要があります。
建設業法上の建設工事
建設業法では「建設工事の完成を請け負う営業」を建設業と定義しています。(建設業法第2条2項)
建設工事とは、土木建築に関する工事となっています。建設業法上の建設工事とは、建築物や土木工作物を作る、解体する、加工したり取り付ける作業を通してそれらに機能を付加するなどの要素を含んだものが工事とされています。
- 具体的には次の工事が含まれています。
- 土木工事: 道路、橋梁、トンネル、港湾、河川、ダムなどの工事
- 建築工事: 建物の建築、解体、修理などの工事
- その他の工事: 管工事、電気工事、塗装工事、さく井工事、はつり工事、解体工事など
なお、軽微な建設工事のみを請け負う場合は、建設業法の許可は必要ありません。
- 軽微な建設工事とは次のものになります。
- 建築面積が10平方メートル以下の建物の建築工事
- 延べ面積が50平方メートル以下の店舗、事務所、作業場などの建築工事
- その他、国土交通大臣が定める軽微な建設工事
- 建設業のようであっても次のの事例は建設工事に該当しません。
- 建設業場への労働者の派遣
- 樹木の伐採・剪定・草刈り作業
- 道路清掃
- 設備や機器の運転管理や保守点検業務
- 測量や調査(土壌試験、ボーリング調査などの土壌分析、家屋調査等)
- 建設機械や土砂などの運搬作業
- 船舶や航空機など土地に定着しない工作物の建造
- 建設資材納入
- 工事現場の養成
- 重機やトラックなどのリース
建設機械のリース契約であっても、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられて、建設工事の請負契約に該当します。
建設機械のオペレーター付リース契約と建設業法の適用
建設機械のオペレーター付リース契約は、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為となりますので、建設工事請負契約に該当します。
建設工事の目的物として作られた設備に機能の維持を目的に作業が行われる場合であっても、設備の機能を向上させたり、劣化した設備の機能を回復や修繕するものであれば、作業の内容がたとえ軽微であっても、一般的には建設工事に該当することになります。
ただし、設備の動作状態や劣化の程度を調査したり、消耗品などの交換や清掃であれば、建設工事には該当しません。
建設業以外の業種が建設業許可申請する場合
仮設資機材のリース会社などが一式として、建設工事の請負をする場合で建設業でない業種の者が、建設業を営む場合の建設業許可申請としては、次の2つがあります。
自社の業務が、建設業28業種のいずれかに分類される「建設工事」に該当するかどうか確認します。
建築物、または土木建築工作物の完成を目的とするものであるかどうかも確認する必要があります。
- 建設工事に該当しないもの
- 樹木の剪定、除草
- 測量、設計、地質調査
- 設備・施設の保守点検管理業務(修繕はしない)
- 清掃
- 工事現場の警備、警戒
- 自社施工
- 建設資材(生コン、ブロックなど)の納入
- 仮設材のリース(据付などなし)
- 資機材の運搬・運送業者(据付などなし)
- クレーン等の建設機械リース(オペレーター付リースは工事に該当)
- 船舶・車両などの修理
静岡市の建設工事におけるリース契約の取扱い
静岡市では、建設業法第24条の建設工事の請負契約に基づき「委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」と規定されていることを踏まえて次のように通達を平成28年6月に出しています。
名称がリース契約であっても、建設工事の請負契約に該当する場合があります。
リース契約の取扱い
(ア)オペレーターを含まないリース契約
請負契約に該当しません。
(イ)オペレーターを含むリース契約
請負契約に該当します。
(ウ)オペレーターを含まないリース契約とは別に、同じ会社とオペレーターの労務費等の契約を締結するなど、2以上の契約に分割しているもの各契約の合計(リース契約+オペレーターの労務費等の契約)が請負契約に該当します。