建設業許可取得を迷っている一人親方や個人事業主は必見!これで判断できます

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建設業許可を取得するには手間と時間と費用がかかりますが、メリットもあります。個人事業主で取得を検討されている方は、この記事で取得すべきか否かの判断の参考にしてください。

建設業許可は個人(一人親方)でも取得できます

一人親方や個人事業主でも、一定の要件を満たすことで建設業許可を取得することはできます。

建設業許可は、条件を満たせれば法人や個人を問わずに取得でます。

請負金額が500万円を超える建設工事を請け負うためには、一人親方であっても建設業許可が必要になります。500万円という金額には材料費なども含みます。

国土交通省の「建設業許可業者数調査の結果について」建設業許可業者の現況(令和6年3月末現在)によると、2024年現在の建設業許可取得者数のうち、約14.1%は個人事業主として建設業許可を取得していることになっています。

個人事業主のままで建設業許可を取得するメリット

500万円以上の工事が受注できる

建設業許可を取得すれば許可が必要ない「軽微な建設工事」の範囲を超えた建設工事の請負ができます

建築一式工事であれば、請負金額が1,500万円以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅工事、建築一式工事以外であれば請負金額500万円以上の建設工事を受注できるようになります。

信用度が増す

個人事業主で建設業許可を取れば比較的少数派なので差別化になり、取引先からの信用力が高まります。信用度が増して、受注率のアップになります。

建設業許可の取得には一定年数以上の経営経験と技術者(資格所有もしくは実務経験)の要件を満たさなければならないからです。

法人と比較して手続きが簡単

法人と比べると申請に必要な書類が少なくて手続が簡単で、比較的短時間での取得が可能になります。

法人化してから建設業許可を取得すると、役員の一覧表・株主(出資者)調書・定款(写)を提出しなければなりません

資金調達能力を証明できる

資金調達能力(金銭的信用)を証明できるので、融資を受けやすくなります

建設業法改正

2020年10月の建設業法改正までは、法人成りする場合、新たに許可を取得しなければなりませんでした。個人事業主が死亡した場合など、許可を引き継ぐことはできませんでしたが、2020年の建設業法改正によって、個人事業主から法人成りする場合でも建設業許可が承継ができようになりました

個人事業主の死亡後、30日以内に申請を行い認可を受けて、その相続人が建設業許可を承継することができます

個人事業主で建設業許可を取得するデメリット

人材不足

社会保険体制や就業規則などから法人を選ぶ人が多く法人に比べて優秀な人材(国家資格保有者や実務経験者など)がなかなか来ないというデメリットがある。

建設業許可の維持

建設業許可を取得すると年に一度の決算の報告と5年に一度の建設業許可更新申請を行わなければなりません

この更新申請を怠うと許可の取り消しとなってしまいます。

また、変更事項が発生した場合には都度変更届を提出する必要があります。

許可取得や更新に費用がかかる

1つの都道府県に事業所を設置する場合に必要な知事許可は9万円、2つ以上の都道府県に事業所を設置する場合に必要な大臣許可は15万円の費用を支払わなければなりませんし、証紙代などで数千円の費用がかかります。

5年に一度の許可更新には、5万円の手数料が発生します。

決算報告が必要

建設業許可を取得したら事業年度終了から4カ月以内に、建設業の決算報告の書類を提出しなければなりません

決算報告の書類には、決算内容や1期分の工事経歴などを規定の基準で記載する必要があります。

書類の名称は決算変更届、決算報告書、年次報告書など都道府県によって異なります。

決算変更報告の書類を提出しなかった場合、罰金など罰則の対象になり、建設業許可の更新ができなくなります。

建設業許可を受けるための要件

  • 建設業許可を受けるためには次の要件を満たす必要があります。
    • 経営業務の管理責任者が常勤でいること
    • 専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること
    • 請負契約に関して誠実性を有していること
    • 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること
    • 欠格要件に該当しないこと
    • 建設業を営む営業所を有していること

なお、経営業務の管理責任者と専任技術者は両方の要件を満たしている人がいる場合には、同一営業所内において、その人、たとえば個人事業主や一人親方が両方をひとりで兼任することもできます

経営業務の管理責任者等の設置

・一人親方の場合も建設業許可を取得するには次の条件に該当していることが求められます。

5年以上建設業の経営業務の管理責任者として経験積んでいるか、もしくは建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する

・適正な社会保険へ加入している

専任技術者の設置

適切な請負契約の締結や履行を確保するため建設業許可を取得するには工事についての専門知識が必要です。

一定の資格、または経験を有した者を専任技術者と呼び、一人親方が建設業許可を取得する場合は、次の条件のいずれかを満たして専任技術者として認められる必要があります。

・指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する
・国家資格者である
・複数業種に係る実務経験を有する

誠実性

請負契約の締結や履行に関して、不正または不誠実な行為をする恐れのない誠実性があることが求められます。

財産的基礎等

財産的基礎等を満たすには次のいずれかに該当している必要があります。

自己資本が500万円以上である
500万円以上の資金調達能力を有する
許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する

個人事業主や一人親方が建設業許可を取得する場合の注意点

専任技術者は営業所に常駐して現場には出ないことが原則です。

一人親方の方が専任技術者と経営業務の管理責任者を兼ねていても現場に出る必要はあると思います。

そういう場合には次の事項をすべて満たしていないと現場に出ることはできませんにで注意が必要です。

当該営業所で契約締結した建設工事

工事現場の職務に従事しながら、実質的に当該営業所の職務を適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること

当該営業所と常時連絡をとり得る体制にある

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