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【建設業許可の基礎】建設業許可の変更届と廃業届、経営業務の管理責任者変更・廃業の手続き

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静岡の行政書士法人アラインパートナーズです。日頃の建設業許可業務のご質問などに基づいて、建設業者様にぜひ知って頂きたい建設業許可の基礎知識をアラインパートナーズの日常業務経験のノウハウを加えてわかりやすく解説します。

建設業許可を取得した後も、会社の役員、経営業務の管理責任者、営業所技術者など、営業所、商号、資本金などに変更が生じた場合は、静岡県など許可行政庁へ変更届などを提出しなければなりません。

建設業を廃止した場合や、許可を受けている業種の一部を廃止した場合は、「廃業届」の提出が必要です。

経営業務の管理責任者や営業所技術者が退職した場合は、退職したので変更届を出せば終わりではありません。後任者が確保できず、建設業許可の要件を満たせなくなった場合には、許可を維持できなくなるので廃業届が必要となる場合もあります。

建設業許可取得後に必要となる変更届・廃業届について、建設業法の規定、国土交通省の資料、静岡県の手引きなどをもとに、できるだけわかりやすく解説します。

建設業許可を取得した後にも届出が必要

建設業許可は、一度取得すれば、その後は何も手続きが必要ないというものではありません。

許可取得後に、許可申請書や添付書類に記載した事項に変更が生じた場合には、変更内容に応じて変更届等を提出する必要があります。

国土交通省も、「許可取得後において許可の申請書及び添付書類の記載内容に変更が生じたときは、変更事由ごとに定められた期間内に、許可を受けた行政庁に変更届等を提出しなければなりません」としています。

  • 建設業許可を取得した後、次のケースでは手続きを行わなければなりません。
    • 役員変更
    • 代表者変更
    • 商号変更
    • 営業所移転
    • 資本金変更
    • 経営業務の管理責任者変更
    • 営業所技術者変更
    • 許可業種追加
    • 許可業種の一部を廃止
    • 建設業廃止

建設業許可の「変更届」

建設業許可の変更届とは、建設業許可を取得した会社・個人(一人親方)について、許可申請時に届け出た事項などに変更が生じた場合に提出する書類です。

代表的な変更事項には、次のようなものがあります。

変更事項原則的な届出期限
経営業務の管理責任者等の変更2週間以内
営業所技術者等の変更2週間以内
令第3条の使用人の変更2週間以内
商号・名称の変更30日以内
営業所の変更30日以内
資本金の変更30日以内
役員等の変更30日以内
代表者の変更30日以内
建設業の一部廃止30日以内
建設業の全部廃止30日以内
事業年度終了後の決算変更届原則4か月以内

国土交通省の手引きでも、常勤役員等、営業所技術者等などの変更は2週間以内、代表者・商号・営業所・資本金・役員等の変更や建設業の廃業は30日以内とされています。

「2週間以内」と「30日以内」

建設業許可の変更届で特に間違いやすいのが、変更内容によって提出期限が異なることです。

  • 建設業許可の変更届の2週間以内期限の書類は次のとおりです。
    • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の変更
    • 営業所技術者等の変更
    • 令第3条の使用人の変更
    • これらの者の氏名変更など

建設業法の令第3条の使用人(令3条使用人)とは、建設業者の支店や営業所(従たる営業所)において、請負契約の締結や入札参加などの権限を代表者から委任された、その営業所の事実上の代表者・責任者のことです。

  • 建設業許可の変更届の30日以内期限の書類は次のとおりです。
    • 商号・名称の変更
    • 代表者の変更
    • 営業所の変更
    • 資本金の変更
    • 役員等の変更
    • 建設業の一部廃業
    • 建設業の全部廃業など

経営業務の管理責任者の変更

国土交通省は、建設業の許可要件として、建設業に係る経営業務を適正に行うための能力を求めていますので、例えば現在の経営業務の管理責任者が退職した場合、役員を退任した場合、死亡した場合、他社へ移った場合、常勤性を失った場合などは、許可要件を満たしているかを確認しなければなりません。

経営業務の管理責任者の退職

代表取締役が経営業務の管理責任者の地位にあって、退職や退任することになった場合、削除する変更届を出せばいいとは限りません。後任として建設業法上の要件を満たす常勤役員等を確保できるかが重要になります。

後任者がいる場合

後任者が要件を満たしていれば、変更届を提出して許可を継続できる可能性があります。

  • 国土交通省の手引きでは、常勤役員等を変更した場合の提出書類として次の書類があります。
    • 変更届出書(様式第22号の2)
    • 常勤役員等証明書(様式第7号)
    • 常勤役員等の略歴書
    • 常勤性を確認する資料
    • 経営業務の経験を確認する資料

後任者がいない場合

後任者がいない場合には、建設業許可要件を満たさなくなる可能性があります。

建設業法第11条第5項は、許可に係る建設業者が一定の許可要件を満たさなくなった場合、2週間以内にその旨を届け出なければならないと定めています。

経営業務の管理責任者の退職で必ず廃業ではありませんが、後任者が確保できず、許可要件を満たせない場合は建設業許可を維持できなくなります。

経営業務の管理責任者の変更に必要な書類

  • 提出書類は許可行政庁によって確認資料などが異なる場合がありますが、次のような書類を使います。
    • 変更届出書(様式第22号の2)
    • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)
    • 常勤役員等の略歴書
    • 常勤性を確認できる資料
    • 経営業務の経験を確認できる資料

国土交通省の手引きでも、常勤役員等の変更についてこれらの書類が示されています。

実際に必要となる確認資料は、大臣許可か知事許可なのか、法人か個人か、新任者の経験内容、役員としての経験、個人事業主としての経験、既存の役員か、新たに役員になる者かなどによって変わります。

営業所技術者等を変更する場合

  • 営業所技術者等についても下記の場合には、変更届等が必要になる場合があります。
    • 退職
    • 新しく採用
    • 担当業種を変更
    • 所属営業所を変更
    • 資格を取得
    • 氏名の変更

国土交通省の手引きでは、営業所技術者等の変更・追加・削除について、変更届出書や営業所技術者等証明書、資格を証明する書類、実務経験証明書、雇用関係を確認する資料などが示されています。

営業所技術者等が退職した場合

後任者がいる場合は、後任者について資格・実務経験・常勤性などを確認したうえで変更届を提出します。

後任者がいない場合には、その業種について許可要件を満たせなくなる可能性があります。

国土交通省の手引きでも、営業所技術者等を削除した場合で後任者がいない場合には、変更届出書と「届出書(様式第22号の3)」を提出する扱いが示されています。

「変更届」と「廃業届」

変更届

建設業許可を維持しながら、許可に関する情報を変更するための届出です。

  • 建設業許可の変更届は次のケースで使います。
    • 代表者が交代した場合
    • 商号変更
    • 営業所移転
    • 経営業務の管理責任者の交代
    • 営業所技術者等の交代

廃業届

許可を受けている建設業を廃止する場合などに提出する届出です。建設業自体をやめる届けが廃業届になります。

建設業の廃業届の必要性

「廃業届」という名前だから、会社を解散するときに出す書類と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

会社自体は存続していても、建設業をやめて建設業許可を廃止するのであれば、建設業法上の廃業届が必要になる場合があります。

例えば、建設業許可を持っている会社が、今後は建設工事を行わず、別の事業だけを続けるという場合です。会社そのものを解散しなくても、建設業について廃業届を提出することになります。

建設業の「全部廃業」と「一部廃業」

建設業許可の廃業には、大きく分けて全部廃業と一部廃業があります。

全部廃業

許可を受けている建設業のすべてを廃止するケースです。

土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業の4業種について許可を持っている会社が、建設業そのものをやめる場合は、全部廃業となります。

一部廃業

許可を受けている複数の業種のうち、一部だけを廃止する場合です。

土木工事業、建築工事業、電気工事業の許可を持っている会社が、電気工事業だけを廃止して、土木工事業と建築工事業は続けるという場合は一部廃業となります。

国土交通省の手引きでは、一部廃業の場合、廃業届に加えて変更届出書を提出する扱いが示されています。

建設業法第11条と第12条

建設業法第12条では、許可に係る建設業者について一定の事由が発生した場合、30日以内に国土交通大臣または都道府県知事へ届け出ることを定めています。

  • 建設業法第12条の「廃業等の届出」では次のケースが該当します。
    • 個人事業主である建設業者が死亡した場合
    • 法人が合併により消滅した場合
    • 法人が破産手続開始の決定により解散した場合
    • その他の事由により法人が解散した場合
    • 建設業を廃止した場合

ただし、事業承継・相続に関する認可制度が利用される場合には扱いが異なることがあります。

建設業法第11条では許可を受けた後に、許可申請書等の記載事項に変更があった場合などについて、変更届等の提出を定めています。

許可要件を満たさなくなった場合は2週間以内という規定があります。

建設業法からの引用です。

(変更等の届出)
第十一条 許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

(廃業等の届出)
第十二条 許可に係る建設業者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、三十日以内に、国土交通大臣又は都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
一 許可に係る建設業者が死亡したとき(第十七条の三第一項に規定する相続人が同項の認可の申請をしなかつたときに限る。)は、その相続人
二 法人が合併により消滅したとき(当該消滅までに、合併後存続し、又は合併により設立される法人について第十七条の二第二項の認可がされなかつたときに限る。)は、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)であつた者
三 法人が破産手続開始の決定により解散したときは、その破産管財人
四 法人が合併又は破産手続開始の決定以外の事由により解散したときは、その清算人
五 許可を受けた建設業を廃止したとき(第十七条の二第一項又は第三項の認可を受けたときを除く。)は、当該許可に係る建設業者であつた個人又は当該許可に係る建設業者であつた法人の役員

変更届の提出先

建設業許可には、国土交通大臣許可と都道府県知事許可があります。

変更届等の提出先も、許可行政庁によって異なります。

国土交通大臣許可は本店所在地を管轄する地方整備局長など、都道府県知事許可は都道府県知事が基本となります。

静岡県知事許可の場合

静岡県では、建設業許可の申請・変更届について、県が「建設業許可の手引」を公開しています。

静岡県の建設業許可申請書類等では、変更届出書(様式第22号の2)、届出書(様式第22号の3)、廃業届(様式第22号の4)などの様式が公開されています。

また、2026年7月更新の静岡県の案内では、経営業務管理責任者変更や営業所技術者変更を含まない変更届について、郵送提出が可能とされています。

なお、静岡県の手引きによれば、書類の提出部数は、正本1通、副本2通となっています。届出では、直近の許可申請書副本、その後提出した変更等の届出書副本を必ず持参してください。

窓口では、許可の要件を満たしているか否かを書面及び口頭により審査されますので、届出者本人(届出者の役員及び従業員でも可)又は委任を受けた行政書士が届出書類等を持参してください。

届出書類等に記載誤りや不備があった場合には、書類の修正等を行っていただき、再来を求めることがありますので、御承知おきくださいとのことです。なお、下書きの届出書類を持参した場合は、審査の対象となりません。

届出書類の提出先

静岡県知事許可業者の届出書類の提出先は、主たる営業所の所在地を管轄する土木事務所総務課建設業班です。

国土交通大臣許可業者の届出書類の提出先は、主たる営業所の所在地を管轄する国土交通省地方整備局担当課になります。

国土交通大臣許可の場合

国土交通省中部地方整備局建設産業課

愛知県名古屋市中区三の丸2-5-1名古屋合同庁舎第2号館
電話:052-953-8572

静岡県知事許可の場合

・下田土木事務所
静岡県下田市中531-1
電話:0558-24-2104

・熱海土木事務所
静岡県熱海市水口町13-15
電話:0557-82-9161

・沼津土木事務所
静岡県沼津市高島本町1-3
電話:055-920-2203

・富士土木事務所
静岡県富士市本市場441-1
電話:0545-65-2458

・静岡土木事務所
静岡県静岡市駿河区有明町2-20
電話:054-286-9308

・島田土木事務所
静岡県島田市道悦5-7-1
電話:0547-37-5245

・袋井土木事務所
静岡県袋井市山名町2-1
電話:0538-42-3212

・浜松土木事務所
静岡県浜松市中区中央1-12-1
電話:053-458-7255

変更届の事例

代表取締役が交代した場合

代表取締役がAさんからBさんに交代した場合、原則として変更届が必要です。

代表者の変更は、常勤役員等の変更を伴うこともあります。その場合は代表者変更、常勤役員等変更という複数の変更事項を確認する必要があります。

役員が退任した場合

取締役が退任した場合も変更届が必要となることがあります。ただし、単なる役員変更なのか、その役員が経営業務の管理責任者等を兼ねていたのかによって重要性が大きく異なります。後者の場合には、許可要件を維持できるかを確認する必要があります。

経営業務の管理責任者が退職した場合

後任者が建設業法上の要件を満たしているなら、変更届によって対応できる可能性があります。後任者がいない場合には、建設業許可要件を欠く可能性があります。

経営業務の管理責任者が退職・退任したからといって、直ちに会社の建設業許可が消滅するわけではありません。

まず確認するのは、後任として許可要件を満たす人がいるかです。例えば、Aさんは現在の経営業務の管理責任者ですが退任してBさん、要件を満たす常勤役員等がいる場合は、適切な変更届を提出することで許可を維持できる可能性があります。

しかし、Aさんが退任して、Bさん・Cさんとも要件を満たさない場合で新たな後任者も確保できないとなれば、許可要件を満たせなくなる可能性があります。その場合には、単なる変更届だけで済ませることはできません。

営業所技術者等が退職した場合

資格を持っている社員が会社で一人しかいないという場合では、退職によって建設業許可の維持が困難になることがあります。退職予定日が決まった段階で、早めに後任者の資格・実務経験等を確認します。

営業所を移転した場合

主たる営業所や従たる営業所を移転した場合、変更届が必要となります。

ただし、単なる所在地変更なのか、営業所の新設・廃止を伴うのかによって手続きが変わる場合があります。

商号を変更した場合

会社名を変更した場合も変更届が必要です。法人の場合には、登記事項証明書などによって変更内容を確認することになります。

資本金を変更した場合

増資や減資などによって資本金が変わった場合も変更届の対象となります。

許可業種を一つやめた場合

例えば、土木工事業・建築工事業・電気工事業の許可を持っていて、電気工事業だけをやめる場合です。

これは会社そのものの廃業ではありません。「建設業の一部廃業」として扱います。

建設業許可の変更届に使う主な様式

代表的な様式として、次のものがあります。

様式内容
様式第22号の2変更届出書
様式第22号の3届出書
様式第22号の4廃業届
様式第7号常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書
様式第8号営業所技術者等証明書
様式第9号実務経験証明書
様式第10号指導監督的実務経験証明書

ただし、変更内容によって提出する様式・添付書類は変わります。

また、各許可行政庁が求める確認資料もあります。

建設業許可の廃業届

廃業届は、建設業法上の「廃業等の届出」を行うための書類です。

国土交通省の手引きでは、全部廃業の場合は様式第22号の4「廃業届」を提出するものとされています。

提出期限は原則として、事実が発生してから30日以内です。

建設業を廃止した場合

例えば、今後は建設工事を一切行わないという場合には、建設業の廃止に伴う廃業届が必要になります。

ただし、工事途中の案件、請負契約、下請工事、元請工事、前払金・未収金、完成保証等が残っている場合には、単純に「今日から建設業をやめます」として処理できるとは限りません。

廃業する場合には、実際の工事・契約関係も整理する必要があります。

一部廃業の場合

一部廃業は、許可を受けている業種の一部だけを廃止する場合です。

例えば、許可業種が建築工事業、電気工事業、管工事業の場合で電気工事業を廃止する場合で建築工事業・管工事業は継続というケースです。この場合、建設業そのものを全部やめるわけではありませんので廃業届だけでなく、残す業種・営業所技術者等との関係について変更届が必要になることがあります。

廃業届を提出後の建設業許可

廃業届を提出すると、廃止した業種について建設業許可を維持することはできなくなります。

全部廃業なら、その許可に係る建設業をすべて廃止することになります。一部廃業なら、廃止した業種だけが対象となります。

会社を解散する場合の廃業届

会社そのものを解散する場合には、会社法上の手続きとは別に、建設業法上の廃業等の届出が必要となります。

建設業法第12条では、法人が合併により消滅した場合、破産手続開始の決定により解散した場合、その他の事由により解散した場合などについて、一定の者が30日以内に届け出ることとしています。

静岡県静岡市の建設業、建設業許可

変更届・廃業届を行政書士に依頼するメリット

建設業許可の変更届は、書類を出すだけの手続きのように思えますが、実際には、変更届で済むのか、それとも許可要件を欠いているのかを判断しなければなりません。

経営業務の管理責任者の退職、営業所技術者等の退職、役員変更、営業所移転、一部廃業、事業承継などは、複数の制度を検討する必要があります。

行政書士法人アラインパートナーズに依頼する場合など、単に書類を作成するだけでなく、変更によって建設業許可を維持できるのかというところから確認してもらうことも重要です。

Q&A

Q1:経営業務の管理責任者(経管)が急に退職することになりました。何をすればよいですか?

:後任者が経管の要件(建設業に関し5年以上の経営経験を有すること、またはこれに準ずる地位での経験があることなど)を満たしているかを確認します。

前任者の退任日と後任者の就任日の間に1日でも空白期間が生じると、その間は許可要件を欠くことになり、最悪の場合、許可取消しの対象になります。後任者が退任日の翌日には常勤役員として在籍している状態を作ったうえで、退任・就任の事実が生じてから2週間以内に変更届を提出してください。

Q2:変更届や廃業届は、どこに提出すればよいですか?

:都道府県知事許可の場合は、営業所の所在地を管轄する都道府県の建設業担当部署(静岡県の建設業課など)です。

国土交通大臣許可(複数の都道府県に営業所がある場合)は、主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局(中部地方整備局など)が窓口となります。

Q3:許可を受けている業種のうち、一部の業種だけをやめたい場合はどうすればよいですか?

:複数業種の許可を受けている場合、一部の業種だけを廃業することもできます。この場合も建設業法第12条に基づく届出(一部廃業)の対象となり、届出書には「一部の業種の廃業」である旨と、廃止する業種を明記します。事実が発生した日から30日以内に届け出る必要がある点は全部廃業と同様です。一部廃業後も、残った業種については引き続き許可業者としての義務(決算変更届の提出など)が続きます。

Q4:廃業届を出さずに放置してしまった場合、どうなりますか?

:廃業等の届出を怠った場合、建設業法第50条第1項に基づき50万円以下の過料の対象となる可能性があります。事情があって届出が遅れてしまった場合でも、放置せずできるだけ早く行政庁の窓口に相談し、届出を行うことが重要です。

Q5:会社の代表者(経営者)が亡くなりました。廃業届を出すことになりますか?

:建設業者個人が死亡した場合、原則として相続人が30日以内に廃業等の届出を行う義務がありますが、令和元年改正建設業法により新設された事業承継の認可制度(建設業法第17条の2・第17条の3)を活用すれば、一定の要件のもとで許可を空白期間なく相続人に承継できる可能性があります。

Q6:変更届と決算変更届(事業年度終了届)は何が違うのですか?

:変更届(狭義)は、商号・役員・経管・専任技術者・営業所・資本金など、「許可申請時の内容に変更が生じたとき」に、その都度提出するものです。

決算変更届(事業年度終了届)は、変更の有無にかかわらず、毎事業年度終了後に財務諸表や工事経歴書などを提出する定期的な報告義務であり、建設業法第11条第2項に根拠があります。提出期限も、狭義の変更届が「2週間」または「30日」であるのに対し、決算変更届は「事業年度終了後4か月以内」と定められています。

決算変更届を複数年分未提出のまま許可の更新時期を迎えると、更新申請自体が受理されないおそれがあるため、毎年欠かさず提出することが重要です。

Q7:一度廃業届を出しても再度、建設業許可を取得することはできますか?

:廃業届を提出すると、その時点で許可の効力は失われますが、改めて建設業を営みたい場合は、新規で許可を申請し直すこともできます。

過去に許可を持っていたという実績があっても、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件、財産的基礎の要件などを、申請時点で改めて満たしている必要があります。

事業譲渡などで会社の実績を別の会社が引き継ぎたい場合、実績が自動的に承継されるわけではない点に注意が必要です。

Q8:変更届の提出をずっと忘れていたことに気づきました。今からでも提出できますか?

:期限を過ぎてしまった変更届であっても、放置せず速やかに提出します。多くの許可行政庁では、遅れて提出された変更届も受け付けていますが、法定期限を過ぎていること自体が行政指導の対象となる可能性があります。

決算変更届が複数年分未提出になっている場合は、まとめて作成・提出する必要があり、直前の税務申告資料等をもとに過去の事業年度分をさかのぼって整理する作業ができてしまいます。

Q9:一人親方で建設業許可を取得していますが、法人化(法人成り)する場合、変更届と廃業届のどちらが必要ですか?

:個人事業主(一人親方)が法人を新たに設立して事業を移す場合、個人と法人は法律上まったく別の主体として扱われますので、個人が受けていた建設業許可を法人がそのまま引き継ぐことはできず、原則として、個人事業主としての許可については廃業等の届出(建設業法第12条第5号)を行い、新設した法人が改めて新規に許可を申請する必要があります。

なお、令和元年改正建設業法による事業承継の認可制度を活用できる場合は、要件を満たせば空白期間なく法人へ許可を承継できる可能性もあるため、法人成りを検討している場合は早い段階で認可制度の活用可否を確認することをおすすめします。

Q10:変更届や廃業届は自分で作成・提出できますか、それとも行政書士に依頼すべきですか?

:変更届や廃業届のいずれも、必要書類をそろえれば事業者自身で作成・提出することはできますが、経営業務の管理責任者の要件確認や、事業承継の認可制度の活用可否といった判断は、建設業法や施行規則の解釈が絡む専門的な内容を含みます。

経管の空白期間の有無、決算変更届の未提出年数、相続や合併に伴う許可の承継といった複雑な場合では、判断を誤ると許可の取消しや再取得の手間につながるおそれがあるため、不安がある場合は早めに行政書士法人アラインパートナーズなど建設業許可に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。

参照・出典先

建設業法(昭和24年法律第100号)第11条・第12条・第17条の2・第17条の3・第29条・第47条・第50条

建設業法施行規則 第3条・第7条

静岡県建設業許可の手引
https://www.pref.shizuoka.jp/1066349/1066357/1067879/1071964.html

国土交通省「建設業許可の要件」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html

国土交通省「経営業務管理責任者の大臣認定の取扱いの合理化について」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000051.html

国土交通省関東地方整備局「建設業許可申請・変更の手引き」
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000877206.pdf

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