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【建設業許可の基礎】左官工事・塗装工事・防水工事の違いと申請区分を徹底解説

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建設業許可を取得する場合、「左官工事」「塗装工事」「防水工事」のどれで申請すべきか迷うこともあると思います。これらは似ているようで、建設業法上は明確に区分されています。行政書士が業種定義・違い・具体例・許可取得の判断基準までを、国土交通省の業種区分に基づいて、国交省の建設業許可事務ガイドライン静岡県の建設業許可の手引きなどに準拠して、わかりやすく詳しく解説します。

左官工事とは

左官工事とは、こてを用いて壁や床などを仕上げる工事をいいます。

  • 左官工事の工事内容は次のとおりです。
    • モルタル塗り
    • 漆喰塗り
    • 珪藻土仕上げ
    • コンクリート表面仕上げ
    • 人造石洗い出し

「塗る」行為でも材料が厚く、造形・仕上げを伴うのが特徴です。美観や機能(調湿・耐火)を持たせることを目的にしています。

単に表面を整えるだけでなく、下地を造り、コテを使って材料を盛り付ける作業が中心です。具体例としては、左官仕上げ、モルタル塗り、プラスチック系壁塗り、吹付け、じゅらく塗りなどです。

塗装工事とは

塗装工事とは、塗料を塗布して物の表面を保護・美観向上させる工事です。

  • 塗装工事の主な工事内容は次のとおりです。
    • 外壁塗装
    • 屋根塗装
    • 鉄部塗装
    • 橋梁塗装
    • 防錆塗装

主目的は保護(防錆・防腐)と美観です。左官よりも薄い塗膜が多いです。

防水工事とは

防水工事とは、建物に水を侵入させないための工事です。

  • 防水工事の主な工事内容は次のとおりです。
    • ウレタン防水
    • FRP防水
    • シート防水(塩ビ・ゴム)
    • アスファルト防水
    • シーリング工事
    • 注入防水

目的は完全な止水性能です。材料や施工方法が専門的です。

左官工事と塗装工事の違い

項目左官工事塗装工事
材料モルタル・漆喰など塗料
厚み厚い(数mm?数cm)薄い(μm?mm)
目的仕上げ・造形保護・美観
施工方法こてローラー・吹付

モルタルで仕上げる場合は左官、ペンキを塗る場合は塗装になります。

左官工事と防水工事の違い

項目左官工事防水工事
目的仕上げ防水
機能美観・調湿止水
材料モルタル等防水材

外壁仕上げは左官工事で、雨漏り防止は防水工事になります。

塗装工事と防水工事の違い

項目塗装工事防水工事
目的保護・美観防水
厚み薄い厚い(防水層)
材料塗料防水材

「防水塗料」はありますが、性能が主に防水なら防水工事になります。判断基準はその目的によります。

ウレタン防水などは「防水工事」に該当しますが、建物の外壁塗装に付随する軽微な補修は「塗装工事」として扱われることが一般的です。

建設業許可を左官工事で申請すべき具体例

  • 建設業許可を左官工事で申請すべき具体例は次のとおりです。
    • モルタル外壁仕上げを行う会社
    • 漆喰・珪藻土施工業者
    • コンクリート補修仕上げ
    • 土間仕上げ工事

キーワードはこて仕上げや厚塗りです。

建設業許可を塗装工事で申請すべき具体例

  • 建設業許可を塗装工事で申請すべき具体例は次のとおりです。
    • 戸建て外壁塗装業者
    • 屋根塗装専門業者
    • 鉄骨塗装会社
    • 橋梁塗装業者

キーワードは、塗料・保護・美観です。なお、道路の白線(路面標示)や、橋梁の防錆塗装を請け負っている場合も塗装工事です。

建設業許可を防水工事で申請すべき具体例

  • 建設業許可を防水工事で申請すべき具体例は次のとおりです。
    • ベランダ防水工事業者
    • 屋上防水専門業者
    • シーリング工事業者
    • 防水改修工事会社

キーワードは、雨漏り防止・止水です。ビルの屋上の防水シート貼りや、アスファルト防水を専門としている場合、サッシ周りや外壁の継ぎ目の「シーリング(コーキング)打ち」が売上の大半を占める場合も防水工事です。

左官・塗装・防水で建設業許可を取得する要件

経営業務の管理責任者(建設業法第7条1号)

  • 経管の要件は次のとおりです。
    • 5年以上の経営経験(または準ずる経験)
    • 法人役員または個人事業主としての実績

営業所技術者(旧:専任技術者)

  • 営業所技術者の要件は次のいずれかです。
    • 指定学科と実務経験
    • 10年以上の実務経験
    • 国家資格

該当資格例

左官: 1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)、技能検定「左官」
塗装: 1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)、技能検定「塗装」
防水: 1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)、技能検定「防水施工」

財産的基礎

  • 建設業許可の財産的基礎要件は次のいずれかです。
    • 自己資本500万円以上
    • 500万円以上の資金調達能力

誠実性・欠格要件

  • 建設業許可の誠実性・欠格要件は次のとおりです。
    • 不正・不誠実な行為がないこと
    • 欠格事由に該当しないこと

ポイントと注意点

「塗る=塗装」とすると誤解になります。モルタルは左官です。

防水と塗装は混同しないようにして、目的で判断します。

シーリング工事の扱いは防水に該当するケースが多いです。

複数業種が必要なケースがあります。たとえば、外壁改修では、左官、塗装、防水が必要なこともあります。

  • またこのような場合は複数業種取得が安全です。
    • 元請として一式受注する場合
    • 工事内容が混在する場合
    • 売上拡大を狙う場合

左官・塗装・防水は似て非なる業種であり、判断基準は「目的・材料・施工方法」です。
左官は、仕上げ(こて)で、塗装は保護・美観(塗料)が目的、防水は止水(防水材)が目的です。建設業許可の業種選択を誤ると、無許可営業リスク(建設業法第3条違反)にもつながるため、慎重な判断が必要です。

Q&A

まとめを兼ねてQ&Aをつくりました。参考にしてください。

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