建設業許可申請には、申請書類に記入するだけではなくて、事前に準備しておく資料や書類もたくさんあります。行政書士などと相談して準備しておきます。
1.社会保険加入状況を記載した書面及び確認資料の添付について
建設業の社会保険加入の促進策として、建設業法施行規則等の改正があって、建設業許可の申請書に保険加入状況を記入した書面と確認資料の添付が必要となっています。(建設業法施行規則第4条)
建設業界は、下請などで雇用、医療や年金保険にかんして、法定福利費を適切に支払っていない社会保険未加入企業があるために建設業の許可の時に社会保険加入状況の確認をすることになっています。
提出書類と確認資料は、新規許可、更新、許可換え新規、業種追加申請時に提出して確認をしてもらうことになります。
確認で、 保険の未加入が判明した会社に対しては、加入の指導が行われます。
社会保険の加入義務のある適用事業所とは
- 健康保険・厚生年金保険
法人の事業所(営業所)および個人経営で常時5人以上の労働 者を使用する事業所(営業所)
(2) 雇用保険
労働者を1人でも、雇用する事業所(営業所)
適用事業所に該当するにも関わらず保険に未加入の場合は、健康保険、厚生年金保険は、事業所の所在地の年金事務所、雇用保険は、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署やハローワークで相談して、加入の手続きをします。
2.書類の提出先
建設業許可申請書類の提出先は大臣許可、知事許可によって違ってきます。
・大臣許可を申請する場合の提出方法
国土交通大臣の許可を受ける場合は、 許可申請書とその添付書類を本社や本店の所在地を管轄している都道府県知事を経由して、国土交通大臣に提出することになります。
(建設業法施行規則第6条)
郵送での書類の提出はできませんので、 直接、当該の行政庁に提出することになります。
許可取得後の変更届は、一部ですが郵送提出を認めている場合もあります。
(受付曜日・受付時間)
受付曜日:土曜日・日曜日・祝日を除いた平日
受付時間:午前9時~11時30分、午後1時~4時
混雑している時間帯や曜日は時間内に受付できないことがありますので、事前に管轄の行政庁へ比較的すいている時間帯を聞いておいたほうがよいでしょう。
新規・更新・業種追加の申請は、それぞれ、印紙などで手数料の納付がありますので、早めに受付をしておいたほうがよいでしょう。
・知事許可を申請する場合の提出方法
都道府県知事の許可を受ける場合、 許可申請書類とその添付書類を営業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出することになります。
提出の窓口は、土木事務所、行政庁主管課など、都道府県によって違ってきますので、確認が必要です。
行政庁では申請書類の受付後、手数料の納入が確認され次第に、受付年月日、受付番号を押印した写しや副本を申請者に返却してくれます。
写しや副本の部数は各都道府県により違ってきますので、管轄の行政庁で確認します。
3.申請にかかる費用
許可を受けるには、 あらかじめ登録免許税または許可手数料を納付することになります。 (建設業法第 10、 17条、施 行令第4条)
行政書士は手続きをして、報酬を受け取る時、この費用もいっしょに建設業者から受け取っておきます。
「大臣許可」「知事許可」によって、もしくは「一般・特定のみ申請」「一般と特定の両方を申請」により違ってきます。
知事許可の場合、各都道府県により手数料が違う場合がありますので、あらかじめ、管轄の行政庁で確認しておきます。
・手数料で許可申請の審査事務に必要なもの
許可申請手数料は許可申請の審査事務に必要なものであって、許可がもらえなかった場合や許可申請を取り下げられた場合であっても還付されません。
・登録免許税・許可手数料の納付方法について
登録免許税や許可手数料は、それぞれの方法で納付することになります。
・登録免許税の納付方法
登録免許税の納付は、現金で直接に地方整備局の所在地を管轄す る税務署に納付するか、日本銀行、国税の収納を行う日本銀行歳 入代理店または郵便局を通して管轄税務署あてに納付します。
なお国土交通大臣の許可を受けようとする場合、 納税した際に 交付される領収証書を、許可申請書別紙の所定の貼り付け欄に貼 付しなければなりません。
登録免許税の取り扱いは地方整備局管轄の税務署のみになります。地方整備局管轄の税務署以外の税務署では、登録免許税の納付の手続きは取り扱っていませんので注意したほうがよいでしょう。
・許可手数料の納付方法
許可手数料の納付は、国土交通大臣の許可(業種追加や更新)を受けるときは、手数料分の収入印紙を購入して、許可申請書の別紙の所定欄に収入印紙を貼って納付します。
知事許可を受けようとする場合、各都道府県が発行する収入印紙によって納付する場合と、 現金によって納付する場合があります。各都道府県によって違ってきますが、収入印紙で納付する場合が多いようです。管轄の行政庁で確認します。
収入証紙もしくは現金で納付したとき、領収証書を、許可申請書の別紙の所定欄に貼り付けます。
4.その他準備する書類
(1)決算報告書
提出書類の財務諸表、第十五号~十九号様式の貸借対照表、損益計算書などです。これらを作成する場合、決算報告書があると作成がスムーズになります。
行政書士に代行してもらって申請する場合でも、決算報告書を準備しておいたほうがよいでしょう。
- 預金残高証明書、固定資産税納税証明書、不動産登記簿謄本
預金残高証明書、固定資産税納税証明書、不動産登記簿謄本、財産的基礎・金銭的信用を証明するために「純資産の額が500 万円以上あること」「500万円以上の資金調達能力があること」という要件がありますが、その証明に必要になるが預金残高証明書、固定資産税納税証明書、不動産登記簿謄本となります。
預金残高証明書は銀行などの金融機関で発行してくれます。 都道府県によってはその証明年月日が申請直前1か月以内 のものと指定される場合があるので確認したほうがよいでしょう。
固定資産税納税証明書は、各市区町村役場の固定資産税課で、不動産登記簿謄本は管轄する法務局で発行してもらうことができます。
(3)印鑑
許可申請書の一式には至る所に押印する箇所があります。そのため、個人であれば、実印を法人の場合は、法務局で印鑑登録してある代表者印を準備しておきます。
(4)確認資料
許可の要件などの確認に必要となり書類、書面については「確認資料」として提出することになります。
確認資料の内容や提出方法は、各都道府県や各地方整備局等によって違っている場合があ ります。あらかじめ、各都道府県や各整備局等、あるいは管轄の行政庁に聞いておいたほうがよいでしょう。
(5)確認資料の内容
提出することになる資料については、「経営業務の管理責任者」「専任技術者」および「建設業法施行令第3条に規定する使用人」に関する申請建設業者との間の雇用関係や許可要件の確認、営業所等の所在確認、ならびに、社会保険加入状況の確認などを行うにあたって、 申請、届け出等の区分に従って、それぞれ、これらの確認資料を提出することになります。
(1)許可に係る申請を行う場合
経営業務の管理責任者、専任技術者および建設業法施行令第3 条に規定する使用人(経管者等)の各者について、それぞれ提出します。
経営業務の管理責任者に関する経験年数の確認資料として、 資料を提出します。専任技術者のうち、要件を実務経験としている技術者の当該経験に関係する確認資料も提出します。
建設業法施行令第3条に規定する使用人に関する契約締結権限の有無などに関係する確認資料も提出します。
健康保険等の加入状況を確認するための確認資料としても資料を提出することになります。
- 変更に関する届出を行う場合
建設業法の規定に基づく変更の届け出 (営業所の所在地変更や専任技術者の追加・変更等)をする場合で、当該変更が内容の変更がある場合は、該当する資料を変更届の内容に関係する確認資料として提出することになります。